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内申アップは誰もが望むことだけど、誰もがアップするわけではない。それはなぜか?偏差値アップが専門の元Sピックス講師/室長が答える第4弾!

保護者:「アオイ先生!たったの3つですか?」
 
アオイ:「いろいろ挙げればきりがないので、厳選しました。経験上、学校の先生方が生徒のどこを
     見てどう評価しているのかを生徒たちの声や保護者の感想、そして通知表をもとに結論を
     出してみました。それがこの3つです。この3つをしっかり取り組んでくれれば、内申は
     5まで上がるし(但し、副教科の実技科目は除く)、逆にこの3つのうち、1つでも該当する
     ものがあれば最高4まで、2つ以上だと4寄りの3とか、3寄りの2とかになってもおか
     しくありません。それほど大事な3つです。そして、先生方にとっても生徒たちにとって
     も評価の決め手となっていると思います」
 
保護者:「わかりました。先生と生徒の双方にとって決め手になる3つということは絶対なのです
     ね。しっかり守っていこうと思います」
 
アオイ:「ところで、内申トラブルってわかりますか?」
 
保護者:「なんとなくは」
 
アオイ:「内申評価に不満を持つ保護者が学校に内申説明を打診してすったもんだすることです」
 
保護者:「あああ、聞いたことあります。最悪、校長先生まで話がいったりするんでしょ」
 
アオイ:「たいていのトラブルの原因が、定期テストの点数はクリアしてるのに評価が低い場合で
     す。80点取れてるのに3とか、95点取れてるのに4とか。点数的にはクリアしいても
     減点されている。その多くが提出物が未提出、締切りが守られていない、小テストを受け
     ていない、合格点に達していない、授業中消極的で大人しい、声が小さい、コミュニケー
     ションが取りにくい、などなど。先生方はいちいち注意しなくても細かくデータを取られ
     ています。学校教育はテストだけじゃない、点数がよくても授業や学校生活においてマイ
     ナス面があれば内申は上げない!と言うことです。当たり前のことなんですけど。子ども
     たちはどうしても定期テストが良ければ内申は上がるものだと思いがちです。確かに点数
     だけで評価する先生も中にはいますが。でも大半の先生方は宿題の提出、特に締切り、小
     テスト、授業中の発言、態度、積極的に自己アピール、そしてリーダーシップ。といった
     数字にならない人物評価も重要視しています。先生によっては自分でABCで評価(観点別評
     価等で使用する要領で)したりしています。子どもたちが知らないだけで日々学校生活は評
     価の対象になっています」
 
    「ですから生徒たちはマイナスの材料を先生に提供してはいけないのです。いざという時そ
     こを指摘されますから。無意識に学校生活を送っていると提出日を忘れていたり、聞き漏
     らしいたり平気でやらかします。常に気を張っている必要はありませんが、要所要所は気
     をつけておかないと定期テストの点数以外を先生方は常にチェックしてますよ」
 
保護者:「わかりました。肝に銘じて子どもにも強く言っときます」
 
アオイ:「では、1つ目です。と言ってもほとんどもう話してしまいましたけど(笑)」
   
    「それはそれとして。1つ目は定期考査です。当たり前ですけどね。でも、意外とこの定期
     テストを戦略的に捉えている子は少ないです。」
 
保護者:「戦略的とは?」
 
アオイ:「ではそのあたりも含めて定期考査について話していきましょう」
 
    「まず基本的なところからですが、点数の評価基準をざっくり言うと、90点以上が5,8
     0点~89点が4,40点~79点までが3、これが一般的です。平均点や得点分布によ
     って多少の違いはあります。特徴的なのが、3の範囲が異様に広いことです。これに疑問
     をお持ちの方も多いかと思いますが、これは3の対象が学年全体の4~5割を占めるから
     です。簡単に言うと、5と1は全体の7~10%、4と2は全体の20%くらいです。今は
     絶対評価なので昔の相対評価よりは緩くなっていますが、生徒たちの通知表と得点分布表
     とを比べてみると、だいたいこのパーセンテージだと推測できます。100%絶対評価であれ
     ば90点以上は全員5となるわけですが、そうもいきません。そんなことしたら、例えば
     英語で90点以上が40人いたらその40人全員が5になりますから。ですから同じ90
     点でも5の子もいれば4の子もいるわけです。その差は定期テスト以外の学習評価や人物
     評価で決まるのです」

    「話を戻しますが、これで言うと、40点の子も79点の子も評価は同じ3です。とても不
     公平ですが、これが現実です。ですから僕は教え子に不得意な科目なら40点でいいし、
     評価は3でいい、その分得意科目に時間をかけて80点なり90点を取って4か5を狙
     え!と指導してます。9教科を等しく時間をかけてテスト対策する必要はないと。なぜな
     ら、高校受験は国公立は9教科合計(素点/換算)が推薦でも一般でも重要ですし、私立も推
     薦基準であれば3教科合計、5教科、9教科合計の学校がほとんどだからです。大学受験
     は平均値で内申点を出しますが、考え方は同じです。苦手な英語が2でも音楽が5であれ
     ば合計7となり、平均値は3.5です。なので、苦手科目は得意科目で補えばいいわけです。
     科目の足切りみたいなのはないので。常に合計ポイントを意識して内申攻略を立て、目標
     にして、自分の内申ポイントが今いくつで、志望する学校の合格内申基準との隔たりを意
     識する、内申を戦略的に確実に取る、これはとても大事なことなんです。それと、2が2
     つ以上あると推薦や私立の受験でエントリーできなかったり、マイナスになる学校があり
     ますので、どんなに不得意で嫌いな科目でも40点は取って3キープを!そして2は最低
     1つまでと指示しています」
 
    「テスト対策は最低1か月前からやってほしいのですが、実際はそうもいかないのが現実。
     部活や学校の諸活動が忙しい、塾の宿題が終わらない、学校行事の練習や準備で帰宅時間
     が遅くなる、など彼らは忙しいです。そこをやりくりしないと!と言ったところでそこは
     まだ子どもです。さらに、テスト範囲は1週間前にならないと発表されなかったり、1週
     間前にならないと部活が休みにならなかったりもあり、とにかくいろんな理由でエンジン
     がかかるのが遅いです。そんなこんなで現実はテスト対策学習の時間が圧倒的に足りない
     のです。そのため、その足りない時間をどう補い、効率的に、効果的に使うかを考えた結
     果、9教科を同じように頑張ったり、同じように時間をかけたりはできないので、それぞ
     れ違う点数目標、違う評価ポイントを設定して、それに合わせた時間数で定期テスト対策
     のサポートをしてました」
 
保護者:「確かに、うちの子も毎度毎度、テスト1週間前くらいから大慌てでテスト勉強してます
     ね。焦りまくり(笑)。あれじゃいい結果は出ません。毎回、全教科ケアレスミスだらけ
     ですもん。ケアレスミスだからってヘラヘラ笑ってるんですよ。ちょいミス、ちょいミス
     とかいって」
 
    「わかりました。割り切るところは割り切って、狙いどころを絞ってやるということです
     ね。定期テストとはいえ、難題が山積だわ」
 
    「ところで、ケアレスミスをなくすためにはどうしたら?すみません、テーマから外れてま
     すね」
 
アオイ:「それはとても大事なテーマですし、話したいことが山ほどありますので、次回にでも。ケ
     アレスミスがテストで上手く点が取れない最大の要因なので」
 
    「それでは、2つ目です」
 
    「2つ目は締切りを守ることです」
 
    「学校で締切りと言えば宿題の提出が主だと思いますが、締切りは絶対です。締切りの日、
     時間、場所、誰に渡すのか、など約束事や決まり事の連絡事項を正確に聞いて厳格に実行
     する。先生や教科、日によっても違ったりするのでマメにメモを取ったり、友だちと情報
     をシェアしたりして必ず守るようにしましょう。ただそれだけのことなんですが、中高生
     にはそれが難しいんですよ。1日や2日遅れるくらい平気です。基本ルーズなので出せば
     いい!の意識です。また提出の〆切時間や場所を間違えたり、宿題の箇所が違ってたり
     と、テストで犯すケアレスミスと同じミスを犯します。まさにちょいミス。でもそのちょ
     いミスが内申を落とす結果となります。生徒たちはよく宿題のクオリティーを気にします
     (あと2.3日かければもっとクオリティーの高いものが完成すると)が、先生方はクオリテ
     ィーより締切りを大切にしています。その評価ポイントの違いを理解しておかないと、遅
     れたけど提出できればセーフ!という思い込みの悲劇はなくなりません。たとえ宿題が終
     わってなくても、提出日に提出することです。何らかのアクションを起こすことで先生へ
     のアピールになるかもしれません。もちろん、まったく相手にされず、アピールできない
     場合もあります。ここで注意点があります。提出する場合は、勝手に担当先生の机の上に
     断りもなく置いて帰るとかはNGです。先生とアポイントを取ってください。何事もアポイ
     ントを取るとこから始まる社会と同じです。学校は社会の学校でもあるのです。アポイン
     トを取った上で担当の先生に進行状況を説明し、遅れた理由を伝え、完成してないことを
     謝った上で、先生の許可がもらえてはじめて提出となります。それでも評価は期待できま
     せんし、受け取らない先生もいます。しかし、締切りを守れなかったのは確かなのだか
     ら、せめてもの誠意をみせなければいけません。なにも行動を起こさずほったらかしにす
     るよりはずっとマシです」
 
保護者:「うちの子はまさにそのタイプで、締切りより中身だと言って提出日に疎いです。クオリテ
     ィーにこだわることは悪いことだとは思いませんが、学校教育ではNGなんですね。締切り
     は大切ですもんね。社会に出れば当たり前のことですが、学校は将来の子どもたちのこと
     を考えているんですね。相手が何を望んでいるのかを知ろうともしないで、自分勝手な判
     断で良しとすることは間違いだよって教えてる。なるほどです」
 
アオイ:「では、最後3つ目です」
 
    「積極性です」
 
    「漠然としていますが、これ、今の学校教育の中で評価大です。日本の大学の世界ランキン
     グが低いこと、欧米諸国の先進教育に遅れをとっていること、グローバル化社会に取り残
     されていることなど、今や日本の教育は問題が山積しているのです。それに伴い、文科省 
     は時代遅れの知識偏重教育からの脱却を試み始めています。書く、読む、から聞く、話す
     にシフトチェンジしている真っ最中です。公立の中高一貫校が増え、人気なのもその改革
     の一環です。教科横断型と言われる入試問題にその試みがよく表れています。近い将来、
     すべての教科に英語が取り入れられ、問題文自体が英文、そして数学とか国語とかの科目
     名がなくなり科目の壁がなくなると思います。実験的に現在行われている教科横断型テス
     トはその第一歩でしょう。なので、中学、高校の評価基準にも影響しているのです。世界
     でリーダーシップをとる日本人が増えることが至上命題であればそれも仕方ないのかなと
     思ったりしますが、生徒たちの話を聞くと、声が大きいことや、いつも笑顔で自己アピー
     ルが自然とできるとか…、そんな子が評価が高いと言ってます。逆に声が小さいとか、人見
     知りで自己アピールが苦手な子とかの評価が低いとなれば個人的には違和感が残ります。
     アピール下手でも頭の中ではいろんなことを考えていますから。とは言え、内申は受験の
     要。不平を言っていても損するだけなので、合わせていくしかありません。合わせない
     と学校の評価は基本、引き算ですから評価がどんどん下がるだけです。ですから、性格的
     に難しい子はいると思いますが、学校にいる間だけでも、内申を取るためにも評価基準に
     合わせて違う自分を演じることも必要かもしれません。実際、定期テストはそれほどでも
     なくてもそれ以外で上手くやって点数と見合わない内申点を取っている子はいますから」
 
    「3つの中で3番目が消極的な子には一番難しいと思います。でも頭の片隅にでもこの情報
       を意識して学校生活を送れば、とっさに上手く振舞えるかもしれません。先生方も生徒の
                 そういう頑張りには気づくものです。この子は自己表現をしようと懸命になっているな!
                アピールしようしているな!ってね」
 
保護者:「うちの子は人見知りで引っ込み思案なとこあるからアピール度低いわ。でもアピールでき
                  るときは自分を奮い立たせてアピールしなさいって言いますね。提出物の締切りとかは私も
                 チェックします。あとは定期テストか…科目の好き嫌いがあるから、好きな科目に力と時間
                 をかけるようにします。今までは嫌いで不得意な科目を中心に時間をかけてましたけど、逆
                 なんですね。いくら頑張っても4や5が取れそうもない科目は3キープ。3キープというこ
                 とは高得点を取る必要もないし、時間をかける必要もない。その分は4や5になりそうな科
                 目に時間をかけて、80点以上を目指す。そういった戦略を駆使すべきなんですね、内申ア
                 ップ術に特化した場合。ほんとは全教科に時間をかけて頑張らないといけないんでしょうけ
                ど、科目間でメリハリをつけて。それと先生のおっしゃるようにうちは部活に時間を取られ
                てるから(悲)、これからはこの作戦でいきます」
 
アオイ:「内申取るのもひと苦労ですが、これが学校の教育(総合教育)なので。でもそうやって総合評
     価を意識して内申を上げればすべての受験、高校受験でも大学受験でも一般入試でも推薦
     入試でも有利になることは確かですから頑張ってくださいね」
 
 
まとめると、

 
①   定期考査は3教科、5教科、9教科のいずれかの合計をし(受験校によって条件が異なる)、苦手科
  目を得意科目で補い、常に自分の条件科目の合計を意識する。それによって教科それぞれ力の入
  れ方(勉強にかける時間や優先順位)を変える。

②   宿題に限らず、すべての締切りは必ず守る。

③   学校にいる間は積極性を意識する。
 

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。お疲れ様でした。
 
ということで、次回、正直アオイ塾(アオイnote)vol.5は「教え子のテストでケアレスミスを分析してみた」です。
 
では、次回も「正直アオイ塾(アオイnote)」をよろしくお願いします。
 
                                        アオイナオ
 
 
 
 
 
 

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