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神様、仏様

お久しぶりです、皆様。

先日、島根県は出雲に行ってきまして。毎度の如く一人です。うるさい!友達少ないんだよ!

ただ、やっぱり一人で来ている旅行者はほぼおらず。女子二人組か、老夫婦か、たまに若いカップル。

まぁ場違い感には慣れてますから。それはともかく。

出雲大社といえば縁結び。縁結びといえば出雲大社。ぼくだってさすがにそれくらいは知ってます。出雲に行った本題はそれではなかったものの、まあせっかく出雲まで来たなら出雲大社に行きましょう、となるのが世の摂理ですよね。

なんであれ来たからにはお参りをするのもセット。縁結びの神様ですから、ぼっちの強力な味方ですよね。当たり前に「そういう」お願いをする訳ですが。

まぁ出るわ出るわ。自分でもびっくりするくらい具体的なお願いがつらつら出てくるものです。事前に考えておいたわけではないのに。御社の前で1分も念じそうになってしまったので、途中で要約して引き上げてきました。

こう、なんだろう、愛に飢えすぎというか、強欲というか。そんな自分に自分で驚いてしまって。と同時にあきれ返ってしまって。

境内はそこそこ広いですから、本殿以外も見て回ったのですが、その道中もさっきのお願いの強欲さが頭から離れずに、今度は悲しくなってしまって。

みんな複数人で来てる中でぼくだけ一人だし、あんなにつらつら欲深いお願いが出てきてしまう。なんだか自分が嫌になってきました。

結局境内を一周はしたものの、どうにもいたたまれなくなってしまって、おみくじすら引かずに出てきてしまいました。


真っ暗な顔で御社を後にしながら、今まで、ずっと独りだった事実を「パンセクシュアルのせいだ」とか「Xジェンダーで辛い目に遭ってきたからだ」とか。とにかく性的少数者であるせいにして生きてきたことを後ろめたく思い始めていました。

だって、世の中そういう性的少数者の人たちだって幸せに、誰かと一緒に暮らしている訳です。みんながみんな寂しく生きている訳じゃない。


きっと、ぼくと幸せに生きる人たちとの差は「努力」の差。誰にだってわかり切っているごく当たり前の事実を、今まで見ないふりをして生きていました。

ぼくにだって言い訳はあった。女の子をまっすぐに愛してあげられない、ぼくを好きになってくれるような男の子はいない、って。でも、世の中相手を見つけて幸せに生きている性的少数者なんてたくさんいます、って事実を突きつけられたら全くその通りなのです。こんな言い訳は通用しないと分かってはいたのに。分かっていないふりをして生きてきました。

確かに努力の仕方は知らなかった、でもぼくは努力をする努力すら怠って神様の前に現れてしまった。縁結びの神様は、こんなどうしようもない人間ばっかり相手にしているのかもしれないし、だから上手いことあしらってくれるのかもしれないけど。でも仏様がぼくのこのザマを見たら、単なる煩悩の塊だって叱るでしょう。

というか、神様も仏様も、ぼくがこんな「ろくでなし」なのを叱って、事実を直視させてくれたのかもしれません。むしろ神様と仏様の愛のムチなのかもしれません。

そんなことを考えながら、御社を後にして旅から帰ってきました。


帰ってきても、御社の前で感じたあの虚しさと、大きすぎる反省が自分の心の重荷のままで。そのまま数日ほど病んでしまって。

すると、ぼくが病んでいるだろうことをSNSで察知してくれた高校時代の友人の女の子が連絡をくれました。友人といっても高校時代にそこまでの関わりはなく、むしろ大学生になってからSNSで多少絡みがあったくらいなのですが。随分と親切ですよね。

その親切心に甘えてしまって。結局、自分が性的少数者であること、恋愛のことを考えて病んでしまった、事の顛末を全部伝えてしまったのでした。DMでのやり取りだったから分量がかさんでしまったのに、全部読んでくれたようです。

そしてその返信が衝撃。なんと相手のその子はバイセクシャルだという。

彼女がいま彼氏持ちであることは知っていたのだが、まさかバイセクシャルだとは思っておらず。相手の子もいままでの彼氏彼女の一部にしか伝えていないのだという。ぼくが「そういう人間」であることに彼女も驚いたような反応。

つくづく親切なもので、彼女はぼくの苦しみをいくらか理解してくれたらしく、彼女の今までの恋愛経験を伝えてくれた上に、ちょっとしたアドバイスまでくれた。


どうやら神様も仏様も、どうしようもないぼくを単に門前払いにした訳ではなかったらしい。ちょっと衝撃的な形ではあったが「努力の仕方」を教えてくれた。まだ未来はあると勇気づけてくれました。

ありがとう、友人。ありがとう、神様、仏様。

p.s.
友人についてアウティングになるのでは、と思われたかもしれません。ぼくもかなり悩みました。この書き方であれば「確実に」人を悟られないようになっていますから、恐らく問題にならないはずです。ただし、少しでも危険が考えられれば消します。



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