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“プライマリ・ケア2022年夏号”使える論文My Top5

日本プライマリ・ケア連合学会の実践誌、”プライマリ・ケア”の『使える論文My Top5』は若手医師部門 病院総合医チームが紹介しているリレー連載です。

2022年夏号は、長谷部が担当しました。
『運動・食事・睡眠編』と題して、以下の5つの最新論文を紹介しています。

1.  慢性便秘にキウイフルーツ
2.  歩数と死亡率
3.  乳製品と高齢者の転倒・骨折
4.  睡眠と認知症
5.  代替塩と脳卒中

1. 慢性便秘にキウイフルーツ
便秘はプライマリ・ケア領域でコモンな訴えですが、侮るなかれです。便秘が改善乏しく、マグミットを飲んで、センノシドが追加になって、アミティーザが追加になって、ピコスルファートが頓用で処方されている…そんな便秘薬でポリファーマシーに陥っている患者さんも珍しくないように思います。そこで今回は、薬物療法のみに頼らない便秘改善法として、キウイフルーツを紹介させていただきました。ただ、最近はキウイフルーツが意外と高いんですよね・・とほほ。

2. 歩数と死亡率
定期的な運動習慣は高齢者には欠かせません。健康寿命の延長、医療費の抑制、転倒リスクの低下、抑うつの軽減など様々なメリットが報告されています。そこで今回は、歩数と死亡率の関係に関する論文を紹介させていただきました。ポケモンGO、いや最近はSTEPN?を駆使して、皆で歩いて健康になりましょう!

3. 乳製品と高齢者の転倒・骨折
高齢者のADLが低下してしまう大きな要因のひとつに転倒、それに伴う骨折があります。私も、元気に通院されていたかかりつけの方が、大腿骨近位部骨折や圧迫骨折で寝たきりになってしまった苦い経験があります。患者さんにもプロテインを飲んでもらえばいいのかな?と本気で考えていたところ、この論文に辿り着きました。ポリファーマシーだけじゃない転倒対策を実践していきましょう!

4. 睡眠と認知症
昨年米国ではアルツハイマー型認知症の治療薬として、アミロイドβに対するモノクローナル抗体であるアデュカヌマブがFDAで迅速承認され話題になりました。アデュカヌマブは脳内のアミロイドβを減少させますが、長期的な安全性・有効性は不明なため、投与を推奨しない専門家も多く、予防がまだまだ大切と言えそうです。そこで今回は睡眠時間に焦点を当てた論文を紹介しました。睡眠時間がついつい短くなりがちな医師も、他人事じゃないかもしれませんよ!

5. 代替塩と脳卒中
ご存知の方も多いと思いますが、食塩に関して大きなパラダイムシフトを起こしたであろう研究が報告されましたので紹介させていただきました。代替塩は日本でも商品として発売されており、我が家も早速取り入れてみました。しかし、どうしても代替塩と通常の塩で味が違う気がして、中々慣れない筆者です。

以上の5論分を掘り下げて紹介しました。明日から患者指導に早速役立てることが出来るコンテンツとなっておりますので、是非ご一読ください!

会員の方は是非お手元の雑誌をご覧ください。今後もリレー形式で続いていきますのでお楽しみに!

文責:長谷部 圭亮(国保旭中央病院 内科)
※当記事の内容は、所属する学会や組織としての意見ではなく投稿者個人の意見です。投稿者と出版社あるいは著者との間に利益相反はありません。
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