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PDCAで世界は変わらないと、AlphaGoが教えてくれた

少し前に、Googleが作ったAlphaGo(囲碁用のAI)同士の棋譜が、棋士が見たところ「意味わからん」ということで話題になりました。

強すぎて(?)理解不能なレベル ~「AlphaGo」同士のセルフ対局の棋譜が50局だけ公開
http://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/yajiuma/1062703.html

それに対し、“セルフ対局”の「AlphaGo」はまさに“理解不能”。特に序盤や中盤は一見素人のようで、到底生きることができなさそうな狭いところへ平気で打ち込んだり、定石っぽく進行したかと思えば、中途半端なところで手抜いて他の部分に浮気したり……先後ともにハチャメチャで追いかけるのが大変です。

AIの作り上げたものが、人知を超えているというのは非常に興味深い事象です。

人は意味のわかるものしか理解できません。
しかしその習性に甘んじていると大きな"勝利"は得られないと、この記事は教えてくれているような気がするのです。

人は、意味のわかる仮説を立ててしまいがち

よく会社で「PDCA」という言葉が使われます。
その中の「P」(Plan)をする際、意味のわかる仮説や筋が通った仮説を立てがちじゃないですか?

でもAlphaGoの棋譜の話を読むと、「意味の分からない一手」を打つことが大事なのかもしれないと考えるようになりました。


黒37手と白78手:AlphaGoとイ・セドルが再定義した「未来」 « WIRED.jp
http://wired.jp/special/2016/alphago-vs-sedol/

第4局の開始から2時間後、セドルは再び大きな穴にはまった。彼は広い盤面の一角を集中的に攻め、攻撃的に試合を進めていた。一方、AlphaGoは盤面全体の動きを重視する、より大局的なアプローチで打っていた。

これは、大局的な視点でアプローチしたほうが"勝利"できるということを象徴しているかのようです。
逆に言えば、部分的な細かい目標達成を積み上げても、全体として大きな"勝利"は得られない。

通常、目標って線形上の数値を置くことが多いと思います。
しかしそれでは大きな変化はなかなか起きません。
なぜなら大きな変化(≒イノベーション)は、ほぼ垂直変化して起きるからです。
大局的に世間を見て、理解を超えた大きな一手を打った者だけが、大きく勝てる。
今ってそんな世の中だと思うんです。

これってまさに「スタートアップ」的だと思うんですよね。
世界を俯瞰で見て、全体最適を考えた結果に起きる「意味の分からない一手」こそが、イノベーションを起こせるスタートアップなのだと。

下記の記事でも同様のことを言及しています。

Startup Science 2017 拡大版 (1750ページ )
https://medium.com/@masatadokoro/startup-science-2017-%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E7%89%88-1750page-9b1e144204af
※② あなたのスタートアップのアイディアの見つけ方、直感と異なるスタートアップのメタ原則とは? (160ページ)のスライドの27Pあたり。

その一手はだいたい賛否両論、でもその一手を打てないとスタートアップは勝てない。世界を変えられない。
自分も今スタートアップ企業にいるので、もっと「意味の分からない一手」を考えて打っていこうと思うのでした。

だいたいスターバックスで、あえてホットティーを飲みながらnoteを書いているので、ホットティー1杯くらいのサポートを頂けたら、こんなにうれしいことはありません。