クライアントからオリエンを聞く時に企画屋8年目の私が聞くようにしている「6W1H」について
企画の仕事を8年やっていると、全てを0から考える仕事以外にも、既にある程度条件が決まっている仕事もあります。
例えば受託制作だと、クライアントからオリエンを受け、それを元に提案をすることが非常に多いです。
しかし、良い企画を考えるために必要な情報を、いきなりクライアントがオリエンで全て語ってくれるわけではありません。
そのオリエン内容に不足があって、後から「そんなこと聞いてないですよ〜」なんてこともしばしば。
しかし、お金をもらう立場がそれを言うのはプロとして超ダサいので、こちらから質問をして、情報を補完していく必要があります。
そういう時に、私は「6W1H」を意識して聞くようにしています。
その内容を紹介してみようと思います。
※広告系の企画が長かったので、若干広告寄りの話が多いです。
※今は広告企画から離れています。ここでの発言は、今の会社とは何の関係もありません。
ざっくり言うと・・・
・その企画についての背景確認、リソース確認は絶対にしましょう。
・プロジェクトメンバー、決裁者の確認も忘れがちだけど重要。
・「What for(何のために)」もちゃんと聞きましょう。
Why:「なぜこの企画をするのか、背景を教えてください。」
そもそも今回の企画がなぜ行われることになったのか、その背景を聞きます。
クライアントによってはまちまちですが、マーケティング的な背景がある企画だと話が進めやすいです。
逆にマーケティング的な背景を持たないクライアントもたくさんいます。(特に広告業界)
そういう時は、こちらから提案する時に出来る限りマーケティング的な背景を補完すると、「おお、ウチのこと分かってくれている!」とクライアントから信頼を得られやすいです。
How:「使えるリソースは何ですか?」
プロジェクトにおける要素の1つが「制限事項=リソース」です。
なので今回使えるリソースは必ず把握しておきましょう。
「ヒト(=今回の企画に関わるメンバー)」「カネ(=予算)」は当然ですが、モノのリソースの確認は抜けがちなので強調しておきます。
例えばWebプロモーションの企画をする時に、マス広告で使っているクリエイティブを使用してよいのか?だったり、使用できる写真や画像はあるかの確認をしておくと、企画の設計に活かしやすいです。
営業とクリエイティブが分かれていると、この質問がされていないことが後で困ったことになる事例が過去何回もあったので、本当にクリエイティブリソースの確認はお願いします……(切実)
Who:「決裁者は誰ですか?」「プロジェクトメンバーは誰ですか?」
まずは決裁者の確認です。
決裁者がその企画をOKしないと、企画を提案しても通らないわけです。
しかし決裁者かを把握し、その方の考え方の癖などを把握しておくと、企画は通しやすいです。
もちろん、その人が気に入りそうな企画を考えるわけではないですよ。
あくまで、提案時のコミュニケーションの参考にするということです。
あと「プロジェクトメンバーは誰ですか?」という質問についてですが、どのくらいの人が関わっていて、それぞれどういう役割をやるのかについて知っておく、ということです。
企画をチームで進める時に「どういう人がいるのか」はとても重要です。
可能であればチームメンバーごとの得意・不得意を見極めて、その得意領域の仕事を任せられる体制を作れると、チーム力が上がり、最終的なアウトプットの質も必ず上がります。
What:「何か実施が決まっていることはありますか?」
今回依頼があった内容が、大きなプロジェクトの一部で、既に実施が決まっている別のプロジェクトがある、ということは往々にしてあります。
しかし大きなプロジェクトの一部だからといって、既に実施が決まっているプロジェクトを無視してよいわけではありません。
プロジェクト全体を把握した上で企画をしてこそ、プロだと私は思います。
なので、他のプロジェクトについては必ず聞きましょう。
When:「いつこの企画を実施するんですか?」
実施時期は2つの意味で重要です。
1つは制作期間です。
実際に企画を提案して、いつそれを実施して、そこから逆算して企画のアウトプットをどれくらいの期間作れるのかを見積もるために絶対必要な情報です。
発注者側は制作側のスケジュール感を理解していないことが多いので、スケジュールはかなりシビアに確認しておきましょう。
もう1つは企画の質を上げるためです。
実施時期がクリスマスであれば、クリスマスを絡めた方が人の心を動かす企画になる可能性が上がったりします。
そういった「トレンド」「時流」にあわせるためにも、時期を聞くのは非常に重要なのです。
Where:「どこでこの企画を実施するのですか?」
主に広告やメディアの企画だと、既に掲出メディアや手段が決まっている場合があります。
その時はそれが制限事項になるため、必ず確認しておきましょう。
企画の自由度がここでかなり変わってきます。
What for:「この企画の目的は何ですか?」
What for…つまり「何のために」この企画を実施するのかの確認は、この「6W1H」の中で最も重要です。
今回オリエンされるプロジェクトは、どういった目的で実施されるのかを聞きましょう。
例えば「新商品の認知」なのか「既存ファンへのファン度向上」なのかによって、企画の仕方は全く変わってきます。
できればその企画によって達成したいKPIも併せて聞くとなお良いです。
そうすると企画の設計が洗練されます。
時々クライアントの中でも目的が定まっていない時があります。
そういう時はちょっとしたコンサルのような形で、質問を投げかけて一緒に目的を探すお手伝いをすると信頼を獲得できます。
まとめ
・「なぜこの企画をするのか、背景を教えてください。」(Why)
・「使えるリソースは何ですか?」(How)
・「決裁者は誰ですか?」「プロジェクトメンバーは誰ですか?」(Who)
・「何か実施が決まっていることはありますか?」(What)
・「いつこの企画を実施するんですか?」(When)
・「どこでこの企画を実施するのですか?」(Where)
・「この企画の目的は何ですか?」(What for)
もし「なるほど!」と思って頂けましたら、オリエンを受ける機会があった時にぜひ「6W1H」の質問を試してみてください。きっと企画の精度が高まるはずです。
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