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ヒット作から、隠れた名作を知った。

ヒット作の陰に隠れた名作
作家の筏田さんは 君恋 こと「君に恋するなんて、ありえないはずだった(タイトルが長いのです)」のシリーズ作品でその存在を知ったのですが 、

2作目のこれはハラハラしましたね。眼鏡君に。

あたしは、この作品「静かの海」が好みだ。良かったというより、感動すらした。主人公はいつも男の子っぽい色の服装をしているが可憐な女の子だ。この子を名前から勝手に男の子と勘違いする純真な青年との交流を通して、その青年に密かな恋心を秘めながら物語は進んでいく。あたしはこの作品に静かな余韻を感じ、今もその余韻が心の中のどこかに残っている。

君恋では、主人公男子は山形の大学に進学するが、筏田さんは山形の企業に就職したらしい。
「君恋」の話になってしまいますが、この君恋は「眼鏡とあまのじゃく」という題名だったとか。静かの海の主人公ユキナリ、その後の作品のヘタレな…の主人公とも作家さんが通じているような気がします。※筏田さんのツイートアイコンはまんま眼鏡男子です。これらの主人公は皆「ヘタレ」です。

特に右の表紙が好みです。

感想はこちら。
(例によって、一般的な感想文ではありません。あたしの感覚と感情です)
【静かの海(上)】
読み終え、静かな余韻。裏書で小学生が大学生に「淡い恋心」的な内容が紹介されているのを見て、期待しなかった。しかし読み始めから引き込まれる。す~っと入ってくるのだ。う、うまい。筏田さんは「気に恋する…」が有名過ぎるけど、君に恋する…はおもしろい。ハラハラするし、泣けるし、感動するが、高校生のいじらしい恋が描かれたラノベ感は抜け出ない。こちらは主人公のマサキ(女の子)の感情がみずみずしく描かれ、行成の純真さ女の子との関係が自然に心に入ってくる。私は名作だと感じている。行成はマサキを男の子だと思っているのだが、行成に新しく出来た恋人はマサキをどう見ているのか。後半に続く。

【静かの海(下)】
主人公の女の子が青年に語り掛ける「ユキナリ…」の声が聴こえてきた。そんな心地よい小説。「上巻」を読むときもあまり期待していなかったが、自分の死への旅立ちのベットではこの本を抱えて死んでいきたい。そんな思いも抱くほど気に入った。挿絵も最高。筏田さんは高校生の時に、この作品の構成、執筆も終わっていたとか? この瑞々しさは多感な時期だからのものだろう。挿絵からもマサキ(主人公の女の子)のはじける笑顔、この子を見守る行成の姿、二人の関係が良く表れている。秀悦な挿絵だ。これを書いている途中でも涙が滲んでくる。是非続編が読みたい。筏さんにこの気持ちが届きますように。

設定でユキナリは12歳上なので、マサキが18で、ユキナリ30歳、ギリギリありか。なぁ~んて思っているんですけど、ロリコンではありませんよ。
作家さんはしりませんがね。

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