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ノルウェー・インフラ計画制度調査 資料(ノルウェー:国レベル)

土木学会では2022年6月に、わが国の未来像を示した全体俯瞰図として「ビッグピクチャー」の提言を行いました。

提言の検討は、1年間という短い期間でのとりまとめで、具体的なところまで十分踏み込めなかったことから、現在このフォローアップ活動を実施しています。その一環として、海外におけるインフラの計画、とりわけ長期計画に関する制度や計画に位置づけられたプロジェクトおよびプロジェクトを推進する制度などについての調査を実施することとなりました。

今回はノルウェー王国に着目し、調査を進めています。
この記事は、その調査の過程で収集した資料を整理します。随時更新してまいりますので、ご興味ご関心のある方は、ぜひフォローください。

またノルウェー現地のインフラ計画に詳しい方からの情報もお待ちしております。こんな情報がある、こんな資料を知っているという場合はぜひ、本記事へのコメントかこちらのメール(planning@jsce.or.jp)に情報提供ください。

(情報更新:2023/10/3)


政府機関・関連組織(ノルウェー)

※日本語訳は正式なものではありません

Ministry of Transport(運輸省)

運輸省は、郵便活動、民間航空、公共道路、鉄道輸送部門、および国の道路システムの一部を構成するフェリーサービスの枠組み条件について全体的な責任を担っています。
The Ministry of Transport has overall responsibility for the framework conditions for postal activities, for the civil aviation, public roads and rail transport sector and ferry services forming part of the national road system.

出所:WebサイトよりDeepL翻訳

ノルウェー統計局

駐日ノルウェー大使館

事業会社

ノルウェー道路公社

新道路会社

https://www.nyeveier.no/

その他組織

MENON ECONOMICS

ノルウェー財務省と主要公共投資の品質保証に関する枠組み協定(QA-scheme)を結んでいるシンクタンク。


関連法令

建築計画法

建築計画法:Wikipedia(🇳🇴版)


各種レポート

2021年展望レポート

2023-2027年の地域・自治体計画に対する国の期待

National Expectations for regional and municipal planning 2023-2027

政府は4年ごとに、国全体の持続可能な発展を促進するため、地域計画や市町村計画に対する国の期待を示している。県議会や市町村は、計画戦略や計画において、国の期待に従わなければならない。また、州当局が計画に参加する際には、この期待事項を基礎として使用しなければならない。

Concept Research Programme

コンセプト・リサーチ・プログラムの主な目的は、最初の視覚化から実施決定までのフロントエンド段階におけるプロジェクトに関する知識と専門知識を開発することである。大規模な公共投資プロジェクトに関する追跡調査が、プロジェクトの主な活動である。その目的は、資源の有効活用と投資効果の向上を達成することである。

インフラ整備計画

ノルウェーの長期計画
ノルウェーは全国の交通インフラの長期計画を交通省が白書として4年ごとに更新し、それを国会に送り審議して決定しています。2022年に策定された最新の計画では,効率,環境,安全に配慮した交通システムを2050年に向けて整備することを長期目標に掲げ、2033年までの12年間の全国の道路,鉄道,航空,港湾等への投資の方針や主要プロジェクトが予算額と共に示されています。
主要プロジェクトには、既に着工されているノルウェー沿岸部の南北1100㎞を連結するE39 沿岸高速道路プロジェクト等が含まれ、本計画期間にも整備が推進されるようです。このような大規模プロジェクトを含む長期計画の策定過程では、200近い企業、自治体、各種協会やNPO等に、一般個人も加えた多数の団体から意見書の正式な提出を受け、賛成反対意見なども含めたすべての意見がHP上に公開されています。
また,計画策定にあたって調査分析された各種資料が事前に公開され、その中には経済分析、環境影響、交通安全などのレポートも当然ながら含まれます。興味深いことは、多くの道路プロジェクトの純便益がマイナスであることです。それでも数値をフラットに公表し,優先順位を定めて整備対象にしているようです。
ノルウェーは人口500万人強で北海道と同程度(面積は4倍)ですが1人当たりGDPは世界4位で日本の2倍の8.9万ドル(2021年)です。北海油田もあり成長を遂げた国ですが、20年前は日本と同程度の4万ドル弱でした。このような成長国ノルウェーは、世界でも最も民主化レベルの高い国とされ、国連のデータでも国民への意見聴取や政府の説明責任で常に世界のトップにあります。
このような国で全国のインフラ計画を策定するのですから、十分な情報が提供され、かつ十分に広い範囲の国民の意見をしっかりと聴取していることは当然でしょうが,それぞれの意見が記録に残る形式で公開されているのは、いわば責任を共有しつつ国として大規模プロジェクトやその投資額を決定していると言えなくもないでしょう。

出典:Beyondコロナの日本創生と土木のビッグピクチャー【提言】
〜人々のWell-beingと持続可能な社会に向けて〜(書籍版)より

国家輸送計画ポータルサイト

国家交通計画2022-2033

ノルウェー語

英語概要版

次期国家交通計画2025-2036資料

交通計画プロジェクト

E39 Rogfast

E39ログファスト・プロジェクトは、スタヴァンゲルの北にあるボクナフィヨルドとクヴィツォイフィヨルドを海底トンネルで横断するものである。

E39 Stord-Os (Hordfast)

E39 Stord-Os(Hordfast)は、E39 Stavanger-Bergen(スタヴァンゲル・ベルゲン)間のE39 Ferjefri(フェリーフェリーE39)の一部である。

E39プロジェクトが動画で紹介されています。

Statens vegvesenのYouTubeサイトでE39関連動画をまとめた再生リストがあります。

E18 Vestkorridoren

Sykkelstamveg Nord-Jæren

一体的な都市圏を形成しているスタバンゲル市とサンドネス市を結ぶ、全長13kmの自転車専用道路です



国内有数の工学系団体である土木学会は、「土木工学の進歩および土木事業の発達ならびに土木技術者の資質向上を図り、もって学術文化の進展と社会の発展に寄与する」ことを目指し、さまざまな活動を展開しています。 http://www.jsce.or.jp/