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エーデルワイスの魔法書店 春〈自分の直感を信じて〉第二章

第2章 本の選び方

 大きな本棚と大量の本に囲まれ、青年は呆然としていました。あの後、少女は自分の紹介とこの店の説明をしてくれました。少女、エーデルワイスはこの店の店主なのだそうです。他に人の気配はしないので、店には彼女1人のようです。
「この中から、1冊だけ選んでくださいね。」
と、エーデルワイスは言いました。何を言っているのだ。そう青年は思いました。本は何百冊、いえ何千冊とあります。この中からどう選べばいいのでしょうか。さらに、エーデルワイスはこうも言っていました。
「自分の直感を信じて、選んでくださいね。」
と。自分の直感を信じて__。青年は今度は何も考えずに本を見渡してみました。すると、一際強く彼を惹きつける本を見つけました。その本の題は“ 戦闘魔法・初級 ”です。それを見て、彼は目を疑いました。なぜなら彼は“ 戦闘 ”などというものに、ちっとも興味が無かったのですから。でも、
『僕には適性があるのかもしれない。』
そう思い、青年は、自分の直感を信じてみることにしました。