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町へ出よう

飛行機雲
こっちでは空が広いからなのか、それとも気象条件からなのかわからないけど、飛行機雲がやたら多いし、ハッキリと残る。空を見たときに何本も残っているのを頻繁に見る。おそらく、上空の温度が低くて、飛行機雲が残りやすいから?でも地上はそれほど気温が低くなかったりする。突然雨が降ったり、気温が急激に下がったりと気候が安定しないのも、この地上と上空の温度が極端に違うせいなのかもしれない。

飛行機雲

ギリシャのギロピタ
イギリスの外食は高い。大学の食堂も例外ではなく、軽い食べ物とドリンクだけで1000円弱かかる。だから節約のために割と自炊しているつもりだが、授業の時間割によっては外食せざるを得ない時もある。大学には、いくつもバーやカフェがあり、日によっては出店も出てたりする。今日は、その出店の一つ、ギリシャのギロピタを試してみた。チキン、トマト、紫玉ねぎ、じゃがいもを生地で挟んだもので、少しスパイスが効いていてめっちゃ美味しい。結構ボリュームもあって、これだけでお腹いっぱいになるから助かる。キャンパスのあちこちに芝生があって、最近は天気も良いから、芝生に座って食べることが多い。

ギロピタ

授業変更
授業が始まって最初の2週間は、履修変更をすることができる。最初は、特に変更するつもりはなかったけど、1週間受けてみて、違うなと思ったものがあったから申請してみた。どこにでも変更できるという訳ではなく、変更先に空きがあればそこに入れてもらえる。国際関係学で2年生向けの授業や美術の歴史に関する授業など、いくつか変更先の候補を挙げた結果、Global developementの授業に参加できた。Development studyは日本語にすると、開発学。初めて知った時は、エンジニアとかそっち系かと思ったけど、実際は国際開発や人道支援に関する学問。しかもこの大学は、開発学の分野で世界トップの評価を得ている。たしかに、周りの留学に来ている日本人は、開発学を学ぶためにこの大学に来たという人も多い。はっきり言って、自分は国際開発とかに全く興味はない。自分が学んでいる国際関係学と重なる分野ではあるが、自分の興味があるのは政治とか外交の面で、人道支援とか教育とかそういう社会学的な面はあまり興味が湧かない。ではなぜこの授業をとったのかというと、なんとなく世界一と評価されている授業がどんなもんか知りたかったから。他の3つの授業で、自分の学びたい分野は十分カバーできたし、あと一つは知らない分野から取ってもいいかなぁと思って、美術の授業とかも一緒に申請してみたら、たまたまこっちに参加できた。もしかしたら、めっちゃ面白いかもしれないし、全くつまらないかもしれない。どちらにせよ、自分の興味が明確になっていい。

木陰で休憩

パブ
たぶんこっちに来て4、5軒くらいのパブに行った。パブは日本でいう居酒屋見たいなものだけど、実際はかなり違う。ほとんどの人は飲むだけで何も食べない。どのテーブルを見ても、お酒しか置いてない。そして、客の入れ替わりが激しい。30分もしないうちにみんな出て行ってしまう。あと、こっちのウェイトレスはすごくフレンドリー。アメリカみたいにチップ文化があるならそれも理解できるけど、イギリスにチップ文化はないから、ただただ優しい。料理が口に合ったか確認しに来るし、オススメのビールだからと言って試飲させてくれる。よくよく考えれば店員だけでなくて、街の人々全体が朗らかな気がする。穏やかといえばそれはそうなのだが、それだけでなくて、必要な部分はできる限りフレンドリーに接して、必要以上には介入しないという感じ。日本も似たような文化な気もするけど、それとはまた違う。うまく言語化できない。

パブのカウンター


ビーガン

授業で、大英帝国の奴隷制度について扱った。ある時期まで当然のように認められていた奴隷制度が、なぜ廃止されるようになったのか、その背景には産業革命や資本主義の台頭があって云々の話は、よく言われる、一般的な議論だなと感じた。面白かったのは、議論の途中である動画を見せられて、それが「ビーガンが普及し、肉食が完全にタブーとされる未来の世界で、かつて肉食を行っていた人々がその経験を懺悔のように語る」という内容だった。要するに、過去の人が日常的に行っていたことを、現在の人々が残虐な行為だと認識し、それを非難しているという枠組みの中で、奴隷制度と肉食を重ねている訳だ。発想がヨーロッパっぽい。面白い。隣に座っていたイギリス人は、「白人が黒人を異なる種、または劣等種であると認識し、搾取していたこと」と、「実際に異なる種である人間と他の動物の関係」が同じであるかは難しいと言っていて、自分もそう考えた。隣の中国人は、良いか悪いかの判断基準が異なる場合、比べることはできないみたいなことを言っていた。(中国人の英語は聞き取りにくい)
イギリスには、もしくはこの大学には、ビーガンやベジタリアンの人がかなり多い。開発学の授業でビーガンやベジタリアンの人は立ってくださいと教授が言ったときに、4割くらいの人が立っていてびっくりした。開発学を取っている人というバイアスがかかっているとはいえ、多すぎる。寮の中にも一人、ビーガンがいる。バーやレストランのメニューには、ビーガンやベジタリアンの表示が絶対にある。奴隷制度と肉食を重ねるなんて思想が授業で扱われて、ネタなんかではなく、本気でそれをみんな考えているから面白い。そういう啓蒙的な思想が本当にヨーロッパっぽいし、長年やってきた啓蒙主義のその最先端が目の前で繰り広げられてるのを見れてる訳だから本当に面白い。

寮の裏の原っぱ

寮の裏には何にもない原っぱがある。かなり奥の方まで歩くことができて、奥に行くと牛がいっぱいいる。こんなに散歩に最適な場所はない。天気がいい日は夕日が綺麗だし、夜になると東京では考えられないような数の星が見える。こんど一眼レフで撮ってみよう。

セブンシスターズ
本当は今週の土曜日、ロンドンに行く予定だったが、電車の前売りチケットが売り切れていて、来週に延期することにした。その代わりに、ブライトンからバスで1時間30分くらいのところにある景勝地、セブンシスターズに行った。イギリスの南東に位置するこのセブンシスターズは、その恵まれた自然と真っ白な崖で有名らしい。最寄りのバス停から30、40分くらい歩くと一番眺めのいい場所に辿り着く。この日は天気が良くて、ただだだっ広く、周りに高い山がない野原は距離感覚が狂って、不思議な気分だった。海まで行くと砂浜が広がっていて、左手に大きな白い崖が見える。写真で見るとすごく高そうに見えるが、実際には上に登るのに5分ぐらい。かなり急な坂だし、崖側に柵も何もないから、ちゃんと注意して歩かないと普通に崖の下に落っこちる。上に登ると、ずっと奥の方まで続く白い崖が見れる。この何枚もの白い壁が7人の女性の顔に似ていることからセブンシスターズと言われているらしい。ハリポタのロケ地としても使われたことがあるらしく、確かに文明的なものは周りに一切見えないし、魔法使いがいそうな雰囲気がある。帰りのバスは混雑がすごくて、一度、帰り道とは反対の方向のバスに乗って、ある程度行ったところで降りて、混む前のバスにそこから乗った。バスは時刻表通りに来ないことが多いし、それに関しては割と不便。ブライトンの街まで帰ってくると安心感を抱くまでに、この街に慣れてきた。イギリスに着いてから3週間が経った。

川沿いに海を目指す
砂浜ビーチと白い崖
ずっと奥まで続く丘
崖の上から
白い壁


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