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宗教や信仰についての雑記 #157
◯ひっくり返した見方
宗教的な考え方や感覚の一つに、既存の価値観をひっくり返す、転覆する、ということがあります。
仏教では無我を説き、人生を四苦八苦という苦悩の連続であると捉えます。
また、キリスト教では、心の貧しい者は幸いだと言い、金持ちが天国に入るのは駱駝が針の穴を通るより難しいとも言っています。
このような価値観の転換は大切なものでなのでしょう。世俗的な価値観のみだと、社会的弱者が取り残される可能性が高いと思います。
しかし実際には、そんな転換した価値観ばかりでは世の中はうまく回りません。
また、宗教の教えを解釈するのは不完全な人間です。その教えを支配や搾取のために利用する者も出てきます。
つまるところ、世俗的な価値観も、宗教的な価値観も、どちらも不十分ということです。
それは、設計図が完璧でも職人の技や工場の設備が不十分なら、完成した製品も不完全なものにしかならないのと同じです。
だとしたらどうすればいいのでしょう。
その答えが簡単に見つかるならば誰も苦労したり苦悩したりはしないでしょう。
我々にできるのは警報を鳴らすということだけなのかもしれません。
リスクがゼロにできないならば、早期に警報を鳴らして対応するしかありません。
そのためのセンサーとなるような基準を、自分の内にしっかりと設けておくこと。
世の中をひっくり返した見方には、そのような効果があるのかもしれません。
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