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006_母になる妻、父になれない夫(2020年9月)

こんにちは。

息子のJ君は相変わらず元気で、今日はひいおばあちゃんと初めて電話でやり取りをしました。

ひいおばあちゃんは9人の孫と4人の曾孫がいるので、J君の存在がどのような位置づけなのか少し気になります。

さて、今回は妊娠8か月あたり、私が夫として感じた悩みの部分です。

妻が妊娠してから気付きましたが、夫と父は全く別物だと思いました。かかる責任が全然違うのです。

この責任の違いに困惑する男性は、結構多いのかな、そんな事を思っています。

かくいう私も、どう向き合えばいいのか分からない時期がずっと続いていました。



■父になれない夫

仕事がすこーし落ち着いた時期、妻リモ子のお腹はどんどんと膨らんでいきました。

赤ちゃんの胎動もどんどん感じ始め、手を当てるとキック(パンチ?)をする事も多い状態になりました。

リモートワークなので、トイレに行くついでやお昼休憩などにお腹に手を当てて語り掛けてみます。

「おはよう、もう起きてるか~?」

(・・・・・・)

「お前生まれたら旅行行こうな」

(・・・ドンドン!)

「箱根にするか?温泉気持ちよいぞ」

(・・・・・・)

「軽井沢は?」

(ドンドンドン!)

「よし、軽井沢行くか」

みたいな感じです。適当に喋って蹴り返してもらう、という事をしょっちゅうしていました。

本当に聞こえているのかどうかは不明ですが、コミュニケーションが取れているみたいで面白い時間でした。

胎児に対しては音楽を聞かせたり、絵本の読み聞かせをするのが良いという情報もありましたが、私はずっとこの様な具合で喋っていました。

また、こういう時間を仕事の合間に設けられる事で、徐々に出産の日が迫っているんだな、と感じる事ができたのです。

そうは言っても、正直言って私に現実感の様なものはありませんでした。

子供は自分が欲した事なので、こう言ってしまうと無責任なのですが、「日が迫っている」「これから父になる」という事を分かってはいるものの、物語の中の話に思えたのです。

やはり自分の体に変化が無い分、実感が沸きにくいと言う事はあったと思います。

■母になる妻

以前の投稿でつわりの事を書きましたが、身体的に辛い事ばかりです。

ネットの体験談には「個人差はあるものの、安定期を越えて少しするとつわりは軽くなる」という書き込みが多かったものの、妻の場合は相変わらず具合が悪いままでした。

妻の証言によると、「つわりの辛さのMAXが3~5か月目。そこの辛さを100とすると、8か月目でも60くらいはある」という話で、外を歩くのも不安という状態でした。

ただ、つわりは胎動を伴って、少しずつ妻を母にしていきました。

例えば、お腹を撫でて優しい顔をした時。本人は意識していなかったと思いますが、慈愛に満ちた顔をしているのがよく分かりました。

赤ちゃんの為に編み物をしている時もそうです。表情が一段優しくなるのが分かるのです。

健康にもよく気を使っていました。食べ物には本当によく気を使っていて、気になる食材はNGになっていないかどうか調べていました。

私がスイーツをお土産に買ってきたことがあったのですが、成分を見た上で「妊娠中に食べるとダメなものが入っているから食べれない、ごめん」と言って返してきました。

折角買ったスイーツを食べてもらえなくて残念ではありましたが、母としての自覚がそうさせていてると思うと、何だか妻がどんどん進化していっている様に見えたものです。

■遅れて父になる夫

振り返ってみると、父になるタイミングって結構難しいと思います。

奥さんのお腹が膨らんでくるのはあくまで目や肌で感じられる情報にすぎないので、痛みも苦しみも成長も感じられない旦那さんが父性を育む機会って、出産後にしか訪れない様な気がします。

これって結構な夫婦の危機になるんじゃないかと思っています。

奥さんの方は出産時には既に母になっているのに、旦那さんはやっと父になるスタートラインに立つ、そんな大きな差があるのです。

意識の差は夫婦間の不仲、酷い方向に発展すると離婚、DV、虐待などの悲惨な状態を生み出すと思います。

だからこそ、男性こそ、出産後に時短勤務や育児休暇の取得を推したいのです。

赤ちゃんが家に来てからの1週間から数週間程度、育児休暇を取って授乳以外の全てを旦那さんが肩代わりする、くらいの事をやっていいと思います。

父親としての実感を一気に体に叩き込むのです。

私は妻の妊娠期間に何も苦労はしませんでした。勿論仕事が辛かったり、妻のマッサージを手伝ったりという事はありましたが、産みの苦しみに比べたら爪のアカほどの小ささです。

遅れて親になる旦那さんたちには、父親になるための研修期間が必要だと思います。夫婦で平等なのが一番二人でいて楽しいですものね。

■やっぱりリモートワークは最高

私が母になる妻に気付けたのも、リモートワークのおかげです。

リモートワークだったので毎日妻と長い時間話すことができ、徐々に親としての成長速度が離されている事に気付きました。

もし毎日残業の会社通勤だったら、妻の成長に気付かずにいたでしょう。スイーツを拒否されたら「妊娠期間に妻が生意気になった!」と、誤解をしていたかもしれません。

改めて、子育て夫婦に必要なのは時間と、データや目に見えない小さな変化に対する感度だという事に気付かされます。

リモートワークで家族を大切にする時間を捻出し、円満な状態で赤ちゃんを迎えてあげてください。

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