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宗教や信仰についての雑記 #223

スパゲッティ・モンスター

先日、空飛ぶスパゲッティ・モンスター教という宗教の存在を知りました。
これはアメリカで、インテリジェント・デザイン説を公教育に持ち込むことを批判するために創始されたパロディ宗教だそうです。
インテリジェント・デザイン説とは、生物や宇宙の構造の複雑さや緻密さを根拠に、「知性ある何か」によって生命や宇宙の精妙なシステムが設計されたとする理論です。

この宗教の創始は、科学教育と宗教教育のあり方や、信教の自由など、様々な議論を引き起こしたそうです。
しかし、これは批判のために創始されたパロディ宗教であって、その教義は、空飛ぶスパゲッティ・モンスターが大酒を飲んだ後に宇宙を創造したとか、天国にはストリッパー工場とビール火山が約束されているとか、祈るとき「アーメン」の代わりに「ラーメン」と言う、とかいった奇抜なもので、それらを本気で信じている信者はほとんどいないそうなので、本当の宗教とはいえないかと思います。

他者の言動を批判するとき、あまり揶揄するような仕方をすると、強い反発や態度の硬化を招き、対立をより深めて、かえって逆効果となるおそれもあります。

科学と宗教は対立した歴史があります。しかしどちらも不完全な人間の営為であり、過去にいくつもの過ちを犯しています。それらはどちらも完全でも万能でもなく、自ずから限界があります。
ですから双方がその限界を認識して、対立点を強調するのではなく、相補的な面に注目するようにしたほうが、人間にとってよりプラスとなるように思います。

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