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30歳の特別な誕生日プレゼント

2022年6月26日(日)、私は30歳を迎えた。コロナの影響で2年4ヶ月もの間祖国の土を踏めていない私が、中国で迎える4度目の誕生日だった。

日本にいる親しい友人たちが祝いの連絡をくれて、返信で「30になったら何か感じるかなと思ってたけど、意外と普通で逆に不思議」と言ったのは素直な気持ちだった。昨年一足先に30歳になった友人が「自分もなにも変わってないから」と返してきたので、私は「年相応に感じると違和感も無いのかな」と続けた。

もともと「Age is just a number.(年齢なんて関係ないよ)」をモットーに20代を駆け抜けてきた。これには、「20代の自分にだって何でもできる」という面と、「20代後半だって海外に行ける、新しい挑戦ができる」という若さと老いをカモフラージュするかのような2つの異なる概念を含んでいたように思う。

かく言うものの、この頃両親とりわけ父親と電話で会話するたびに「お前ももう30だぞ、結婚は遅くても良いけど出産は遅くなりすぎるなよ」と言われ続けた結果、自分自身が20代から30代に差し掛かる中で、年齢をよく意識するようになっていた。

そんな中、30歳を迎えてから2日後の6月28日のこと。午後イチの会議を終え、少し休んでいるとお腹がどうも痛む。加えて生理痛のような腰の痛みと、若干の気持ち悪さを感じた。生理の開始予定日まで5日ほどあったが、PMSとはなんとなく違うような直感もあった。

夜、早期妊娠検査薬を試してみたところ、うっすらと陽性反応。見た瞬間、あまりの喜びに「うわああ!」と声が出た。妊娠3週0日目にあたるこの日、思わぬ「30歳のプレゼント」を受け取ったことを確信した。

パートナーには、前々から「結婚と妊娠、どっちが先でも良い」という話をしており、できることなら30歳のうちに1人目を出産したい旨を誕生日の抱負の中で話したこともあった。と同時に、冷静に時間を考えるとその実現性があまり高くない可能性も感じていただけに、とても喜ばしいことだった。

こんな文章を書いている今日は7月2日(土)、それから4日後である。おりものが多かったり、時々お腹がぐるぐる鳴ったり、鈍く痛む以外は特に妊娠初期症状は無い。一般的には、まだ妊娠にすら気付いていない時期なんだろう。

この4日間、すでに色々なことを調べ、自分の身に起きていることを学んだり、今後どういう準備をしていこうか考えている。そして、毎朝6、7時には自然と目が覚め、なんとも嬉しく幸せな気持ちで日々を迎えている。

まだ病院での検査はおろか、互いの両親への報告もしていない。陽性反応が出るのが早すぎたため、きっと来週か再来週には病院に行けるだろう。

これから、未だ経験せぬ痛みや辛さ、出来事を乗り越えていくと思うけど、この幸せと嬉しさ、喜びを噛み締めながらひとつひとつ体験していきたい、という想いを込めてこの文章を書いた。数ヶ月後、数年後の自分が見返した時に、今の神秘的な気持ちを思い返しながら、何気ない幸せな日常生活を送れていたら嬉しい。


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