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メインストーリー31 フローダスト地方(第5章「青い花」)6 平和な世界とは

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一行が辿り着いた先には、大規模な研究施設があった。停泊している輝竜艇の存在から、ガルダ国が関わっているのは間違いない。
施設内では青い花が栽培されており、漂ってくる香りはアンテージュの花のものであるとローラは言った。
そして、施設内にアグリネス村の住人の姿を認め、安堵するローラ。
一行は警戒しながらも、施設への潜入を試みる。



ルミナス
「潜入できたもの。。。警備が手薄過ぎて、逆に心配になるね。」

サーシャ
「そうだな。これだけの辺境の地だから、警備をする必要が無いのかもな。」

ルミナス
「ローラ。奥に咲いている《あの花》はアグリネス村の花かな?」

(研究所の奥に青い花が咲いている)

ローラ
「この香りに、あの形。色は違うけれど《アンテ―ジュ》に間違いないよっ。」

サーシャ
「これが、こんなものがあるから、多くの悲しみを生んでしまう。」

サーシャ
「焼き払ってしまおう!」

ローラ
「!?」

(ローラが誰かを見つけて走り出す)

ローラ
「モルネおばさんっ!!私だよっ。ローラだよっ!!」

(目は虚ろで、ローラの制止も気にせず、歩みを止めない。目の前にいるローラにも気付いていないようだ)

ローラ
「モルネおばさん・・・」

ルミナス
「ローラ。ちょっと待って!顔に浮かび上がっている、このアザ・・・」

ルミナス
「禁術だわ。」

ルミナス
「古の禁術。。。相手を意のままに操る事ができる禁術魔法。」

ローラ
「!?ルミナスさんっ!!治せないのっ?」

ルミナス
「試してみるけど、、、このアザの濃さからいって、かなりの歳月が経ってる。もう数年以上。。。」

ルミナス
「ここまで時間が経過していると、、、」

村長
「やめてくれっ!!」

ローラ
「!?リルじいっ!!」

村長(リル)
「ローラか。生きていたのか。良かった・・・アリシアも元気にしているか?」

ローラ
「二人とも元気だよっ!」

ローラ
「みんなは?村人のみんなは元気なのっ??」

村長(リル)
「あぁ、みな生きておる。わし以外は、皆、ああいった状態じゃがな。」

サーシャ
「・・・私たちは貴方を救うためにやってきました。一緒に逃げましょう!!」

村長(リル)
「やめてくれ。」

ローラ
「どうしたの?何があったの?」

村長(リル)
「ローラ、アリシアには悪いことをしたと思っているが、ああするしか無かったのじゃ。」

(少しずつ記憶を手繰るように、村長はゆっくりと昔の事を話し出した)

村長(リル)
「裕福ではないが、みな何不自由無く、幸せに暮らしていた。」

村長(リル)
「しかし、そんな村に原因不明の疫病が流行っての・・・子供たちに悟られないように過ごしておったが、死人も出始めた。」

村長(リル)
「隠すことにも限界があった。。。」

村長(リル)
「そんなある日、一人の女性が村に訪れ、その病を治してくれたのじゃ。」

村長(リル)
「我々はその彼女に救われたのだ。」

村長(リル)
「その女性は我々にこう告げた。「この病の元凶はグランという魔石を手にした二人の少女・・・」だと。」

村長(リル)
「「村の事を考えるなら、二人を殺して、その魔石を封印するべき・・・」だと。」

村長(リル)
「彼女の事を信じていたが、そんな事は我々には出来なかった・・・」

村長(リル)
「お前たち二人を村の洞穴にかくまって、二人は逃げ出したと彼女に伝えたのだ。」

村長(リル)
「その数日後、また疫病が広まっての。。。みな倒れていった。」

村長(リル)
「村人たちともよく話し合った。何が正しかったのかと。。。でも、誰一人としてお前たちを恨んでなどいなかった。」

村長(リル)
「これで良かったのだと。。。これが定だったのだと。。。」

村長(リル)
「そんなとき、彼女から再び話があっての。」

村長(リル)
「この病を二度治すことはできないが、禁術を使えば、もしかしたら命だけは救えるかもしれないと。」

村長(リル)
「わし以外の村人の全てが疫病にかかり、村長であるわしは、、、その禁術にかけるしかなかったのじゃ。」

(杖に両手をのせ、ゆっくりと顔を上げた)

村長(リル)
「でも、良かった。。。ローラ、アリシア。お前たちが生きていると聞いて救われた。みなも救われたと思う。」

ローラ
「リルじい・・・」

村長(リル)
「我々はこれでも幸せなのだよ。」

村長(リル)
「疫病によって村は失ったが、我々は生きている。皆で一緒に居られれば、それで幸せなんじゃよ。」

サーシャ
「違うっ!!そんなものは幸せではないっ!!貴方は良いように操られているのだ。」

村長(リル)
「そこの者、止めてくれんかの。。。我々はこれで良いのじゃ・・・」

(そう告げると、モルネおばさんと共に、奥の部屋に去っていった)

サーシャ
「・・・」

ヘルバード
「ハッハッハッ!!愉快、愉快!」

サーシャ
「ヘルバードっ!」

ヘルバード
「こんな辺境の地までよく来たな。」

サーシャ
「ヘルバードぉぉぉ!!お前たちがこの花を使って堕竜化の薬を作っている事は知っている!!」

ヘルバード
「ほお。良く調べたな。。。それは、認めようではないか。そして、それを知ってどうする?サーシャよ。」

サーシャ
「お前たちを倒し、この忌まわしき研究施設、村人たちを苦しめるこの花を一掃してやるっ!!」

ヘルバード
「さっきの村長の話を聞いていたのか?それで村人たちは救われるのか?村人たちはここで花を栽培することが生・き・が・い なのだよ。」

ルミナス
「よくそんな事を平気で言えるっ!!」

ルミナス
「あなたを、あなたたちを許さないっ!!」

ヘルバード
「黙れっ!!」

ヘルバード
「幸せとはなんだ!お前たちの正義とはなんだっ!!」

サーシャ
「なにっ!お前が正義を語るなでない!!こんな行いが許されると思っているのかっ!!」

ヘルバード
「黙れっ!黙れっ!!」

ヘルバード
「幸せとはなんだと、と聞いている。この世界の平和とはなんだ?」

ヘルバード
「三国に分裂して数百年が経ったこのグランディール時代に、平和は訪れたのか?」

ヘルバード
「ずっと、戦争が続き、多くの血が今も流れているではないか。」

ヘルバード
「真の平和は三国などでは成り立たない!我々ガルダ国が統一し、真に平和な世界を作る。」

ヘルバード
「その為にも、圧倒的な力が必要なのだ。」

ヘルバード
「村人たちは、その真に平和な世界を作るために、自分たちがやれる事をやっているのだ。」

ヘルバード
「幸せなのだよ。」

ローラ
「・・・」

ドンッ!!ドドドドドンッ!!(外で爆撃音が鳴り響く)

ヘルバード
「我々の部隊がお前たちの輝竜艇を見つけたようだな。サーシャよ。早く戻らないと仲間たちが危ないぞ。」

サーシャ
「くっ!!」

ローラ
「行こう・・・」

ルミナス
「・・・サーシャ姉、ここは一旦退こう。」

サーシャ
「・・・分かった」


ビーーービーーーーービーーーーーーー(警報音が鳴り響く)

ルミナス
「弾幕を展開しながら、艦を180度反転!!急いでっ!!」

フェアリス
「おいおい?どうなってるの!村人たちは救えたの?」

ルミナス
「・・・後で話すね。。。一旦ここは退きましょう!!」

サーシャ
「真の平和・・・か。」

サーシャ
「青い花の色は、村人たちの悲しみの色だと思いたいな。」

ルミナス
「・・・そうだね。」

ルミナス
「私たちが目指す真の平和のためにも、あの人たちも必ず救い出し、誰もが本当に幸せだと思える世界にしよう。」

ルミナス
「それが私たち、主人公の使命だから。」



青い花の色は村人たちの悲しみの色だと思いたい……という発言は、禁術で操られている村人たちは決して幸せなんかではないという含み……ですかね。
今回の話は、ラスドラのサービスが始まってから一年近く経過しているので、ヘルバードやガルダ軍との因縁が絡む話も、カームバルグ地方の頃から大分進んでいます。
この話が終わってからのおよそ一年間のイベントが、ガルダ国との決着がつくまでのストーリーとなっており、アンテージュの成分を利用した堕竜化を行っていた研究の目的も、明らかになっていきます。

圧倒的な強国による世界支配が平和の為に必要である……という、ヘルバードの考えが語られていますが、
何者かの手によって家族を失っているというヘルバードの過去に起因しているかも?
以前も引用しましたが、その件に関連するヘルバードのユニット説明がこちら。


なお、「何者か」の正体は、不明のまま……。
ヘルバードの復刻LRはラスドラが終了する前年に実装されていますが、ラスドラのサービスが続いていれば、この辺の掘り下げもあったのかもしれませんね。


また、前章に引き続き、「相手を意のままに操る禁術魔法」の存在が出てきています。
顔に表れているアザで禁術の影響を判別でき、歳月によりその濃さが増していくことも明らかになっており、禁術に関する知識も深まっている模様。

そして、その術をアグリネス村にもたらした謎の女性の存在。
こちらも正体は明かされていません。

ただ、ガルダ国には「創造魔術機関コード零」と呼ばれる組織が存在し、アンテージュを利用した、兵器としてのドラゴンの開発もそこで行われていました。
あるいはその組織の関係者が関わっている可能性が高い……とも、考えられます。
作中で直接登場した、その組織の一員は、参謀長のル・ヴァリアント、局長のジェリス。更には創造魔術機関を結成した張本人であり、国政の全権を与えられていた謎の人物についての言及もあります。


この人物の正体に関しては、後のストーリーで判明しており、過去世界にも直接干渉するほどの力を有していました。
メインストーリーが途中で終わってしまっているので、確証はありませんが、「創造魔術機関」がアグリネス村の一件に直接関わっている可能性は高いと言えそうですね。


今回の章で、ラスドラのメインストーリーは最後となります。
(イベントストーリーが本編になっていることもあり、メインストーリーの続きを更新するのも難しくなっていたのかもしせませんね……)

今後の方針は、約七年分のイベントストーリーの解説などを続けていく予定です。
「青い花」よりも後の話は二年目以降になるので、暫くは今回の章よりも前の話が続いていきます。

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