高校時代の恋③
私の部活は高1の夏が過ぎても忙しかった。
部活に没頭した。
あれから何度か他の男の子に遊びに誘われた。
揺らぐ時もあった、でも心のどこかに彼がいる。
だから、誰とも付き合えない。
彼が大好きだったから。
部活に没頭している間に高校1年生が終わった。
成績優秀、部活も選抜メンバー。
頑張った。
気を紛らわせるために。
彼のことを考えないために。
高2のクラス発表。
この日も部活だった。
体育館での練習。
新しいクラスを見れるのは昼休憩。
自分の名前を見つける。
次に探したのは彼の名前。
5個上に彼の名前があった。めちゃくちゃ嬉しかった。誰にも悟られないように静かに喜んだ。
同じクラス。
このとき神様は私に微笑んでくれたんだろうな。
もっと強くて行動力のある人間なら運命は変わっていたのかもしれない。ごめんなさい。
高2の新しいクラスメイトの女の子たち。
彼を見るとすぐさま
「かっこいい!!!やばい!」
高1と同じ声が飛び交う。
私が好きだということは誰にも知られたくなかった。死ぬほど好きだったから。
いや違う。
私なりのプライドがあったのかもしれない。
彼が私を好きになって、告られて付き合う。
これが私の恋愛での1番の理想だったから、先に彼に知られてはいけない気がした。
クラスも馴染み、高2の夏が来た。
いちばん聞きたくないことを友達から聞かされる。
「彼に彼女ができたらしいよ」
私は平常心を装った。
本当は津波が襲ってくるかのように心が酷く煩く騒めいた。
彼はすごくモテる。だから、私はこの知らせをいつかは聞くことは覚悟してた。
その日がこんなに早くきてしまうなんて。
後悔した。何度も何度も自分を責めた。
彼が彼女の事を話している。
無理だ。見れない。聞けない。
それだけで心が裂かれた。
もう諦めるしかない。忘れる。
高校2年の私には「新しい恋を見つける」。
これしかすぐに忘れる方法は思いつかなかった。
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