セリーヌのなしくずしの死の感想

 だいぶ以前に読んだルイフェルディナンセリーヌのなしくずしの死を思いだしてる今日この頃です。

肝心の内容はというと、かなり読み手を選ぶ文体で文章の間に『……』が多用されてて、そこがなしくずしの死の第一の個性になってるような気がします。

『……』で繋ぎ合わされてるのは、その登場人物の独白じみたセリフだったり心理描写だったりします。

この文体は唯一無二で、バロウズ、ジャンジュネと並んで独自性のあるものと感じます。

僕は作家を目指してるんですが自分独自の文体を編み出したい方は一度読んでみる事をお勧めします。

僕の場合はバロウズ、ジャンジュネ、セリーヌの文体を混ぜ合わせて新たな文体を生み出しました。

なしくずしの死の物語はやはり純文学ならではの主人公の陰鬱な苦悩といった内容になってます。

これでもかというくらい内容が暗い、暗い、暗い。

そして激烈で過激です。

両親の夫婦げんかに始まり、仕事先でも同僚に翻弄されたり、女性に誘惑されて騙されたり、挙句の果ては殺人のシーンが出てきます。

正直、読んでいて気持ちのいい話じゃないですけど、重苦しい純文学を一風変わった文体で楽しめるので、上下巻読破するのはそれほど苦痛じゃなかったです。

暗い気持ちになるんですが、得られるものは多かった気がします。

重厚で陰鬱、そして過激といった感想に終始するかもしれません。

といってもバロウズやジャンジュネの小説よりは過激じゃないです。

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