宗教や信仰についての雑記 #97
◯「なぜ私だけが苦しむのか」を読んで②
この本にはまた、ユダヤ教の不適切な悪い祈りについても書かれています。それは、
・自然の法則に反する不可能なことの祈り
・他者を傷つけるような復讐のための祈り
・己の勤めを神に代行してもらうめの無責任な祈り
の3つの祈りだそうです。
自分の願いを叶えてもらうために無理なことを祈ったり、誰かを憎んで呪ったり、自分が努力して行うべきことを神に頼んだりするようなことはすべきではない、ということのようです。
それではどんな祈りがいいのか、祈りは我々に何をしてくれるのか、ということについてまず、祈りは苦悩を共有する人々を結びつけて、孤独から救い出してくれることを挙げています。
そしてそれよりもさらに重要な祈りについて述べています。
それは、困難に耐えそれに立ち向かう勇気や力を求める祈りや、失ったものではなく残されたものに心を留める寛大さを求める祈りは、叶えられることが多いということです。
つまり、祈りは人と人とを繋ぐ以上に、人と人神とを繋ぎ、困難な日々を生き抜いてゆく勇気と力を与えてくれるものだというのです。
不幸や苦悩がないことを約束された人生などあり得ない。でもそんな不幸や苦悩の中でも神は人と共にいて、その困難に耐え、立ち向かう勇気と力を与えてくれる。
そこに、ただ単に問題の解決を願うのではない、現代における祈りのあるべき姿があるように思います。
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