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VUCAの時代を生き抜く監査の方法とは?


はじめに

皆さんこんにちは!内部監査監査チームの金田です。
REAPRAという事業投資会社(https://jp.reapra.com/)でインターン生として働いています。

現在内部監査チームでは、私たちが目指す『共創する内部監査』の概念を皆さんに知っていただくために、発信に力を入れています。

今回は、新しい監査の形である【アジャイル型監査】について発信できればと思います!


アジャイル型監査とは

昨今、コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、リモートワークを継続している企業も多くなっています。そのため、従来のように同じ場所で監査チームが協働することができなくなったり、渡航あるいは出張が制限されるためリモートでの監査を行ったりする事例が増えているのが現状です。

しかし、現在は必ずしも物理的に同じ場所にいなくても、コラボレーションツールなどを活用して効率的に協働することが可能です。ツールとの組み合わせにより、リモート環境下であってもより付加価値のある内部監査を短時間で行う手法として「アジャイル型監査」が有効であると私たちは考えています。

アジャイル型監査とは、小さくてコンパクトなチームで、小さなPDCAを繰り返しながら内部監査を進める手法です。
アジャイル型監査は以下の手順で行われます。
①迅速な計画策定プロセスおよび作業の優先順位をつける

②特定の目標を達成するために、監査機関や監査対象などに合った「スプリント」を設定する
スプリントとは、工程の反復単位で、一定の作業を完了させるための短く区切られた期間(2週間又は4週間)のことです。

③進捗状況の確認や新たな問題に対する解決策のブレーンストーミングを行うためにチーム全体で頻繁にミーティングを実施しながら、スプリントの手順を進める

スプリントごとに以下の(1)~(5)の手順を繰り返します。
(1)スプリントプランニングMTG:各スプリント開始時に行われるMTG
(2)デイリーMTG:毎日行われる15~30分間のMTG(デイリースプリント、デイリースクラム、デイリースタンドアップとも)
(3)スプリントレビュー:各スプリントの終わりに開催されるMTGで、監査人と監査対象先が出席し、進捗状況(発見事項と未済事項)を説明する
(4)スプリントレトロスペクティブ:監査チームメンバー及び監査対象先の代表者が出席し、何が完了し、何が次のスプリントで改善のために取り組まれるべきかを議論する
(5)バックログリファインメント(又はバックロググルーミング):監査チームメンバー及び監査対象先の代表者が出席し、次のスプリントで取り組む最優先事項を決定する

④上記で達成した成果について、チームで振り返りを行ったうえで、次の活動のスプリントを計画する

このようにアジャイル型監査ではm集中的に監査を実施することにより、より早く監査結果が提供でき、その先にある「改善」に早く着手できます!


アジャイル型は本当に有効なのか

アジャイル型監査は本当に有効なのでしょうか?
アジャイル型監査のメリット・デメリットについてお話しします。

まずメリットは以下の5点挙げられます。
①時間の節約(経験上、10~20パーセントの時間を節約)
②価値の低い作業を除外し、価値の高い監査業務に集中できる
③被監査部署は、監査プロセスの早い段階で非公式の保証を受けるため、早いタイミングで改善の機会を得られる
④ジュニアメンバーは、さまざまな監査の側面に接する機会が増えるため、より早い成長が期待できる
⑤監査チームは監査の過程で協働する機会が増えるため、人の異動があっても迅速に適応できるようになる

これらのメリットを感じるためには、協調的な進め方、簡易的な中間レポートによって、ステークホルダーの理解を得ることも必要です。変化を受け入れるマインドセットの変革も求められます。

次にデメリットは以下の5点考えられます。
①監査項目の絞り込みやステークホールダーの意見を取り入れていくと、監査人としての考えにバイアスがかかる可能性がある
②口頭による報告が多くなるため、重要な問題が組織の適切な階層に伝達されない可能性がある
③短い期間で監査を実施するために、被監査部門の拘束時間が集中して長くなる
④「アジャイル型の内部監査」の導入に対する周知、理解と承認が必要となる
⑤全体スケジュールが見えにくい

このようにアジャイル型監査にはメリット・デメリットがありますが、優先順位の高い業務から取り組めることで内部監査としてより会社の成長に貢献できるのではないかと私たちは考えています。


おわりに

今回は、アジャイル型監査について説明しました。
少しでも、『内部監査』についての理解が深まれば幸いです!

今後も、内部監査や私たちが目指す『共創する内部監査』についての発信を続けていきますので、是非フォローの方よろしくお願いいたします!


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