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音楽ビジネスと小室哲哉(自分的時事)

半歩先がちょうどいい


小室さんの音楽は純粋にときめくのですが、TK期の隆盛をガツンと体験してきたので、ビジネス的な興味深さの視点がどうしても出てしまいます。

ちょうどTK期後半に音楽を売る側の会社にいたのですが、その時のトップは「一歩先は出過ぎでうちでは避ける。半歩先がちょうどいい。ピックアップしろ」と言ってました。

以下推察

TMnetworkの時期には一歩と言えないほど先に行っていたが、TMNで実験を重ね、TKとしてのテクニックを積んだことで常に半歩先に合わせて、聴衆を追いつかせる事で爆発的に売れた。

しかし次第に、売る側からのワンウェイだった情報が、インターネットの一般化で全方向に拡がり、一歩先も半歩先も関係なくなりみんな好きなペースで好きな方向に進むので、小室ビジネスは難しくなった。

しかし聴く側も、それはそれで迷いが生じた。

そこで女神のような慈愛と、"人"の在り方への悲嘆とが合わさり、神々しさをブーストさせている、人々を牽引するような「歌姫」たちの時代になった。

だったのかな?と思っています。

今はすっかり田舎のおばちゃんなので、なんとも言えないのですが、最近の音楽はどれも作り方が美しく的を射ていて上手だけど、ちゃんと探究的。

音楽の実りが豊かだなー、とつくづく思います。

花々の向こうに

私は今咲き誇る音楽の向こうに、機械の力で、音楽をつくる人も聴く人も自由にした、小室さんの背中を幻視します。

やっと事務とかがDXとか言って、まだまだ進まない事を、音楽において、日本では小室さんがとっくに切り開いていた。

小室さんがいなかったら、音楽の電子化もDXレベルのタイミングでの持ち上がり方でもおかしくなかった、と思うのが、ずっと見てきた者の感覚です。

メンバーの功績大きすぎ

なので、引退とか言って彼岸に行かなくてよかったし、それは木根さんと宇都宮さんの功績。

そもそも、TM時代に、下手すると10歩くらい平気で先に行きそうな小室さんを2歩先までとかに留めたのも、功績。

先進的な環境音楽とかに終わらずに、瑞々しさを存分に発揮させたのも、
画的にファンを喜ばせたのも、
次世代のミュージシャンを迎え入れて、優しく育てたのも。

なんか功績が大きすぎて、別の話になりそうです。



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