100分間で楽しむ名作小説 宇宙のみなしご/森絵都
この宇宙で生きる人の手を繋いでくれる、包み込んでくれる、そんな本でした。
頭と体の使い方で、世界を明るくできる。分かってる、分かっているんだけれどもできない時もあるのです。
でもその時のために、この宇宙に存在し続けるために、手を繋ぎあえる人が必要なんだなぁと。
富塚先生が相川くんに贈った力強いメッセージに背中を押されました。
手を繋ぎあえる人っていうのは、
「沈黙も説教も受け入れられる人。ただそこにいるだけで心地よいと思える人。」
なんだろうなと今は感じている。
残念なことに、学生時代人間関係から目を背け部活動や勉強に逃げてきた私は、社会に出てから孤独と闘うことになるのだけれども。
でも今頑張って生きている。この宇宙で幸せになるんだって前を向いて。
それでもやっぱり時々どうしようもなく暗く、深い闇に吸い込まれそうな時が来る。
毎回はできなくても、前よりは手を繋ぎあえる瞬間を増やせている。それだけで進めているって感じられる。
誰かに手を伸ばせない時は、音楽に、本に、映画に手を繋いでもらうこともある。
最近でいったら
竹内まりやさんの「いのちの歌」
手を繋いでもらった音楽に関しては、また書こうかなと思います。
本の感想から脱線しかけたけど、陽子とリンと七瀬さんと相川くんが手を繋ぎ合えて良かった。本当に良かった。独りにならなくて良かった。
p.35
大人はずくに理由を聞く。それがフェアな態度ってものだと思っている。
でも、残念ながら大抵のことに理由はない。/陽子
p.200
大人も子供もだれだって、1番しんどいときは、ひとりで切りぬけるしかないんだ、って。
ぼくたちはみんな宇宙のみなしごだから。ばらばらに生まれてばらばらに死んでいくみなしごだから。自分の力できらきら輝いてないと、宇宙の暗闇にのみこまれて消えちゃうんだよって。
でも、ひとりでやってかなきゃならないからこそ、ときどき手をつなぎあえる友達を見つけなさいって、富塚先生、そう言ったんだ。手をつないで、心の休憩ができる友達が必要なんだよ、って。/相川くんが富塚先生から受けたメッセージ
p.201
頭と体の使いかた次第で、この世界はどんなに明るいものにもさみしいものにもなるのだ、と。宇宙の暗闇にのみこまれてしまわないための方法だ。/陽子
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