ヌード写真に囲まれ生きる先生

米国在住20+年。大学生の時に付き合っていたアメリカ人の彼氏。普通の見た目だが変人でおしゃべりで面白い。田舎育ちで、人脈が多い。

ある日、彼が育った土地に遊びに一緒に行こうと言われ田舎のほうへ行った。高校の先生の家に遊びに行こう。学校の先生の家に遊びに行くって時点で、あぁ仲良かったんだなぁと。着いたのはジャングルかと言いたくなるほどの森に小さな家。クリスマスライトが夏なのに飾ってある。パーティー野郎か?

Hi, nice to meet you.と自己紹介しながら入いる。普通のおっさんとおじいさんの間の白人。真面目そう、学校の先生だけあって。シャツはイン。いや、このおっさんの説明より、目がインテリアに行って行って、見回して、おぉぉ~、ほぉほぉほぉ、なるほど曲者じゃの。

家の内部の壁と天井が、雑誌のヌードの切り抜きで埋め尽くされている。老略男女の切り抜きが。綺麗にカットされたものもあれば、ポスターくらい大きいのもある。ピンで抑えられていて、上から重ねて重ねて貼ってあるので、ほんとうに隙間がない。キッチン、リビング、バスルーム、すべてこの壁と天井。男のあそこから、女の全裸。

私はコメントもなく、無の状態でリビングのソファーに座る。何か飲むか?と聞かれ、水でと言う。あまりヌード写真の事を気にせず水を飲み、先生と話を始める。あぁ歴史の先生なんですねぇ~って。いやいや、コメント言わずに座ってられん。すごいコレクションですねと褒める。そう何十年も集めてるからね~と。私の彼氏はこの家に高校時代から遊びに来てるらしいから普通らしい。

友達とよく遊びにきたよ~と彼は言う。裏にプールがあってね、全裸で夜に泳ぎに来たりしたよ、女の子も全裸で?そう。楽しかったと言う。いや、絶対あかんと思う。この家であかんことが絶対あったと思うー!という叫びは心に置いておく。先生がマリファナを吸い始める。やっぱりお前もか。彼よ、お前の知り合いにマリファナを吸わない人間がいるのか?先生が、レコードでも聞く?とクラッシックとジミーヘンドリックスどっちが良い?クラッシックレコードのカバーにもヌードが貼ってある。あかんあかん、ショパンに謝れ。

旅行の話になって、先生は旅行が好きじゃないという。家にいるのが好きなんだと。そりゃそーだろうな、ヌードの家から出たくないだろうな、あなたは。と納得する。

まぁ~色んな人いるよね。アメリカは広い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?