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〈小説〉腐った祝祭

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お話がとても長いので、一節ずつをここにまとめてみようと思います。 よろしくお願いします。
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#手紙

小説|腐った祝祭 第一章 8

 クラウルを従えて、サトルは執務室にこもっていた。  警察の相手や、国から送られてきた文…

mitsuki
11か月前
1

小説|腐った祝祭 第一章 20

 ナオミの実家から手紙が来たのは、プロポーズをして一週間ほど経ってからだった。  その途…

mitsuki
9か月前
2

小説|腐った祝祭 第一章 22

 国からの返事は、芳しいものではなかった。  海外旅行に出た娘が、その土地で出会った男と…

mitsuki
8か月前
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小説|腐った祝祭 第一章 32

 三日の朝からサトルは執務室にいた。  元日の夕方に帰宅してから昨日までは、ナオミと始終…

mitsuki
7か月前
8

小説|腐った祝祭 第ニ章 26

 目を覚ますと、ベッドの近くに置いた椅子でクラウルがうたた寝をしていた。  サトルは体を…

mitsuki
5か月前
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小説|腐った祝祭 第ニ章 27

 何から話していいのか判らないわ。  とにかく昨日はいろんな事があったの。  悪いことと楽…

mitsuki
4か月前
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小説|腐った祝祭 第ニ章 30

 庭に咲いた白バラは三つだけだった。  それをピンクのリボンで花束にして、サトルは病院の廊下を歩いていた。  一つの病室のドアをノックする。  返事があったので中へ入った。 「こんにちは。はじめまして」  サトルは行儀のよいお辞儀をする。 「スザンナさんですね」 「はい。どなた?」 「サトルといいます。ご存知ありませんか?」  老婆は鼻眼鏡を手に持っていた本と一緒にテーブルに置き、そして「ああ」と、声を出した。 「ナオミちゃんの?」 「はい」 「まあ、まあ。どうぞ。お座りなさ