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Xジェンダー&パンセクシュアルが恋愛を考える

ぼくはいままで、誰とも付き合ったことがない。理由ははっきりしていて、単にパンセクシュアルであるが故の悩みから。

ぼくは、人を好きになる条件に性別が関わらない。だから男の子を好きになることもあったし、女の子を好きになったことも当然あった。ただ、ぼくの中では、男の子に対する恋愛の感情と女の子に対するそれは違う。

世間の恋愛の認識における「相手に対するドキドキ」とか「なにかわかんないけど一目惚れ」みたいな感覚。ぼくは男の子に対してそういう感覚を強く持つ。顔がタイプだとどうにかして近付こうと頑張っちゃうし、イチャイチャしたいし、甘えたいし、Hもしたい。そういう感情。

でも、男の子を好きになってくれる男の子って現実にはほぼいない訳で、しかも数少ないそういう人がぼくのタイプ、なんて保証もない。仮にぼくの好きなタイプの男の子がそういうセクシュアリティの人であったとして、相手がぼくを好きになってくれるとも限らない。

だから、男の子を好きになったところで、まず上手く行かないことなんて目に見えてるし、上手くいくなんて天文学的確率だと思ってしまう。しかも、仮に奇跡的にうまく行ったところで、どのみち法律上結婚は出来ない。結構いろいろ、精神的に堪えるような、目を覆いたくなる事実なのです。

じゃあ女の子に対しての恋愛感情はなんなのか。ぼくにとってのそれは、友情の延長線上にあるもの。

信頼のおける人とずっと一緒にいたい。とっても大切にしている人に愛されたい。愛したい。そういう欲から生まれた感情。だから、キュンキュンするわけじゃないけど、グッと好き、みたいな言語化が一番伝わりやすいと思う。

だから女の子に対して、普通の男の子みたいな感情の持ち方はしてあげられないだろうなって思ってる。少なくとも、目がハートになってるとか、そういうことはたぶん少ない。だから、ぼくと付き合ってもらうって、相手の人にも失礼というか、わざわざ相手を「普通じゃない方」に巻き込んでしまう、ということに対する引け目を感じる。

だから、ぼくは恋愛そのものが、とってもやりにくい。本当はしたいのに、恐怖と諦めと、引け目が勝ってしまう。

本当はしたいのに出来ない。でもしたいし、将来ひとりぼっちで生きていくのもいや。気が滅入る。どうしようもない葛藤と闘ってはいるけど、答えは出せないまま、ズルズルど年を取って死んでいくのかもしれない。そんな気がする。

ただ悲しい。

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