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君たちはどう生きるのか(黄金の精神)

こんにちは、タカウチです。
荒木先生について書いた際に、荒木先生はチャレンジャーだ、と述べました。
作品内でチャレンジしているわけなんですが、そのチャレンジが作品内で成功しているか、というと誰もが認める形ではないな、というところも正直あります。
それでも毎回、高いハードルを自ら用意してチャレンジされているのが素晴らしいと思います。

今回はジョジョのテーマの中でも有名な「運命論」についてです。
これも荒木先生が創作をしている中で、そして人生の中でのテーマになっているんじゃないかと思います。
自分はどう生きるのか、死ぬのかにつながる話ですので、僕は自分に当てはめながら考えてきました。

運命論とは何か?

ジョジョの奇妙な冒険の中で、運命について語られることがしばしばあります。

運命論とは、世界のすべての事柄は運命によってあらかじめ定められており、人間の意志や努力では全く変更できないとする人生観。
ギリシア悲劇、中国の天命説、仏教の因果応報思想、イスラム教やキリスト教の予定説などに見られる。宿命論。運命観。
精選版日本国語辞典より。

運命論自体は宗教や哲学の世界で出てくる話で、この世のことは既に運命で決まっている、という考え方です。

一神教の宗教では神様が、どんな良いことも悪いこともお見通しで、全て神様が決めているという考え方があります。

このため、この世の悲劇すらも神が定めたものということになってしまいます。
そのため、どうせ努力をしても全部決まってるなら何もしなくても同じ、と悲観的、厭世的になりがちな考え方でもあります。

なぜジョジョは運命を語るのか?

荒木先生がなぜこんなテーマにぶつかっているのか、というと、推測混じりですが人間讃歌というテーマをジョジョが持つことが原因です。

人間って素晴らしい。
外的要因や偶然ではなく、人間の生き様で勝ち抜く。
というのがジョジョです。
それゆえ、作者の荒木先生ですらどうやって勝つんだ?と頭を悩ますラスボスを登場させて、倒し方にいつも悩んでいるそうです。
だからこそジョジョのラストバトルは緊張感も高く、ワクワクドキドキの展開で名勝負になっているのです。

ただ、メタ的視点で見ると、どんなに作者が最強のラスボスを考え、勝ち方に頭を捻らせようとも、少年漫画なのだから最後は主人公が勝つことが決まっています。
主人公補正、予定調和と感動のラストを言い換えることもできます。

人間讃歌は予定調和なのか?運命論なのか?
そこにぶつかった荒木先生は運命論そのものを作中に取り込んで向き合い始めたのではないか、と思います。

運命の中でどう生きるのか?

ジョジョ4部において、ラスボスの吉良吉影が運命を語ります。
主人公サイドが勝利する運命だとしたら、吉良吉影は逆に生まれながらにして敗北する、悲しみの運命を背負っています。
生まれながらに殺人を性(さが)とする吉良吉影は、幸せにならない人生が運命づけられています。
吉良本人もそれが分かっているため、誰よりも幸せに生きてやる、と幸せになる努力を徹底しています。
どんな苦境に立たされても、障害は乗り越えられる、とまるで主人公のように独白さえします。
たとえ人生が運命論であっても、幸せに生きれることを体現していると思います。

そしてジョジョ5部では主人公チーム全員がマフィア、マフィアに入らざるを得ない悲しみをもった者たちです。
チームリーダーのブチャラティはなんと途中で死が確定してしまい、ジョルノのスタンド能力で生きている状態になります。
身体は死んでいるのに生きている状態です。
ブチャラティはまさに、「死」という結末が確定しながらも目的のために生き様を貫いています。

この生き方と対比して描かれているのがディアボロです。
ディアボロは
「過去はバラバラにしてやっても石の下からミミズのように這い出てくる」
と言うくらい、過去から逃れて敗北のない人生を作ろうとしています。

ジョルノやブチャラティは悲しみの境遇であっても黄金の未来だけを信じて行動し続けています。
「覚悟とは犠牲の心ではない」
のです。
何かを気にしたり、失うことではなく道を切り開く事なんです。

それで、どう生きるのか?死ぬのか?

さて、漫画の中の話をしてきましたが、現実の我々にも厳然とした運命は存在しています。
それは自分も周りも等しくいつか死ぬ、ということです。

ジョジョでは運命は変えられないもの、として描かれています。
そして特に主人公勢はその運命を知ったとしても変わらずやると決めたことをやり抜き、自分らしく生き切ります。

僕自身はその生き様やキャラの死に感動を覚えます。
ただ、感動しておしまいで良いのか?
と最近は思うようにしています。
感動するなら、その生き方が良いと思っているということッ!
それを現実でやろう、と仕事でもこういった活動でも情熱込めて未来を見据えてやるようにしています。

よくキング・クリムゾンは結果だけを求めていて、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムは過程のスタンドなんて言われますが、本当はもっと深いと思います。
「結果」だけを求めるのではなく、「真実に向かうこと」が大事!
真実に向かうには結果も求めて、その上でそれに見合う生き方をすること、だと解釈しています。
その生き様が人の心に刺さり、影響を与え、「眠れる奴隷」を目覚めさせます。

僕自身は、自分が生涯かけられることはなんだろう?というところから毎日描いているところですが、
荒木先生にお会いする
ジョジョのような邁進する生き方をする
それをさらに拡げる
ことは必ず実践していきます。

まとめ

今回もジョジョの素晴らしさとそれが人生にどうリンクして、何に取り組もうと思えてきたのかを書きました。
人生観のある創作物は作者の生き方がバリバリ伝わってきますね!
でもそれは創作物ではなく対面で会ったとしても伝わってくるんだと思いますし、僕自身も創作はしてないですが生き方で伝わるような人になりたいものです。

今回は深く死生観的なところに踏み込みました。
カッコいいと思える生き方ってあると思います。
漫画なんて映画なんてと言わず、それを実現してみると日々面白いです。
ぜひ、ここまでお読みになった方は取り組んでみてください。

※なお、引用や画像は全て荒木飛呂彦先生および集英社等関連企業に帰属します。

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