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宗教や信仰についての雑記 #154

◯空腹感

私事ですが、現在私は糖尿病の薬を飲んでいます。この薬は血糖値を下げる作用があるため、時折強い空腹感に襲われ、さらには低血糖になって気分が悪くなり頭がフラフラしてくることもあります。その対処としてブドウ糖や氷砂糖などを常に携帯するようになりました。
野生動物や飢餓に苦しむ人々は、常にこのような危険と背中合わせなのだと思い知らされました。

空腹感は様々な宗教において、様々な意味を持つことがあるようです。

多くの宗教において、断食や飢餓は、精神的な鍛錬や苦行の一種として考えられてきました。肉体の欲求を抑制することで、精神をより高尚な状態へと導くことができると信じられてきたようです。
そして、お腹が空くことは、与えられたものに感謝する気持ちを思い出させてくれるとも考えられています。

また、精神的飢餓感という言葉もあります。
精神的飢餓感とは、心や魂が満たされない状態を指し、具体的には以下のようなものが挙げられるそうです。

虚無感やむなしさを感じる
生きがいを見出せない
孤独を感じる
自分に自信が持てない
不安や焦燥感を感じる
何か足りないと感じる

このような状態が生ずる原因は、現代の競争社会や孤独と孤立、情報過多などかあると考えられてあるそうです。

また、宗教学者の岸本英夫氏は、検査で癌が見つかった時、強い「生命飢餓感」を覚えたと、自身の著書の中で語っています。
その「生命飢餓感」とは、死を意識した際に湧き起こる、生きることへの強い執着と、同時に感じる死への恐怖のことを指しているようです。

強い空腹感や飢餓感を覚えることのない、恵まれた環境にいると、そのありがたさを忘れてしまう、あるいは心身に変調をきたしてしまう。
人間とは、そんな厄介な性質を持った存在のようです。

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