S男#2 - 22話

カフェでまったりしながら会話し、店をでる。
近くにレコード屋さんあるけど、行って良い?と聞くので、Let's go. と答える。彼がよく行くレコード屋さん。
彼の生活圏内にいるのが嬉しい。彼のことをもっと知れて心が温かくなる。
私は彼の横について見る。レコードを使ったことも買ったこともない。昔、親が持っていたのを覚えてるけど、聞いたことはない。
sは沢山レコードを集めていて、ほんとに音楽が好きだ。
たまに、ジムやドライブしているときに、こういう音楽を聴きたいと説明すると、バンドとアルバムの名前を送ってくれる。
たまに、沢山音楽が入った、メモリースティックを持ってきてくれる。
彼は1枚レコードを買い、店を出る。

そして彼の家に帰る。
入って靴を脱ぐと、彼が私を抱きしめる。
いつも不思議に思う、彼は私の思っていること、欲していることがわかっている様だ。女の子の気持ちをすごくわかってる気がする。
口に出さなくても、私から催促しなくても、私に、その時に欲しいものを与える。時に体の愛情表現だったり、かけて欲しい言葉だったり、静かに見つめ合いたいだけの時間を与えてくれる。
家事も完璧にこなすし、なぜ彼は今、独身なんだ?と不思議に思う。
と言うと、この年になると、余ってる女はロクなのいないと言う。
残念なことに、あなたは既婚者だけど、それでも良いって言える価値あると言ってくれる。でも、彼には、幸せになって欲しいから、良い女の子見つけたら遠慮なく私と別れて良いからねと、言う。


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