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Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー

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土木学会(会長:谷口 博昭)は、6月6日(月)に、2021年度会長特別委員会 コロナ後の“土木”のビッグピクチャー特別委員会による提言書『Beyondコロナの日本創生と土木のビッ… もっと読む
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提言『Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー~人々のWell-beingと持続可能な社会に向けて~』

提言を公表しました公益社団法人土木学会(会長:谷口 博昭)は、6月6日(月)に、2021年度会長特別委員会 コロナ後の“土木”のビッグピクチャー特別委員会による提言書『Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー~人々のWell-beingと持続可能な社会に向けて~』を公表いたしました。 本提言は、「日本が直面している様々な危機に立ち向かい、ありたい未来の姿を実現していくために、土木がどのような責任を持ち、社会に貢献できるか。」という課題に応えるべく、「社会と土木

ノルウェー・インフラ計画制度調査 資料(ノルウェー:地方レベル)

土木学会では2022年6月に、わが国の未来像を示した全体俯瞰図として「ビッグピクチャー」の提言を行いました。 現在、そのフォローアップとして、ノルウェー王国のインフラ計画制度に関する調査を進めています。その状況報告の一つとして、調査・収集したノルウェー語の資料(主に国レベル)や日本語の資料について、以下のnoteでまとめています。(随時更新) こちらのページでは、ノルウェー地方政府の計画に関する資料やデータについてまとめました。随時更新しておりますので、ご興味ご関心のある

ノルウェー・インフラ計画制度調査 資料(日本語)

土木学会では、2022年6月に「Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー」を提言として公表しました。 現在、そのフォローアップとして、ノルウェー王国のインフラ計画制度に関する調査を進めています。その状況報告の一つとして、調査・収集したノルウェー語の資料について、以下のnoteでまとめています。(随時更新) こちらのページでは日本語として提供されている資料やデータについてまとめました。随時更新しておりますので、ご興味ご関心のある方はフォローください。 また、こ

理想の国土を実現するために-キホンとギモン-土木学会誌2023年5月号 特集

毎月1日は弊会の会誌である「土木学会誌」の発行日です。 2023年5月号特集は 「理想の国土を実現するために-キホンとギモン-」。以下、特集目次をご案内します。 本特集を通じ、「理想の国土」について考えるきっかけになりましたら。 特集-理想の国土を実現するために-キホンとギモン- 目次座談会|国土計画を知る-学生委員が聞く!国土計画キホンの「キ」-  片山 茜(国土交通省国土政策局)  七里 蒼/松永 葵(土木学会誌学生編集委員)  司会|今井 嵩弓(土木学会誌編集委員

書籍になりました!-『Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー』

この国の将来の国土とそれを支える礎としてどのようなインフラが必要か、より多くの人に一緒に考えてもらいたいと2022年6月に公表した『Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー』を、書籍として発行しました。 この提言の検討では、学会の会議室の中だけの議論に留まらず、noteでコンテスト「#暮らしたい未来のまち」を実施し、さまざまな方々の抱く未来への思いも取りいれながら議論を進めました。 この本を通じて、土木技術者同士だけでなく、広く一般の方々と、生活・経済・社会の

ノルウェー・インフラ計画制度調査 資料(ノルウェー:国レベル)

土木学会では2022年6月に、わが国の未来像を示した全体俯瞰図として「ビッグピクチャー」の提言を行いました。 提言の検討は、1年間という短い期間でのとりまとめで、具体的なところまで十分踏み込めなかったことから、現在このフォローアップ活動を実施しています。その一環として、海外におけるインフラの計画、とりわけ長期計画に関する制度や計画に位置づけられたプロジェクトおよびプロジェクトを推進する制度などについての調査を実施することとなりました。 今回はノルウェー王国に着目し、調査を

再生

「土木のビッグピクチャーに夢をみる」~令和四年度土木学会全国大会 関西支部主催 特別行事Ⅰ

新しい国土のビッグピクチャーを「描く」にあたっては、これまでの細分化・専門化された想像力や問題解決型の創造力を超克することが必要だと思われます。本シンポジウムでは谷口土木学会前会長のもと本年6月に公表された土木のビッグピクチャーをうけ、それを題材としつつ、未来の国土像をさまざまな立場から討論する。そこでは、各人の専門を最大に尊重しつつもその「枠・フィルター」を可能な限り除去し、それでもなお各人に残存する価値やビジョンをベースとして、分野横断的・俯瞰的あるいは未来志向的な討議を行う。これをもって、現役世代・次世代全てが日本の未来に「わくわく」を見出すきっかけとしたい。 ■開催日時 2022年9月14日(水)13:00-14:30 ■会場 京都国際会館 Main Hall ■プログラム 挨拶 末廣正人(令和4年度全国大会実行委員会 副委員長) 「日本の危機を『土木の力』で乗り越える」 藤井 聡(京都大学大学院工学研究科 教授) コロナ後の”土木”のビッグピクチャー特別委員会 「土木のビッグピクチャーの紹介」 小池淳司(神戸大学大学院工学研究科長・市民工学専攻 教授) コロナ後の”土木”のビッグピクチャー特別委員会  関西支部WG 「ビッグピクチャー ~関西支部WGからの提案~」 掛 園恵  (日本ミクニヤ(株)大阪支店環境防災部長、   舞鶴工業高等専門学校社会基盤メンテナンス教育センター 特命助教) 北原秀樹(鹿島建設(株)関西支店新名神樟葉工事事務所工事 課長代理) 「建設コンサルタンツ協会近畿支部が描くビッグピクチャー」 福士真央((株)ニュージェック経営戦略本部新規事業開発グループ 主任) 「土木のビッグピクチャーによせて」 栗田啓子(東京女子大学 名誉教授) コーディネーター 大西正光(京都大学防災研究所附属巨大災害研究センター 准教授) ■提言『Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー~人々のWell-beingと持続可能な社会に向けて~』 https://note.com/jsce/n/nf283d7064187

土木のビッグピクチャーに寄せて

水谷 誠 論説委員 (一社)日本建設業連合会 土木学会は2022年6月6日、「Beyondコロナの日本再生と土木のビッグピクチャー[提言]」を発表した。本提言は、厳しさを増している今日の日本の危機に立ち向かうため、土木学会100年ビジョンを踏まえ、今後土木が実現すべき未来像を全体俯瞰図として示したものであり、筆者も委員として策定に加わらせていただいた。 本提言には、二つの特徴がある。一つ目は、「ありたい未来の姿」として夢と希望の持てる社会を構想し、その姿に如何に近づけるか

Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー はじめに

はじめに大きな変化と国難ともいえる危機に多くの国民が協調して立ち向かうためには「コロナ後の日本創生と土木のビッグピクチャー」を示し、共有することが重要なポイントと考えています。そのビッグピクチャーでは、現状の種々の制約に縛られず、未来志向で、従来からの価値観の転換を図り、時代の変化に適応することが求められます。 例えば、 これまでの「経済効率性を重視した社会」でなく「持続可能で、誰もが、どこでも、安心して、快適に暮らし続けることができるWell-Being社会」を目指すこ

Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー 第1章 趣旨-ビッグピクチャーを土木学会から発信する意義

第1節 提言の背景■土木の営み 地形や気候の面で厳しい自然環境の中にあり、また地震や台風、豪雪、土砂災害など、常に自然災害の危険にさらされているこの国において土木は、自然・国土に働きかけ、安全に、安心して人々が暮らすことのできる基盤-インフラ-を営々と築き、国土に蓄積してきました。 現代社会は、土木が営々と築いたインフラという基盤が、生活経済社会を支える下部構造として「あたりまえ」に存在し、機能することを前提としており、その上で経済活動や文化的活動など、さまざまな営みが行わ

Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー 第2章 基本的な考え方

第1節 ありたい未来の姿■危機を乗り越え持続可能な社会へ 土木学会は2014年、「社会と土木の100年ビジョン」を策定し、その中で、究極の目標とする社会像として「持続可能な社会」を掲げ、その礎を築くことを土木の目標としています。 ビジョン策定から8年が経過しましたが、その間にも社会は大きく変化し、地方の一層の衰退や格差の拡大等、さらに多くの難題が日本社会に立ちはだかっています。これら深刻化する危機に立ち向かわなければ、あるべき究極の目標である「持続可能な社会」を目指すこと

Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー 第3章 ありたい未来を実現するために①

第1節 目指す国土像第2章では「ありたい未来の姿」を実現するため、まず具体的な第1歩として「リスク分散型社会の形成」と「共生によるWell-beingの向上」を目指すことを提案しました。そのような社会の形成を通じて地方の特色ある自立的な発展を促進し、過度の東京一極集中を是正するとともに、自然や歴史文化との協調・共生(ともいき)を尊重した新しい国土の形成を目指すことができると考えます。 特に、地方においては、生物多様性が保たれた豊かな自然、風土を活かした農林水産業の再評価、再

Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー 第3章 ありたい未来を実現するために②

第3節 土木のビッグピクチャーを実現する制度   (1) 長期計画の制度化 ① インフラ長期計画の法制度化 欧米諸国では、コロナ前から、20年30年先の姿を描き、質の高い基幹インフラ整備が経済成長を促し、雇用を創出するために不可欠な存在であるとして、既存インフラの再構築、新規成長インフラへの積極投資を進めています。 アメリカではインフラ投資雇用法に基づく1兆2000億ドル(約136兆円)の投資を決定し、イギリスでは、2050年の姿を目標に今後5年間でインフラに6000億

Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー 第4章 土木の裾野の拡大と土木技術者の役割

地域や国民が「共生」しながら土木のビッグピクチャーを実現することにより、生活経済社会を支える下部構造であるインフラという基盤がこれまで以上に「あたりまえ」に存在するようになるためには、何よりもまず、国民、市民、地域住民に広くインフラの役割や意義を理解していただき、ビッグピクチャーの取組みを支持・支援していただくことが不可欠です。同時に、インフラの計画、整備、維持を担う土木技術者を長期にわたって継続的に確保することも必要です。さらに、土木の活動が国際的に行われていることを踏まえ