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秋雨前線(用語を知るということ)

9月後半になり、急に涼しさが増してきました。この夏は本当に暑い夏で、PTAのみなさまも、学校での行事や活動が大変だったのではないでしょうか。気温の急な変化、気圧も不安定ですし、敏感な子供たちの様子に振り回されがちですが、まずは大人が気を付けないといけないなと思っています。

さて、「秋雨前線」読めますか?「梅雨前線」は、ばいうぜんせんと読める方が多いのかなと思いますが、では秋雨前線はしゅううぜんせんかというと、正解は「あきさめぜんせん」なんですよね。梅雨前線ほど有名ではないように思いますが、台風と合わさるとこれからの時期に大きな災害をももたらすことがあります。「線状降水帯」や「記録的短時間大雨情報」など、わたしが子どもの頃にはなかった単語が、どんどんニュースから流れてきます。

こうした予報用語や、ビジネス用語、テレビ業界用語など、いろいろありますよね。学生時代は、数学用語に頭を痛めた方もいらっしゃるかもしれません。そして、私たち知的障害のある子のまわりにいる大人の耳には、さまざまな専門用語や略語が頻繁に入ってきます。就学奨励費、個別の指導計画、個別の教育支援計画、各教科等を合わせた指導(日常生活の指導や生活単元学習、作業学習など)、交流及び共同学習、受給者証、計画相談、短期入所(ショートステイ)、就労継続支援や就労移行支援、共同生活援助(グループホーム)など、健常児を育てている保護者なら聞いたことも理解する必要もない用語がたくさんあります。

子どもが特別支援学校に通う保護者が、教育や福祉のいろいろなサービスのことを全部をすぐに理解できないのは、まずこうした用語がわからない、とよくPTA会員からも聞こえてきます。都道府県や市区町村への要望書を作るにしても、希望はあるけれど、用語もわからないし、文章にまとめることがそもそも難しい、だからこそ、学校の先生方のお力もお借りしながら、提出先のみなさんに要望の内容がきちんと届くように、用語を使いこなすことが求められる場面もあります。

「秋雨前線」ってなんて読むの?と聞くのは恥ずかしくないのに、「短期入所」ってなにかわからない、と聞くのは、なんだか聞きづらい。中学高校などから特別支援学校に入られた方だと、こうした用語を聞きなれないまま、担任との面談で出てくる1つ1つの単語がよくわからないまま、とにかく言われることのなかからやらなければならないことを精査して乗り切っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そういうときこそ、PTAの出番なのではないかと思っています。1人では聞きにくいことも、何人か集まれば、行政の方や、学校の先生に来ていただいて、改めて説明していただく機会を作れますし、自分だけがわかっていないのではないかと疑心暗鬼になることもありません。

卒後はなかなかそういったつながりを作ることが難しくなりますから、ぜひ特別支援学校にいる間に、活用していただきたいなと思っています。


全国特別支援学校知的障害教育校PTA連合会 2023年度活動内容、および知的障害に関する情報の発信用noteです。