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読書感想文【もものかんづめ:さくらももこ】
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もものかんづめとは、ちびまる子ちゃんの生みの親である、さくらももこさん(以下:さくらさん)のエッセイ集である。この本では、筆者が過去に体験したことを面白おかしく表現していている。数年ぶりに本を読んだ私も、あっという間に読み切ってしまった。私はこの本を読んで、さくらさんの人となりに特に惹かれた。
文庫版の巻末には、さくらさんとお茶の水女子大の名誉教授で哲学者である土屋賢二さんの対談が記されている。この対談の中でさくらさんは、自身について「冷めているところがある」と語っていた。さくらさんは、年少の頃にお遊戯会で馬鹿らしくなって脱走したらしいが、その年齢で自分のことを客観的に捉えていたことは自分からしたら驚異である。私が小さい頃は、お遊戯会など全ての事柄に全力で取り組んでいた記憶しかなく、さくらさんが同時期にいたら、非常に子供っぽいと思われていたに違いない。
また、親に謝っても理解されないから謝らなかったというさくらさんのエピソードは、怒られたら何も考えずすぐ謝っていた自分からしたら、非常に印象に残った。さくらさんは幼い頃から、行動の主体は自分自身であり、自分の中にある指針に沿って行動している。言い換えれば、やりたいことはやるし、やりたくないことはやらないということである。このことは、すごく当たり前に覚えるかもしれないが、自分にとっては難しいことであると思う。なぜなら、私自身の行動の主体は相手にあるからである。例えば、怒られたら謝るという行動は、自分が申し訳ないと思ったから謝るという自分に沿った行動ではなく、もし謝らなかったら相手がさらに怒って面倒臭いことになるなぁという相手に沿った行動である。つまり、相手に合わせてやりたくないこともやるということだ。しかし、自分みたいな人は意外と多いのではないだろうか。自分の行動を相手に合わせてしまい、自分が本当にやりたいことを見出せず、その結果として、何者にもなれず社会に出る。実際、自分のやりたいことに注力したさくらさんは漫画という分野で大成し、社会においても「さくらももこ」という人物を確立している。そのような「さくらももこ」が周りに起こる出来事にどのように考え、立ち回ってきたのかが、この本には描かれている。
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