見出し画像

システム39と旅した10年 vol.14「思いを受け継ぐSIチーム BB/笹川 茉衣」

このnoteについて

このnoteは、ジョイゾーを代表する対面開発サービス「システム39」が2024年6月30日に10周年を迎えることを記念し、スタートした連載企画です。
システム39とジョイゾーが歩んできた10年を振り返りながら、これまでお世話になった皆様への感謝と、これからの10年に向けたヒントを探していきます。
前回のnoteはこちらです!


今回のテーマは「システム39を受け継いできたSIチーム&お客様の声」

今回はシステム39を受け継ぎ、現在も皆さんに提供を行なっているジョイゾーSIチームBBさん、笹川さんにお話を聞きました。
10年の時を重ねてきたシステム39、どんな思いを受け継ぎ、そしてこの先につなげていくのか。お二人から伺います。

大竹 遼/BB
株式会社ジョイゾー SI統括マネージャー
新卒でサイボウズ株式会社に入社。
サイボウズのクラウドサービス「kintone」を専門として、サイボウズテクニカルエバンジェリストを歴任。2022年、kintoneを用いたシステム開発会社である株式会社ジョイゾーに転職。現在はkintoneを使った業務アプリを顧客の目の前で開発する「対面開発」のエンジニアとして年間50件以上の案件を対応しつつ、統括マネージャーとしてチームメンバーの育成や開発プロセスの改善にも取り組んでいる。

笹川 茉衣
株式会社ジョイゾー SIマネージャー

愛知県生まれ。
株式会社ジョイゾーでkintoneを使った対面開発「システム39」のエンジニアとしてシステム開発を行う。ユーザーとしてkintoneを利用するうちに業務改善に目覚め、ユーザーでありながら認定資格を取得。同じような立場の人の助けになればとノウハウを発信していくうちにSIに興味を持ち、ジョイゾーにTwitter経由で転職した。
kintoneが自身の可能性を広げてくれた経験から、kintoneを自己実現のツールとして世に広めていくことを信念としている。kintoneの連携サービス・プラグインに精通。営業・バックオフィス業務の経験を活かした現場目線の提案を得意とする。

システム39との出会い

ジョイゾー
お二人とも、今日はよろしくお願いいたします。今のシステム39を支えているお二人にぜひシステム39との出会いについて、お聞きしたいです。

笹川
ジョイゾーとの出会いはCybozu Daysですね。前職時代、Cybozu Daysに参加者として参加したんだけど、たまたまジョイゾーのブースを見かけて。その時、お客様がブース内に一緒に立っていたのが印象的で。「ジョイゾーと開発するとお客様とこういう関係性が築けるんだ」というイメージを強く持ちました。その後過去の記事とかを読み進めていく中で、システム39について知ったという流れですね。

CybozuDays初参加でジョイゾーと出会った笹川さん なんだか緊張気味?

ジョイゾー
システム39が先行ではなかったんですね!前職時代にジョイゾーを知ったということでしたが、既に転職は考えられていたんですか?
笹川
それが実はなくて笑 少し業務に興味はあったので、ジョイゾー公式のTwitterのDMから連絡して、琴絵さんとお話しすることになった時も、まだ転職しようとは思ってなかったです。ただお話しするうちにあれよあれよと話が進んで、今に至ります笑

当時、こんなツイートをしていたジョイゾー 笹川さんはこちらを見て連絡してくれました

ジョイゾー
当時のこと、実はよく知りませんでした!本当に人生はどう進むかわからないですね笑 
BBさんの出会いはいかがですか?

BB
そもそもシステム39との出会いはないです!
ジョイゾー
え!?
BB
ジョイゾーとの出会いは2018年で釧路で行われたハッカソンなんですが、その時はジョイゾーが何をしている会社なのかも知らなくて。正直にいうと、2021年にシステム39を実際にやるまで、どんなサービスか知りませんでした。

2018年に釧路で開催された 道東×IoTハッカソン2018

ジョイゾー
そうなんですね、かなり驚きました。ジョイゾーでの仕事を始めたのはどういう流れだったんですか?
BB
ジョイゾーから業務委託という形でお仕事をいただいていて、その流れでSEとしての副業が始まりました。最初はコーディングを含めたカスタマイズの開発をお願いされていて、自分もそのつもりでした。その中で、「システム39もやってみない?」という話になって。やりながらシステム39について知っていったという流れだったかなと。
当時、最初期にやっていたのは事例にもなっているケイアイさんで、とても長くお付き合いしていただいてます。色々と叱咤激励してもらいました笑

BB
自分のGaroon予定を見返してみたら、一番最初にシステム39に参加した時の案件担当は笹川さんだったよ。この偶然は面白い!
笹川
あ、私だったんだね。四宮さんとか琴絵さんかと思ってたよ。
BB
四宮さんとはシステム39はやったことないんですよね、実は。
笹川
そうなんだ、意外!
私は最初の方に四宮さんと琴絵さん、それぞれとやった案件をよく覚えているよ。最初は右も左もわからなすぎて、四宮さんにヒアリングをしてもらいながらアプリを作る役割をやっていて。
案件番号のフィールドを配置しないといけなくて、「番号だから数字だろう」と数値フィールドを置いてしまうとかもやっていたね笑
ジョイゾー
笹川さんにもそんな時代があったとは…!
笹川
そうそう、本当にわからないことばっかりだったから笑
琴絵さんとはNPO法人さんの案件で、寄付金にまつわるご相談をいただいて。寄付金の業務がとにかく複雑で、業務整理をしていくレベルで何度も話を聞いて、琴絵さんがまとめていくというのがすごく印象的で。
これがシステム開発なんだ!」って衝撃を受けて。それまで考えていたことが覆されました。

当時のブログでもシステム39を初めて実践してみた衝撃について書かれていますね!

お客様を知るということ-システム39の苦労、難しさ-

ジョイゾー
システム39を実際にやってきて、苦労や難しさを感じるところはどんなところでしょうか?

笹川
とにかくその場でやらないといけないことが難しくて。それは今も感じていることなんだけど、一番難しいところだと思う。その場で聞いて、考えて、実現してという一連の流れをやらないといけないことは、想像しているよりもずっとハードルが高いんだなと、やってみて改めて感じたかな。

BB
自分は今も難しいと思うことは多いですよ。特に、前提の共有にどれだけの時間を使うかは今でも試行錯誤してます。
「そもそもkintoneを知らない」「システム開発を依頼したことがない」というお客様もいる中で、「kintone自体や従来のシステム開発の流れを説明して、その上で、システム39のサービスも説明」といろいろな前提を考慮して、2時間の全体設計をしていかないといけないのは本当に難しい。

シンプルだからこそ難しいシステム39

笹川
システム39をしてきたことで、初回のお打ち合わせでお客様が今どんな状態にあるのかがわかるようになってきたかな。
私は「お客様は正解を持っている」と思っていたんだよね。最初の頃はそれをどう聞き出すかが重要だと思っていて。でも実はそうではなくて、話をしながら「一緒に正解を作っていく」のが本当のシステム開発だと今なら思うかな。
BB
言われたものだけを作るというスタンスだと、お客様はなぜこんなにやりたいことを小出しにしているんだろうって、思うことがあると思うんです。でも、実は好きで小出しにしてるわけではなくて、正解がないから困りながらもなんとか絞り出してもらってる状態なんですよね。
システム開発自体初めて経験する人がほとんど。だから聞いたものをそのまま作るのは、本当の意味でのシステム開発とは言えないと思ってます

笹川
お客様自身も不安なんだ、っていう前提を知ることができると大きく変わるよね。私たちも経験を重ねてきて、余裕が生まれてきたことで、相手の気持ちを考えられるようになったからこそ、寄り添うことができると思う。

印象に残る案件 自走とkintoneからの卒業

ジョイゾー
ありがとうございます!続いてお二人にとって印象に残った案件はどんなものがあったのか、ぜひお聞きしたいです。

BB
システム39をやっていて感動することがあって。お打ち合わせを重ねて、ある時お客様の環境を見てみると、アプリが増えてるんです。「自分たちでも、ちょっとアプリを作ってみたんです」と、お客様自身で試行錯誤して作ったものを見るとやっぱり嬉しいです。他のシステム開発では見られない成長を如実に感じられるポイントというか。
システム39ってあくまで根幹になる部分を作っていく時間で、そこから浸透させるための枝葉を作るのはお客様自身なんですよね。

笹川
お客様の成長が見える、というのはやっぱりいいよね。自分たちのことだから自分たちでできるようになる、自走できるところは自走していけるというのは一つ目指すべきところ。最終的には手から離れてもらうことは目指してるよね。

ジョイゾー
案件の中で、自走してもらうことは意識していますか?
笹川
自分たちで、できることを増やしてあげたいという思いはありますね。自分たちで付け足したり、必要なものを整理できるようにすることで、kintoneの性質を活かして使ってもらえる状態は意識してるかな。
BB
自分は自走してもらいたいと思いつつ、状況によるかなと。まず大前提として、業者に丸投げして作ってもらうならkintoneじゃない方がいい、というのがあるので、そこをすり合わせられるかどうか、ですね。最終的には、自分でやらなければいけない、ということまで伝えています。
笹川:最後はそこに行き着くよね。自律と成長が社内でも文化として根付いているジョイゾーだけど、システム開発でもその考え方は一緒かもしれない。

BB
ただシステムを作るんじゃなく、社会貢献なんですよね。システム含めて、全てお客様自身のものになる、という考え方は変わらず持ってると思う。
笹川
実際、自分でできた方が絶対にいいもんね。本当にできないときには頼まないといけないけど、理解できていないとうまく伝えることもできないから。

BB
そう考えると、建築に似てるかも。日々のメンテナンスや簡単なDIYなら自分たちでできて、出来上がった家はあくまでお客様のもの。ちゃんと伝えられないとプレハブしかできないとか、家を建てることに似てますよね。
笹川
確かに。最初の元になる要望を持っていて欲しい、というところも似てるね。システム開発をしているという認識よりも、生活を豊かにするツールを作っている認識が強いから、そう感じるのかも。
極端なことを言えば、いつかkintoneを卒業してもいいと思っていて。そのときやったことは、いつか必ず生きるので。無駄にはならないですね。

システム39に生まれた変化 新しい選択肢

ジョイゾー
これまでの回ではシステム39の過去から現在までを振り返り、その根底は変わっていない、ということをお聞きしてきました。
一方で現在までシステム39を継続するために、変化が必要だった部分もあると思います。お二人が体感した変化について教えてください。

BB
最初期のシステム39は、システム39をできる人がやっていたんじゃないかと思います。例えばkintoneを深く知っている、あるいはkintoneは知らないがエンジニアとしてデータ設計やシステム開発を知っているなど、色々な前提があったはず。新卒で入社したメンバーを叩き上げで育てている現在とは、そもそも大きく変化していて。阿吽の呼吸で背中を見て覚える、だけでは進められなくなってきたんです。
主に新卒のメンバーですが、従来のシステム開発の現場を知らない人がジョイゾーでも増えてきてます。従来を知っているからこそシステム39の強みを感じることができたところもあって、そもそも経験がなければわからないですよね。
なので、システム39を深く知ってもらうために、従来のシステム開発を学んでもらう時間を作るようになりました。同時にシステム39でも大切にしている、データ設計やシステム構成について学んでもらうことで底上げができるようにしたのは、変化と言えると思います。

笹川
私が入社したタイミングで、システム39は基礎の学びがしっかりないとできない、という気づきがあって、社内で教育の時間を設けてもらってました。教育についてはさらにブラッシュアップを進めていて、現在だとSIチームでの勉強会を企画して、週に一回行ってます。システム39のシナリオを作って、ロールプレイングを行ったり、見積や設計についての検討会を実施したり。常に学びを共有するようにしてますね。

外部の方を招いて勉強会を行うことも

笹川
私自身の変化だと、お客様により丁寧に説明をするようになったかな。お客様自体の裾野がとても広がっているので、お互いの認識を揃えるために丁寧な説明は必須。kintoneとkintoneを取り巻く製品が増えてきて、選択肢も広がってきたのも、変化の理由ですね。

BB
確かに。ジョイゾーが始めたパートナーの製品を活用する「エコシステム39」の存在は大きいですね。中でも、krewDataの存在は世界が変わった、と言えるかも。データの処理や分析をしたいという話になると、すぐにカスタマイズ開発という選択肢が出てくるのが当たり前だった以前に比べて、今はノーコードでできる範囲が広がったことは大きなきっかけの一つです。
同時に、武器は増えたけど、その分取捨選択が大変になったのはあるかも。

笹川
選択肢が増えたことで、複雑化してるんだと思う。
どの帳票サービスを使うか、という一点で考えても、全体の設計ができてないと決めるのは難しいから。
BB
ノーコードでやるか、カスタマイズでやるかという選択肢ができたこと自体が39の変化。今はお客様の意向に合わせて松・竹・梅で選択肢を提示して、用途によってはカスタマイズする価値もあるというのはちゃんと伝えるようにしてますね。
笹川
どれくらいの頻度で使う機能なのか、どれくらいの手間がかかるのか。判断するための軸を私たちが用意することで、答えを渡すんじゃなく、お客様が判断する助けになるように動くようにしています。

システム39への思い

ジョイゾー
お二人とも今回はありがとうございました!最後にシステム39への思いをお願いします。

BB
システム39はシステム開発のサービスとして生まれたと思います。ですが、今はジョイゾーの考えた方を含めた「システム39マインド」を提供するものになっています。私たちとお客様、お互いが全力をぶつけることで、生まれてくるものがある、そういう流れ自体がシステム開発から昇華されていると思います。
だからこそシステム開発として、そのマインドを持った上で、提供できることはこれからも考え続けなければいけなくて。変えるべきところは変えて、残すべきところを残していく。システム39の根幹さえ残っていれば、必要なところは変えてもいいと思ってます。

笹川
私は、システム39を楽しく続けられるようにしたいと思っています。2時間の中での制約やシステム39自体の難易度が高いことで難しい部分もあるんだけど、全て終わるといい思い出になっていて笑
お客様と一緒に過ごして、同じ目標に対して取り組めるというのがシステム39の良さ。その時間を持てているからこそ、普通のシステム開発とは違うシステム39があると思っています。

システム39は次の10年に!

今回は現在のシステム39について、SIチームのお二人にお話を聞きました。システム開発の枠組みに囚われない、「システム39マインド」は今もジョイゾーの中に息づいています。積み重ねてきた10年間と次の10年を迎えるために必要なことを私たち一人一人が向き合っていくことで、お客様に本当の意味で価値ある体験を届けられるのではないでしょうか。

次回はシステム39 10周年を記念したイベントについてレポートする予定です。ぜひお楽しみに!

(ライティング:小渡 拓)


この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?