見出し画像

毒親にならないために。「安心感の輪」子育てプログラムに通った感想

娘の4か月検診の後に、「来週、育児教室が始まりますけど、いかがですか?」と看護師さんに聞かれた。第一子だし、無料だし、もらえる情報はもらった方がいいよね、ぐらいの軽い気持ちで参加してみることにした。それがたまたま、「安心感の輪」子育てプログラムであった。7回にわたって開かれたその教室は、要約すれば、子供に安心感を与え、親子の信頼関係を深めることで、育児も子どもの人生も上手くいくという理論を説明するものだった。

「安心感の輪」子育てプログラム


真っ先に言われたことは、完璧な親である必要はない、ということだった。そして、必要最低限できていれば良し、できていなくても手遅れということはないので、非建設的に自分を責めるのではなく、いつでも修復すれば良し!とも言われた。手順としては、子供の心理というか、子供の心が親から必要としているものを状況ごとに理解し、それを見極める練習、そして落とし穴を見極めるヒントを教わった。

子供の心理状態を把握する


子供の心は常に外向きと内向きの状態がぐるぐる入れ替わっているという。外向きの状態というのは、子供が好奇心を持って世界に臨んでいく状態で、遊びに行ったり、新しいことに挑戦したいと思ったりする状態。内向きの状態では、子供は色んな経験で心がパンパンになった状態で、それを受け止めてもらいたくて親元へ帰る状態。そして、これらの状態をうまく循環させるためには、親がその節目で「送り出す手」と「迎え入れる手」になってあげることだという。

外向きの状態では子供はきょろきょろしていたり興味を持ったことについて話題にしたりする。そんな状態の時に親は、「行っていらっしゃい」と送り出して見守ってあげる。新しい経験で心がいっぱいになると子供は内向きの状態になり、発見を聞いてもらったり、辛かったことを慰めてもらったりして心のガス抜きをしたくなる。そんな状態の時には、「お帰り」と迎え入れて話を聞いてあげる。

言っていることは普通だなーと思ったが、実際に自分に当てはめて考えてみるディスカッションに入ると、やっぱりそう簡単ではないと思った。

悪意があって毒親になる人はいない


そうなのだ。毒親は、何も虐待や育児放棄するような人だけではない。いたって日常的な行動や、良かれと思ってしていることが、実は子供が必要なことと真逆だったりして、それが度重なればハズレ親、酷い場合は毒親になってしまう恐れがある。これが、落とし穴。世の中に溢れる引きこもりやヤンキー達の親御さんの多くが、世間的に割と普通な人である事も、これで説明できる。

子供が外向きの状態、例えば友達と遊びにいったりしたい時に、子供が怪我しないだろうかなどの不安や、子供が離れて行ってしまう寂しさに囚われて、べったりと張り付いてしまう。子供は、我慢させられる事が続くと不満が募り、暴れたり、いじけたり、引きこもり予備軍になってしまう。内向きの状態、例えばパパママ聞いて!とよってくる時に、忙しいから後で!と撥ねつけたり、悲しい事や腹立たしいことがあった時に受け止めてあげずに、そんなの大した事ない、大丈夫!など元気付けようとしたりすると、子供は鬱になったり、ぐれて非行に走ったりするようになる。

ギクッとしませんでしたか?私は、しましたよ。特に、忙しいから後で!の件。勿論、うちの子はまだ5か月なので、まだ実際に言った事はありませんけど、絶対言いそう。そして、自分の親にも散々言われた記憶があり、今は親には全く相談しなくなった事実。両親が話を聞いてくれない、或いは分かってくれない!そんな思いをしたことは、誰でも少なからずあるのではなかろうか。そして、そういった行動をとってしまいがちな親は、何故なのか、自分の行動や感情を見つめ直す必要があるという。子供のしぐさ、ちゃんと見えていますか。あなたの子供に関する不安や苛立ちは、本物ですか?周りの目やメディアに踊らされて、過剰反応していませんか。後で、とか言って、ちゃんと後で聞いてあげていますか?自分の子供だからって、ちょっとぞんざいな扱い方になっていませんか。スマホやタブレットに時間や気を取られ過ぎて、子供の話に十分に耳を向ける時間や心の余裕を失っていませんか。

さじ加減が大事


勿論、優しさだけが全てではない。歯磨きやワクチン接種など、時には嫌がることもさせなければならない。でも、そんな時でも、必要以上に厳しくすることはない。その見極めも、大事になるという。委縮した子供は、その親には何も相談できなくなり、家に居場所を失ってしまう。逆に、甘すぎる弱い親も子供からの信頼を失い、安心できるホームベースではなくなってしまう。残念ながらこの教室では、具体的にどういう風にすれば、厳しく叱り過ぎずに子供に言うことを聞かせられるかは教えてくれなかったので、YouTubeで、てぃ先生などの動画を参考にさせてもらう。

意識することが大事


正直、教室に行き初めの頃は、私は毒親予備軍の気があるから勧められた??と、困惑した。しかし、そうではなく、日常的なちょっとしたすれ違いがこじれて安心感の輪が壊れてしまう事もあり、それを防いだり修復したりするには輪の存在を意識していることが大事だと理解した時、やっぱり行って良かったと思えた。

あちこちで参加できる


昨今話題の「ハズレ親ガチャ」や「毒親」だが、具体的にどういう親なのか、どうしたら治せるのか、などを教えてくれる機会はめったにない。この育児教室は、アメリカ発祥のプログラムを各国の様々な自治体や診療所などが取り入れて開いているらしく、あちこちで無料で開催されている。お近くにも開かれているかもしれないので、関心のある方は是非とも検索されたし。

オンラインでも受けらるサイトを見つけたので、下記のリンクからどうぞ。
オンライン子育て教室『安心感の輪』 - 大阪彩都心理センター 子育てプログラム (saitokodomo.com)

元祖のウェブサイト。英語ですが、スクロールすると日本語のリソースもでてきます(多少ぎこちない日本語ですが)。
Resources for Parents – Circle of Security International

てぃ先生。保育士さんで、個人的にとても理にかなった事言っていると思います。
てぃ先生 - YouTube

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?