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トルコ留学記(オリエンテーション編)

前回、一念発起~渡航~寮到着を書きました。
今回は、授業が始まるまでの最初の一週間、オリエンテーションウィークの話を書こうと思います。

【まとめ】

先に、簡単に一週間の気付きのまとめをします。
・英語意外しゃべれるなと英語全然しゃべれねえの反復横跳びです。
・英語ネイティブがおらず、ある程度話せるレベルの人が集まっているため、意思疎通や英語力の上達にとても良い環境です。
・英語が大学の共用語だと定められているとしても、バスの運転手さんやレジ打ちの店員さんには英語通じないことが多いです。
・トルコの人々はにこやかで優しい人が多く、快く助けてくれる人が多いです。
・日本の漫画とアニメが大人気です。日本から来たというと、どのアニメを見たか、どの作品が一番好きかを話しに来てくれる人が沢山います。
・野菜が安いです。日用品も日本と比べると安いものが多いです。外食は日本と同じくらいです。

【9月23日(土)・24日(日)】

オリエンテーションが9月25日に始まるので、土日は多少の自由時間がありました。
土曜、朝起きると、リビングにもう一人のルームメイトがいたので、お土産を持って挨拶すると、朝食に誘ってくれました。初トルコご飯!

(日曜だけ?)朝ご飯を丁寧に食べる文化があるようです。
menemenと呼ばれるトマトベースの味の伝統料理、パン、sucukというソーセージ、チーズ、アボガドペースト、きゅうりが並んでいます。

朝兼昼ご飯の後は、ミニキャンパスツアーに連れて行ってくれました。
嬉しい。
大学内の食堂や、建築学科棟、図書館、小売店などを回りました。
すっかり秋の気配がしますが、日差しがとにかく強いです。しかし、とても乾燥しているため汗がすぐ乾きます。日本の夏はべたべたしますが、こちらではびっくりするほどサラサラです。

キャンパス内はとても木が多いです。坂もあります。

日曜、simカードを買うため、大学の外にあるショッピングモールに足を運ぶことにしました。徒歩で行けると思っていましたが、Googleマップの徒歩52分を見て諦めました。
大学内には数十分に一本リングバスと呼ばれるバスが巡回しており、正しいバスに乗れば、寮の近くからショッピングモール最寄りゲートのまで連れて行ってくれます。

ゲートの近くの様子

大学のゲートからモールまでは、徒歩10分ほどでした。
今日の任務は、simカードの各店の値段を聞いてくること、マグカップとスリッパを買うこと、昼ご飯を買うことの3つです。

simカードはどこもどっこいどっこいだったので、大学がオリエンテーション内で提供する予定のものにすることにしました。
マグカップとスリッパを買って、1000円(なぜ?)。
マックは750円くらいでした。外食は安くはないですね。

地元のお店に入る勇気がなく、結局マック。
マックに救われるばかりの人生です。マックは完全食。

モール内をぶらぶらしていると、ストリートピアノとバイオリンで演奏している人が居ました。久しぶりに生の演奏を聞けてとても良かったです。

【9月25日(月)】

オリエンテーション一日目です。
Host Studentと呼ばれる、交換留学生の面倒を見てくれる学生と寮の近くで集合し、会場まで西側の寮住み勢でぞろぞろと向かいました。(日本人見つけてちょっとハッピー!)

オリエンテーション!

一日目は、校内施設の紹介や、METUでの生活、寮の規則など、ザ・オリエンテーションの詰め合わせでした。
英語あんまり話せないし人見知りだしを気にしていては友達ができない!と思い、立食形式のコーヒーブレイクでは、頑張って話の輪に入っていく努力をしました。世界各国から、と言いたいところですが、特にドイツと中東付近の国からの留学生が多い印象を受けました。
お昼は、学食に行きました。トルコの家庭料理からピザ、ワッフルまで、どれを食べようか悩みながら食べられる分だけを取っていく形式です。

あつあつのご飯が並んでいます。サラダやスイーツ、スープ、ピザもあります。
重量で値段が決まります。到着から、ルームメイトとの朝ご飯意外にまともなご飯を食べておらず飢えていたので、沢山取ってしまいました。この量で102リラ(550円くらい)です。

昼ご飯の後は、同じく建築学科のHost Studentが建築学科棟の中と、生物学科棟を案内してくれました。
模型がほぼ木で、しかもレーザー使って作られていたのが印象的でした。
(日本では、スチレンボードを手で切って、組み立てる白模型が多いので)

こういう造形の授業、院になってからもう一度受けたいなあって思う。

この日、simカードをゲット。一ヵ月25GB使える快適なスマホ生活が約束されました。
夜はウェルカムパーティーが開催されました。学校の近くのレストランの2階とテラスを貸し切って行われました。

揚げ物が無性に食べたかったので、揚げ物サラダを注文しました。
キウイのドリンクもとても美味しかったです。

一日目は、情報を一生懸命詰め込んで、必死に英語をしゃべり、友達が沢山できた一日でした。どっと疲れましたが、友達ができて新生活に希望を持てたのでハッピーです。

【9月26日(火)】

二日目は、初級トルコ語の授業からオリエンテーションが始まりました。
METUでの学生生活の紹介やカルチャーショックへの対処の仕方、学校内の銀行で寮費の支払い、などをしました。
銀行にて現金で振り込みを行うには、Tax Numberが必要で、Tax Numberを取得するにはトルコの電話番号が必要です。ややこしい手続きは、Host Studentや新しくできた友達ががとても親身に手伝ってくれたので、他の人が10回以上ネット申請しても下りなかったTax Numberを3回で発行することができました。
しかし、銀行の順番待ちの人数が多かったため、私の番でぎりぎりアウト。明日またおいでと言われ、今日中に寮費の支払いをすることはできませんでした、、、2時間待ったのに、、、

二日目のご飯、お米うま~~~~~
猫!学校内には多種多様な猫と大型犬(たぶん野良)がいっぱいいます。
どの猫も健康そうなので、見てて安心します。
ちなみに大学内のショップにペットフードも売られています。犬猫権が確保されていますね。
銀行の順番待ちの間に出会った猫

夜は、初めてのメトロに乗ってアンカラ中心地へ出かけました。
Suicaのようなものがあり、それにチャージをしてバスや地下鉄に乗ることができるようです。発行料は40リラ(220円ぐらい)でした。距離問わず一回15リラ(80円弱)です。

地下鉄綺麗でした。
ローマの窓ガラスがグラフィティで埋め尽くされた地下鉄を思い出しました、、、

この夜のパーティで初めて、クラブのような経験をしました。
日本にいると飲み食いしながら音楽をかけて踊りまくるという経験はあまりすることがないと思うので、色んな人に踊り方を教わりながらリズムに一生懸命乗りました。聞いたことのない異国の音楽に乗って、輪になったり輪の中で踊ったりしました。
こういったパーティで人前ではしゃぐことは得意ではないですが、誰もが親切で楽しそうにしていたので、私も楽しくなれました。

11時過ぎにメトロに乗って、学校の最寄りまで帰り、そこからタクシーを拾って寮に戻りました。(夜は野犬がうろついているので徒歩を推奨されていないようです。)

【9月27日(水)】

三日目。朝から洗濯をしました。日本で使っている洗濯機と違って、何パターンも洗濯プランを選ぶことができ、水温や水流の強さの選択肢もありました。Google翻訳でトルコ語を解読して洗濯をしました。

1階にある洗濯機が沢山並んだところがランドリーです。乾燥機もありましたが、お勧めする人ととお勧めしない人に分かれたので、部屋で干すことにしました。

今日は大切な日です。
そうです、履修登録の1日目です。人気の授業はライブチケットの争奪戦みたいになるらしいので、交換留学生の履修登録が始める14:00にサイト更新しまくりましたが、建築の院生で歴史や都市計画、保全に興味がある人がそんなにいないのか、ゆっくり選んでも全く枠が埋まりませんでした。ラッキーでした。
初級トルコ語の授業も取ることにしました(ダジャレ)。
帰国までには簡単な会話を話せるようになっていたいです。

【9月28日(木)】

四日目、Ankara Tourでした。
バスに乗って、アタテュルク廟にまず訪れました。

アタテュルク廟

アタテュルク廟とは、初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルクの霊廟です。Anıtkabirと呼ばれています。
世界史選択者なら必ずご存じの、ムスタファ・ケマル・アタテュルク。
第一次世界大戦で敗れたオスマン帝国で、トルコ独立戦争とトルコ革命を僚友とともに指導してトルコ共和国を樹立したトルコ建国の父です。
もちろん世界史を選択していたので知ってはいましたが、トルコ国内でこれほどまでに慕われ、尊敬されているとは知りませんでした。大学の構内にも街にもいたるところに肖像画が飾られています。
日本に住んでいると、一人の人物にも絶大な人気が集まっていることが想像できないので、当初はこれほどまでかと少し驚きました。
それほど彼の功労がトルコの発展に寄与し、後世に大きな影響を与えたのだと思います。

独立戦争や革命時を鮮明に描写した絵画や、各僚友の肖像、なまなましい等身大の塹壕ジオラマが展示されています。戦っている最中が何枚ものリリーフで表現されていたりと、展示にものすごい力が入っており、見ごたえがありました。
↑この大きさの絵画が何十枚もありました。
等身大の塹壕ジオラマが10m以上4か所に展示されています。トルコ独立戦争時のものです。木材が炭になって赤く燃えていたり、兵士が負傷していたり、かなり生々しいです。

アタテュルク廟を見学した後、見晴らしの良い丘の上のレストランで昼食を食べました。
同席した3人とそれぞれの出身国の話で盛り上がったり言葉を教え合ったりして楽しみました。
外国のご飯で、食べなれない味や、食べたことのない食材の組み合わせに出会うことがあります。
私は正直、この日の昼食は好みではありませんでした。しかし、初めから「まずい、食べれない」と拒否の姿勢を取るのではなく、敬意を表しつつも無理矢理好きだと取り繕う必要もない、"It’s not for me."という表現をここで学びました。

小高い丘の上からアンカラ全体が見渡せました

午後は、アナトリア文明博物館に訪れました。アタテュルク廟と並ぶ、アンカラの二大観光スポットです。
トルコを留学先に選んだ一つの理由でもある、「古今東西の文化が交わった歴史を見に行きたい」がここで少し達成されました。なにぶん展示量が膨大過ぎて、全て理解できたとは思えないからです、、、美術館博物館巡りは本当に疲れます。

ヨーロッパの最優秀博物館に選出された過去もあり、ものすごい情報量とクオリティでした。
アナトリア半島は、地理的にも誰もが知るエジプトやメソポタミア文明が発達した場所と近く、この博物館では100万年前の先史時代からの人類の痕跡が展示されています。
あの鉄を初めて使ったと教わったヒッタイト(どうやら違う説も出ているようですが)に焦点が当てられていて、彼らが作った装飾品や貨幣、祭具などが多くコレクションされていました。歴史に興味がある人でもない人でも一度は訪れて損はない場所だと思います。
個人的に印象が残っているのは、楔形文字が書かれた粘土板の近くに展示されていた、粘土に転写するための道具が、コロコロと転がす形をしていたことです。確かに粘土板になにか模様を刻むなら綿棒の小さいの作るな、、と妙に納得してしまいました。

博物館で会った猫ファミリー

この日はこの後帰路に着きました。夜の夜通しパーティには生憎疲れで参加できませんでしたが、トルコをより一層知ることができた日になりました。

【9月29日(金)】

五日目、一番大事な滞在許可の取り方の説明会がある日です。
この日だけ9:30スタートであることを失念しており、10:00に着いた頃にはほぼ説明が終わっていました、、、(気を付けましょう、、、)
絶対に上手くいかないので早めに始めるようにと釘をさされました。

午後は、中国とモルドバの友達とチベット料理を食べに行きました。
久しぶりの自分の慣れ親しんだ味に近いものを食べれる!とものすごくワクワクしました。
唐辛子しか勝たん。

やはり少し現地向けの味に調整されていますが、唐辛子入れ放題で歓喜。
DNAは慣れ親しんだ味を覚えているものです。
Kocatepe Camii(コジャペテモスク)の近くを通りました。
綺麗です。
夜も綺麗です。
ちょっと中国っぽいと思うのは私だけですか?デジャヴが過ぎます。


【9月30日(土)】

今日は、交換留学生のみならず新入生も含めた学生向けイベントとして、郊外にある湖に行ってピクニックをしました。
湖行きのバスがキャパオーバーで待てど暮らせど自分たちの番にならなかったり、バスの中が蒸し風呂状態だったり、色々トラブルはありましたが、湖のほとりでサンドイッチとアイスを食べれたので良しとします。アイスがミルクの味がしっかりしていて好みでした。


サンドイッチに挟まっているお肉も美味しかったです。
みずうみだ~

【10月1日】

朝予定されていた「トルコの朝ご飯を食べてみようの会」が学校内の施設利用停止のためにキャンセルされ、久しぶりに寮で1日休める日が爆誕しました。
最初のオリエンテーションの週だけだとは思いますが、日々初対面の人々に会って、次から次へと来る生活基盤を整えるための手続きや学校生活、履修登録、イベントの連絡を逐一把握して行動するのは、結構骨が折れました。
しかも全部英語です。
理解が追い付かないこともしばしばあり、新しくできた友達にたくさん助けてもらいました。

寮で溜まった就活メールなどをチェックしていたら、WhatsAppのグループが騒がしくなり、なんだなんだと覗きに行くと、どうやらアンカラ市内のクズライで何かの事件があった模様、、、
しばらくすると、到着時に登録していた旅レジからメールが届きました。

このようなことが身近に起こったことは初めてで、とても驚いています。
今日は元々どこにも行く予定はなかったのですが、大学は安全と言われたので、引き続き寮でパソコン作業しようと思います。

お昼は初めてのデリバリーを頼みました。
餃子とサーモンの寿司と焼きそば弁当を注文しました。全部で402リラ、約2200円です。久しぶりのわさび醤油に水餃子、もう本当においしくで、DNAが欲している味というのはこういうことかと納得してしまいました。
昨年度、イタリアに一ヵ月滞在した際も、3日目で既にサンマが食べたいだの、うどんが食べたいだの、ひたすらごねていたのを思い出しました。
食への耐性が全くないんですね。

わさび醤油ってこんなに美味しかったっけ(号泣)

そうこうして、来週から遂に授業が始まります。
今のところ月曜から金曜まで入っており、それぞれかなり重めの課題が毎週課されるそうなので、少し緊張しています。
次回は授業と、今週末に行われる留学生イベントのエーゲ海周遊(就活と授業の為、参加しないことにしました)の記事を書こうと思います。


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