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珈琲のぬくもりと香り

師走。繁忙期。
普段の仕事に加えてやってみたい仕事も重なり、バタバタと連勤が続いた。
更に今年は資格の試験も重なった。

ぴりぴり、きりきり。
緊張感のある職場に、痛む心。
好きな仕事をしているはずなのに、
気がついたら身も心もボロボロだった。
パソコンに向かっていると涙が溢れた。
危険信号。

連勤最終日、仕事を終えてほとんど頭も働かない状態で、家に帰った。

「ピンポーン」。

実家の母からの贈り物が届いた。手紙付き。

贈り物を開けると、母が昔住んでいた
遠く離れた土地の、珈琲が入っていた。
じんわりと心があたたまっていく。

眠れなくなったっていいや。
真夜中の珈琲時間。

珈琲を淹れると、
小さい頃から毎日嗅いでいた実家の朝の匂い。
優しい珈琲の匂い。

「今日はどんな1日だった?」
私を気にかけてくれる言葉で、
手紙が始まっていた。

すーーーーっと
力が抜けて行く。

1番疲れているはずの金曜の夜に、
心がどんどん元気になっていく。

労わってくれる人がいるということ。
有難いこと。

珈琲を飲み終える頃には
すっかり心が元気になっていた。


「無理するくらいならやらなくていい。」

そんな事を言われた事があるけど、

それをやりたいのが20代。
経験になる新しい仕事なら、
なんでもやってみたいのが20代。

無理せずできるのなら
それはベストかもしれないけど、
目標がある時、多少の無理は避けられないのではと思う。

だから助けてもらって、
私も誰かを助けながら、傷つくときがあっても
みんながやりたいことへの
挑戦を続けられたらいい。

すっかり元気になった。
今度は誰かの疲れた心に明かりを灯せたら良い。

お返しに何をしようかな。
母が好きそうなものを
じっくりゆっくり考えてみる。
胸が躍る時間。

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