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第3章 不思議体験

今振り返ると、大変だった思いより楽しかった思い出のほうが

強く印象に残っているんだなぁと感じます

毎日、睡眠不足で人間関係にもあんなり悩んでいたのに…

そうです…

私は気が付けば愚痴ばかり吐いていました

少しでも気に入らない出来事が起こると、いつまでも

引きずっていました

自分の成果が出ないことを、周りのせいにしていたのかもしれません

合わない人とは一ミリも関わりたくないと、あからさまに態度に出したり

相手の粗ばかり探して嫌悪感を抱いていました

もう10年前のことなので、ところどころ記憶が曖昧ですが…

そんな多忙な毎日を過ごす中、私は同じ音楽を志す友人ととあるアーティストのLiveに行くことになりました

お互いに好きなアーティストだったので、とても楽しみでした

その頃の私は、すっかり音楽家気取りで

プロのアーティストを見に行くのにも評論家ばりに上から目線でした(笑)

誰に言うわけでもありませんが、心の中でダメ出しをしたりして

音楽番組などもよく見ていました

そして、楽しみにしていたアーティストのliveも
いつもの様に鑑賞していました

睡眠不足に加え、音楽highの私に生の演奏は刺激が強くて
脳は興奮状態でした

やがて、そのLiveのクライマックスともいえる代表曲がかかると

『みんなで歌って』の合図とともに

会場は観客も交えての大合唱に…

私はなぜかその時、動機が止まりませんでした

そして次第に歌声もボリュームアップしていき、

歌い上げると、なぜか自分に会場中の視線が注いだ感覚に陥りました

その視線はもちろんアーティスト本人からも…

そして、去り際にアーティストからの一言

『このことは一生忘れないからね』


その一言で私の中の何かが弾けました



その帰り道…


私は魂が抜けたように何もしゃべらず帰ったような気がします

友人も不思議そうな様子…


これが悲劇の始まりでした


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