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キャンプと日本人ビジネスパーソンとの親和性の高さ

昨年から我が家もキャンプを始めた。

きっかけはワーママ友達から「キャンプはいいよー」と言われたことがきっかけだった。

とは言え、私は地方のど田舎の出身者。
自然の中で寝泊まりするということがどれだけ不便であるか知っている。
また自然の中で少しでも不便なく過ごすために、様々なキャンプグッズを購入しなければならない。

まずキャンプ場まで何時間かかけて車で行き、寝床も自分たちで作り、食事も作らなければならない。
しかも幼子の面倒は一体誰が見るんだろうか。
それを考えると、めんどくさい。この一言に尽きた。

電車や飛行機を使ってサクッと移動し、チェックインしたら後は自由に過ごせて、上げ膳据え膳な旅館やホテルとは大違い。
虫が苦手な娘もキャンプには消極的で、それならホテルに泊まりたいー!と話す始末。

しかしそんな私達をよそにコツコツ、いやコソコソとキャンプグッズを集め、キャンプに向けて周到な準備を進めている男がいた。
そう、夫である。
夫はそのママ友のご主人からなんと、キャンプ学や自然の素晴らしさについて叩きこまれていたのである。

日に日に夫が購入したキャンプに必要なテントだの、タープだのがベランダに収納されていく。無言の圧力を感じる日々。
そして、とうとう昨年の夏が終わる頃に、夫から「こんだげグッズ集めたんだから使わないと勿体無い」と言われ、これはもう逃れられないと感じ、8月の終わり頃にキャンプを実行することになった。


初キャンプは壮絶だった。
慣れないテント設営の中、子供の様子も見ないといけない。
そうこうしてる間に夕飯準備、夕飯終えたら近隣の温泉の閉館時間もあり、急いで車で温泉に。
そして胃腸の弱い私はバーベキューの肉の油にやられ腹痛に見舞われトイレに篭る始末。
挙げ句の果てに夜中大雨に見舞われ、テントが潰れないように必死となる。
朝も朝で食事作りから片付けが始まる。これも退出時間内にやらなければならない。
手慣れてるキャンパーはテキパキと片付け、皆早々に撤退していく。
なかなか終わらない片付けに、夫もイライラし出して雰囲気も最悪だった。

おおよそ、こうなるだろうな、とは感じていたが、その斜め上をいく体験であった。

しかしなぜだろう。
キャンプを終えた後、「あそこはこうしたらもっと良かったのでは」、「あの時のあの動きはいらんかったな。」など夫との反省会が始まり、「次はもっとこうしよう」、「次はこれを持って行こう」という、なんと「次に」つながる話までしていた。
私はあんな思いをしたのに、またキャンプをしようという気持ちに変わっていっていた。

自分の中に芽生えた気持ち。
それは、初めてのキャンプに見事打ちのめされた敗北感を胸に次はもっと良くしていきたいという向上心であった。

そう。まさにキャンプは、計画、行動、測定、対策の上の再行動というPDCAが体現されていたのである。
日本人ビジネスパーソンなら誰しも聞いたことがあり、ビジネスの中でも自然と取り入れている日本人が大好きなPDCA。
これらを休日のキャンプという場で我々はまさに実行していた。

また、日本人のもっとこうしたい、やってやろうじゃないかという反骨精神みたいなものも、キャンプはうまく揺さぶっているとも感じる。

こういったキャンパー初心者ビジネスパーソン達によってキャンプ業界は支えられているのかと妄想が膨らむほど、まさにキャンプは日本のビジネスパーソンと相性がいいな、と感じる。

本来のキャンプは自然の中でゆったりと過ごし、美味しいお酒に美味しいご飯、朝は鳥のさえずりのもと、ゆっくりとコーヒーを淹れて、、など騒がしい都会から身を置くというのが醍醐味である。
だが、我々初心者からするとこれは上級者の嗜み。

こうした理想のキャンプ像を目指し、我々ビジネスパーソンは今年もキャンプに行くのである。

ちなみに昨年キャンプは3回行った。
試行錯誤している中での3回目であったが、子供達に聞くと、1回目のキャンプが一番楽しかったらしい。
何はともあれ、子供達もキャンプが大好きになってくれたのが一番良かったかな、と思う。

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