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朝の光
蒼白の光が
氷の結晶を
すり抜け
わたしの網膜に
しのびこむ
樹葉は 風に 揺られながら
影を ふるわせる
風が凪いだ一瞬
光は わたしから 遠のき
影とぶつかりあって
しずかに 消えていった
朝の光は
原罪を背負った わたしには
眩すぎよう
だから
わたしは 目を閉じる
瞼を閉じても 閉じても
眼球に障る 光
逃げても 逃げても
追いかけてくる 影
わたしは
すべての俗塵から
まぬがれようと
向こう岸へと舟を漕いだ
けれども
舟は 沈みは
わたしは 川を泳いで
元の世界に引き返した
そこは
すでに 盲目のモノクロームの世界だった
たいいりょう
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