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ハイネケン 〜世界シェア2位の老舗ビールメーカー〜


概略

ハイネケンは1863年創立のオランダに本社を置く老舗ビールメーカーです。
世界100ヵ国以上に製造拠点を持つグローバル企業となっています。

主力ブランドである「ハイネケン」は世界170ヵ国以上の国で販売されており、全世界で定番のビールとして知られています。
また、「ハイネケン」の他に「アムステルビール」や「タイガービール」などの主要ブランドも保有しており、世界シェアは世界2位となっています。

ビジネスモデル

ハイネケンは2008年にデンマークの「カールスバーグ」と共同でイギリスのビール大手「スコティッシュ・アンド・ニューカッスル」を買収するなど積極的なM&A戦略でシェアを拡大してきました。

ちなみに2008年に当時世界シェア2位だったベルギーの「インベブ」が当時世界シェア3位だったアメリカの「アンバイザー・ブッシュ」を買収して誕生した「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」に抜かれるまでは世界シェア1位でした。

また、ハイネケンはF1やUEFAチャンピオンズリーグ、ラグビーワールドカップなど世界のビッグイベントのスポンサーを務めるなどグローバルな広告展開で世界市場における認知度を高めてきました。

現在ハイネケンはアメリカ国内でサッカーに絞ったスポーツマーケティング戦略を展開しています。
アメリカのプロサッカーリーグであるMLSとのパートナーシップ契約に加え、MLSに所属する14チームと個別に契約を結んでいます。
現在アメリカのビール業界ではバドワイザーやミラークアーズが多くのシェアを占めており、ハイネケンの市場シェアは3.5%程度とまだまだメジャーな割合ではありません。
UEFAチャンピオンズリーグなどサッカーに投資を行ってきたハイネケンはさらにアメリカのサッカー市場へも進出し、「サッカーといえばハイネケン」という印象を深めようとしているのです。

各種指標

ここからはハイネケンの売上高、営業利益、営業利益率を見ていきたいと思います。
まず売上、営業利益ともに2020年に落ち込みましたがその後は上昇していることが読み取れます。
2020年に減少した理由はコロナウイルスです。
飲食店ではアルコールの提供ができなかったり、スポーツイベントも中止になったりするなどビール会社としては大きなダメージを受けました。
しかし、2021年には営業利益も回復し、2022年に至っては売上も大きく上昇しています。
これはコロナが少しずつ収まっていったことと、発展途上国でもビール需要が高まっていったことが要因と考えられます。
今後は世界中でビールの需要が回復すると予想されるので、さらに収益を伸ばすことが考えられます。

今後の展望とまとめ

以上のようにハイネケンはグローバルな広告展開によりブランド認知度を上げ、全世界でビールといえばハイネケンというようなイメージを作っている企業と言えるでしょう。

世界的にビールは他のアルコール飲料と比べ市場で顕著なシェアを占めており、そのさまざまな配合やフレーバー、味わいのお陰でミレニアル世代やZ世代の間でも絶大な人気を集めています。
当初フレーバービールはヨーロッパや北米で消費されていましたが、最近では世界中でその需要が飛躍的に伸びており、ビールビジネス全体にプラスの影響を与えています。

発展途上国における新たな醸造技術の出現も消費を加速させる要因となるでしょう。
このようにビール市場はまだまだ成長の余地があるといえます。
アジアやアフリカの経済成長に伴ってその地域でビールの需要も増えるという予想もあります。
その中でサッカーを中心としたスポーツのスポンサーとなることで世界中で認知度が高いハイネケンは今後も順調に売り上げをあげると予想しています。

ビールという人々の食事を彩るお酒を手がけるハイネケン。
今後スポーツといえばハイネケンというようなイメージが定着するかもしれません。

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