親友ちゃんの話
会ってきたんです。親友ちゃんに。
誰よりも大切な人。でも、なんでそんなに大切にしてるかって話です。
まず親友ちゃんに出会う前の話。
昔はLGBTなんて概念を自分も周りの子供も知らなかったから。小中共に学校では「オカマ」とか「女みてぇ」とか、それが気持ち悪いとか。昔仲が良かったはずの子からさえいじめられ続けて。信頼していた筈の友人からいじめられるのは、正直かなり堪えます。
ただ、不幸だったのは親もいじめ側と同意見だったこと。相当幼い頃から、親に色々言われ続けてきたのは過去作も参照してください。女っぽいぼくを悪い状態と考えていたのは間違いないです。
でも、こんなに精神的に限界が来ている状態で、いじめられているのはぜんぶお前が悪いんだ、なんて親から怒鳴られたら、もう取り付く島もないし、縋る藁もない。絶望です。
ともかく、家でも学校でもボロボロにされて。結果、頭の中が自殺願望で一杯だったり、なんの前触れもなく泣き出したり、いきなり癇癪を起こしたり、パニックになって会話も無茶苦茶になったり。笑顔も忘れたし、人間不信を極めたりもした。
こんな状態で中学を卒業して。そのまま高校に入ったのでした。
高校に入ればすぐに、部活決めが始まる。でも心がこんな状態だから、クラスの誰とも話さず一人ぼっち。一緒に部活見学いこ!!なんて論外…と思っていたのですが。なぜかそんなぼくに声をかけてくれたのが、クラスが同じの親友ちゃんでした。
あの子は、驚くぼくの手を引いて軽音部に行き、なんやかんやで一緒にバンドを組むことになりました。
そのまま3年。クラスもバンドとずっと同じまま。ずーっと一緒にいました。
いつのまにか、ぼくは親友ちゃんになら心を開けるようになっていました。この人なら何を話しても裏切りはしないって。そう思えました。
悩みもたくさん相談したし、初めてセクシャリティを打ち明けたのも親友ちゃんでした。逆に、あの子のありとあらゆる悩みも聞いた。誰にも言えないだろう悩みも言ってくれた。
あの子のおかげで初めて心から人を信用できたんです。あの子に会えたおかげで、ぼくは半ば鬱だった状態から脱出できた。はっきり表現するなら恩人です。
ぼくは他の誰よりも親友ちゃんのことを大切に思ってる。大好きです。自信あります。自信しかありません。
当然でしょう?あの子がいなかったら、あの時声をかけてくれなかったら、今の自分は無かった。下手すりゃ死んでいたかもしれません。
でも、その大切、好きって感情は果たして恋愛なんでしょうか。
親友ちゃんはぼくのことを恋愛対象として見ていないみたいです。そもそも高校時代は他に好きな人がいたし。
他に好きな人がいるって聞いた時、実はそこそこショックでした。できるならずっと一緒にいたかったし、でも親友ちゃんに相手が出来たらそれは難しくなるでしょう?
でもいろいろ手伝いました。相談にも乗りました。うまくいったらいいなと思って。
確かに、ぼくの直接的な利にはならないかもしれません。でも、それで親友ちゃんが幸せに生きていけるならそれでいいと。ほんの少しでも恩返しになったら良いなと思って。
まぁ結果的には、親友ちゃんが割と小心者だったのもあって告白もせずに終わったのですが。その後も彼氏はいないままでの今らしいです。
正直かなり複雑な気持ちです。
今でもたまに2人で出掛けるし、それが続いてくれるのは確かに嬉しい。嬉しいんだけど。
でも、そろそろ諦めさせて欲しいのです。いつかはこの関係だって終わってしまうんだから。
ぼくみたいな色々特殊な人間と一緒にいたって、いずれ苦労が降りかかるだけです。恋愛の関係になったら、親友ちゃんに無駄に迷惑をかけることになるのは明白です。女の子を女の子として愛せないのだから。
だから、ぼくがこれ以上親友ちゃんに依存し切る前に、相手を見つけてほしい。ぼく抜きで幸せになってほしい。普通の人と、幸せでいてほしいのです。
でないと、もうどうしようもなく好きになってしまう。これからも2人で居られるかもって期待してしまう。
どうせ打ち砕かれる期待なら、早いこと打ち砕かれた方がダメージが少ないのです。
わがままだね。親友ちゃんの幸せを願うって決めたはずなのに、結局自分中心に親友ちゃんのことを考えてる気がする。そんな自分が嫌いになる。
ここ最近、親友ちゃんに会うたびに、このループに嵌ってる。勝手に期待して、でも現実に引き戻されて、さっきまでありもしない期待をしてた自分を嫌悪する。
正直もうしんどいのです。大切だから、好きだから離れたいっていう、この心情を処理するのがつらい。ループを回し続けるのもつらい。
答えのないままにずるずるループを回して、回しての、今日です。
また答えのない話...
オチなしだけどおわり!!
ps.実はこれを書き始めたのは一ヶ月以上前なのですが、なかなか筆が進みませんでした。その間に親友ちゃんと2回会ってます。またループを回してしまいました。
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