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働くとは。〜動機づけの話〜

ワーキングマザーになって2年半の時に2人目を妊娠した。そこから2度目の産休育休に入り、この4月にまた復職する。

育休中のこの1年4カ月、実は仕事のことを全く考えない日はなかった。

それくらいに復職するのがプレッシャーである。
復職を一度経験してるからこそ、どんなことが起こるか(主に内面のこと)おおよそ理解できるから余計に不安もある。

けど、働かなきゃ。
家のローンだってあるし、子供2人が満足いく経済力はつけていきたい。
それに働くことでしか味わえない達成感だってあるはずだ。

そんなことを考えながら、一喜一憂、浮き沈みのある日々を過ごしている。

働くことのモチベーションについて考えたりもした。
お金、キャリアアップ、達成感や承認欲など。
どこにでもあるありきたりな言葉ばかりでしっくりこない。
けど、全部当てはまったりもする。

もちろんモチベーション以前に、社会人として会社の発展に貢献し続けていくということは当然だし、責任感だってある。

けど、振り替えってみると2年半のワーママは、タスクをこなすこと、周囲とのコミュニケーションでいっぱいいっぱいだった。

周りに迷惑をかけないかに一転集中。
時短勤務だから、情報の取りこぼしもあったし、周囲の士気が上がっていく中、その輪についていけてるか、浮いてないか、そんなことすら考えた。

達成感なんてあんまり感じられなかった。

そんな自分が仕事でやりたいことや、キャリアを堂々と語ってもいいのかとすら感じていた。

マミートラック。まさにそれ。
全力疾走してるくせに、同じところをぐるぐる回っている状態。だから、2年半は必死だったけど、感覚はあっても記憶はあんまりない。

働くってなんだろう。
働くというキーワードを紐解いてる時、ふと昔のことを思い出した。


まだ私が大学生だった頃だ。
就職した先輩が母校に遊びにきた。その先輩は確か奨学金を結構な額借りていて、毎日バイトをしていた。確かそんな人だった。

先輩に仕事の様子を聞いたとき、開口一番、「仕事は辛い、とにかく大学時代に戻りたい。」と話していた。

その先輩の言葉を聞いて、社会に出ることに少し緊張感が走ったのを今でも覚えている。

しかしそんな我々の様子を察したのか、先輩は一つつだけ嬉しかったこともあったと話した。

それは牛丼屋に行ったときに、大学時代ではいつも躊躇っていた生卵を今は堂々と牛丼と一緒に注文できることだ、と話していた。

この生卵は普段仕事頑張る自分を労う気持ちもあり、さらに生卵を注文できるようになった自分が誇らしい、と話していた。

先輩は私たちを半分笑かすために言ったと思うし、当時私たちもそれを聞いて笑った。

しかしその話は、10年以上の時を超え、今さらになって私にグッと突き刺さった。

お金、キャリアアップ、承認欲や達成感。

どれも働く上で自分にとっては欠かせないとは思う。

けど、それらはすぐには到達できないものだし、息切れする。

それに今の私にはそれらを描きつつも、まずは足元にあるような楽しみを沢山忍ばせていなければならない気がする。
先輩が生卵を働くことの動機づけにしていたように。


これから働く際は大きな動機づけと小さな動機づけを織り交ぜながらやっていこう。

私は、早速職場近くにある美味しいランチのできる店を検索し始めた。



ちなみに、その先輩は、その後数回大学に遊びに来ていたようだが、それからはこなくなった。私とも疎遠になった。
多分社会人としての居場所を見つけ、本当の意味で大学を卒業していったのだと思う。

先輩、あの時の言葉を本当にありがとう。

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