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POEM

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詩的なものをまとめました。
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2023年3月の記事一覧

さくら咲く 弐

遠目から眺める絶景。 さくらが満開を迎え、青空の下で舞い踊る。 いつか思い出の中に咲く花が今、 はらはらと散りゆく。 めぐるめぐる春。 また一つ、思い出が重なる。 「綺麗ね」 微笑みながら、大切な人と見つめる。 「そうね」 そんな会話もこれから、 またどこかで思い出すんだろう。 一人で見るさくらと。 誰かと見るさくらは少し違う気がする。 いつまでも見ていたい気持ちはあるけど。 いつか無くなるからこそ、趣を感じるから。 さよなら、ではなく。 またねっ

友達。

キミは気まぐれ。 猫みたいに奔放で。 小鳥みたいに自由に羽ばたく。 いつだって、先を見てた。 そんなキミが羨ましくて、大切だった。 キミは気まぐれ。 いつのまにか側にいて。 ひょっこりとはにかんで顔を出す。 「おはよう」「こんにちは」 いくつも、底なしの明るい声に救われた。 キミは気まぐれ。 何でもない話をして。 笑いながら軽口を叩きあう。 本気の喧嘩もたまには悪くない。 仲直りして手を繋ぐ、絆って心強い。 キミは気まぐれ。 時々、プレゼントをくれる。 それは、物だった

【詩】伝える難しさ。

さよならの一雫。 まだ終わらないで、と願いながら。  見たくない現実にそっとヴェールを降ろす。 すべてを偽りに変えて。 いっそ、夢でもいいから。 唇から零れ落ちた一言。 それはきっと誰かに対する想い。 言いたくて、でも言えなかった気持ち。 貴方に届く日を心待ちにしていた感情。 ありがとうの一欠片。 不器用な私からの小さな言伝て。 恥ずかしくて、しぼんでしまった言の葉。 何でもないみたいに優しい貴方へ。 たった一つのエール。 何もできない私からのせめてものメッセージ。

春の代名詞。 壱

さくら咲く。 瞬きひとつで消えてしまいそうな花びらが そっとふわり掌へ。 ほんのり淡紅色から白色のグラデーション。 内側からそろりと雪を溶かしていくよう。 目に移す度、心が丸ごと惹かれてやまない。 花が団子か、選ぶならば迷わず花。 哀しいくらいに、意識の中でさくらは 声を上げるのだろう。 「わたしを見て」って、恋する乙女みたいに。 薄命を燃やして、美しく、懸命に。 だから、きっと心を掴んで離さないのだ。 さくら咲く。 愛しき、散りゆく花よ。 追記:昨日

【詩】からくりの恋。

愛していると嘘を吐いてた。 溢れるほどの笑顔と愛を、惜しむことなく キミはボクに与えてくれた。 “ありがとう”と同じくらい“ごめんね”を 心のなかで呟いて。 感情を知れないボクは、胸奥で、ただ切実に 許しを願う。 同じ愛とひきかえに、キミにボクは 一体何をしてあげられる? キミはボクにふんわり笑った。 “永遠ずっと、側にいてね” いつまでだって、側にいるよ。 ボクは不死身のロボットだから。 キミは知らない。でも、かまわない。 ボクがいることで、君が笑顔でいて

Until your night dawn.【あなたの夜が明けるまで】

傘村トータさんの【あなたの夜が明けるまで】というボカロ曲の歌詞を、下手ではありますが、英語の勉強がてらに訳してみました。 歌う用ではなく、詩のようなものとして書きました。 お気に入りの曲なのですが、とても落ち着くメロディーで、心にしみます。 ぜひ、これを読んだ後、聴いてみてほしいです(*^^*) I wonder if It was the world that was broken. こわれていたのは せかいでしょうか I wonder if it was the

lost article

何でいなくなっちゃったんだろう。 どうして涙が止まらないんだろう。 頭が、胸が、心が、痛みで壊れそう。 沢山、数えきれない感情が。 抑えきれない想いが。 頬を伝って。 輪郭をなぞって。 零れ落ちていく。 いくら手のひらで掬っても、掬っても、救われない。 たまらなく、哀しくて、辛くて、寂しくて。 濁流みたいに、嵐みたいに、滅茶苦茶に乱れていく。 何も届かない、言葉一つすら伝える宛がない。 降りしきる雨は、まるで心を映すよう。 傘なんて投げ捨ててしまいたい。

青い春

いよいよ、春が終わる。 まるで一瞬のように青い春が去っていく。 振り返ってみると、ポツポツと足跡が見える。 3年間という日々が。 散りばめられた思い出の欠片が。 忘れないように、消えてしまわないように。 一つ一つ集められて、完成したアルバム。 めくるたび、微笑む。 笑顔が光って、綺麗だなって思う。 いつになく晴れやかな今日、この日。 目には見えなかったけれど、心に咲いた桜。 おめでとう、を心から言えた。 おめでとう、を心を込めて言えた。 自分に対して