【超ショート】焦げパン
焦がしたパンの表面を呆然となぞる
なぜか愛おしくなって、また、なぞる
わざとやったわけじゃない
いつもはもっと注意深く
でもなんだか、上手く言えないけどきっと
こうしたかったんだと思う
こうなりたかったんだと思う
大事なことを忘れていたかったんだ
そのまま時間に流れていて欲しかった
無意識の堕落
無意識のデッドライン
もう越えてしまったら
心配事はそこで終わる
安堵の表情をした焦げパンの顔が
ひたすらに愛しかったんだ
よかったね
もう、怖がらなくてもいいよ
焦がしちゃって、ごめんね
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