見出し画像

つぶやき

なんだか ずっと会いたかった気がする
遠かったな

暗くて背中が冷たい夜があった
息をすると震えてた

一生懸命がいいとは限らない
でも ほかに何ができたろう
電車沿いの道をよけて
路地に入って零したなみだ
車輪の音が優しかった

振り返るとごつごつした岩場や
そっと 道端に咲く野の花が
しみじみと語りだす

夢中だったね
なんか 夢中だったよね

いいことばかりじゃない
かっこ悪いことばかりでもない
べき論で生きて
捉われて動けなくて
懸命に ひかりを求めて歩いた
あれも わたし

ねえ
あの頃
あなたたちの柔らかくて
ちいさなこころを痛めてたかもしれない
さみしいと言えなかったちいさなこころに
気付かないままだった
だから
あの時
たくさんの夜の星が滲んでたんだよ
高架の道路の街灯が滲んでいたんだ

振り返っても 失ったものはなにも戻らない
わかってるけど

それでも 窓の明かりのほの暖かさは
確かに そこにあったから
やさしい気持ちが戻ってくる

なんとなく
なんとなく
探していたのかな

もういいよ
もういいからね

そう言って 微笑んでくれる
あなたに 
あなたに 会いたくて
歩いてきたのかな
わたし

  

もし 心に留まって下さったら、、、本を出すと言う夢に使わせていただきます。