見出し画像

長男がすきな、「しくみ」の本の魅力



去年のクリスマスに、『きかいのしくみ図鑑』という本をもらった長男。


はじめこそ読まなかったが、だんだんおもしろさが分かって読みはじめ、いまやお気に入りの一冊となった。



傘や時計などの身近な道具、水や電気など生活でつかうもの、家電や自動車など、さまざまなものの「しくみ」を図解した本だ。
パカッとめくれるしかけ本でもあり、小さな子供から、内容は小中学生でも楽しめる。


長男のお気に入りは、「洗濯機と冷蔵庫のれきし」「自動車のれきし」。ほかにも「電気、水のしくみ」も好きなよう。



「洗濯機と冷蔵庫のれきし」は、これらの家電が登場したころから、現代の形に姿を変えるまでを、写真付きで説明しているページだ。

「洗濯板とたらい」というスタートから、我が家も愛用する「ドラム式洗濯機」に至るまで、いろいろな洗濯機が登場する。

「お母さんが小さい頃、家に脱水槽付きの洗濯機があった気がする」というと、「ほ~!」と感心してくれた。

一番古い冷蔵庫は、大きな氷を直に入れて冷やす方法のものだったそうだ。
「お母さんの小さい頃も、この氷を入れて冷やす冷蔵庫だった?」
「さすがにそれは見たことないわ笑」
なんて話もした。

『しかいのしくみ図鑑』より
「せんたくきとれいぞうこのれきし」の一部



「自動車のれきし」では、1769年に登場した、世界で初めての自動車「キュニョーの蒸気自動車」から始まり、現代の電気自動車までの歴史が写真付きで説明されている。

『きかいのしくみ図鑑』より
「じどう車のれきし」の一部


こんなふうに、「しくみ」や「れきし」がひも解いてある本がすっかり気にいった長男。

おなじような本はほかにもないだろうかと探してみると、福音館書店が毎月出している『月刊かがくのとも』シリーズに、似たような絵本をいくつか見つけた。


長男が気に入った一冊目は、百木一郎さく『すいどう』


地面から水が噴き出しているシーンから始まる一冊。
水道管の修理工事のようすから、浄水場のしくみ、また下水処理場のしくみまで、まさに「水」のすべての流れがこの一冊で分かる本だ。
巻末の折り込み付録には「すいどうめいろ」があって、長男は目を細めて取り組んでいた。


もう一冊は、小輪瀬護安さく『エスカレーターとエレベーター』


これまた細かい絵が魅力的な一冊。
主人公の少年とお母さんが、デパートで買い物をするシーンを追いながら、エレベーターとエスカレーターのしくみを分かりやすく解説してくれる。


『きかいのしくみ図鑑』にもエレベーターやエスカレーターの解説はあったが、長男は、こちらのほうが、ストーリー仕立てで読みやすいようだ。

もともとエスカレーター大好き人間の長男。
エスカレーターに何度も乗る謎の習性にますます拍車がかかりそうだ…。



それにしても。
こういう「しくみ」の本は、読んでいる大人もいっしょになって楽しめるのがいいところ。

長男は「なんで?」「どうして?」を連発するタイプだ。
「しくみ」の本は、そんな長男の「なんで?」「どうして?」といった知的好奇心を満たすのにぴったりだった。

それに、読んで「しくみ」が分かると、ふだん何気なく使っている道具への見方も変わってくる。

『きかいのしくみ図鑑』に、「トイレのしくみ」が載っているのだが、長男はそれを読んで以降、トイレに行くたびに、ずーーっとタンクや便座のしくみについて喋っている…。笑


こんなふうに、日常生活によりそったことが分かるのも魅力だ。
実際に読んで分かったことを、自分で調べることができるのだから。

たとえば、『すいどう』の本には、マンホールを開け、水道の元栓と水道メーターを確認する場面が出てくる。
長男も、読んだあとには、玄関先のマンホールを開けて、水道の元栓や水道メーターがあるかをいっしょにたしかめた。

こんなふうに、絵本の世界と現実の世界がつながる瞬間、「ほんとだ!」「なるほどね!」となるのが楽しいのだ。
『分かる』ってこういうことか、と長男の顔を見てうれしくなる。



もちろん、すべての本がヒットするわけではないのだが。
長男の知りたい!という気持ちにこたえられる「しくみ」の本。
まだまだ探している。

「なんで?」「どうして?」から出発した知的好奇心が、「なるほど!」「わかった!」に変わる体験を、親子でいっしょに楽しみたいとおもう。

この記事が参加している募集

#読書感想文

189,937件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?