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「受け身」で過ごすと、何も浮かばない。


最近、0時近くまで寝られないとき、YouTubeのショート動画を見る癖がついた。


これが、すこぶる、よくない。

まるで興味のない情報が、次々とすごいスピードで流れていく。
暗い布団の中で、ただ光るだけの画面を見続ける作業は、思考を停止させるのに、目はらんらんと開く。

あっという間に時間が経つので、あわてて寝なきゃと電源を切るが。
先ほど、目の前を流れていった情報が脳裏に浮かんでは消え浮かんでは消えるので、ますます寝られない。
そしてまた、開いてしまう。

この繰り返し。



ここ数日は、どこで押してしまったのか、漫画「チェーンソーマン」の考察動画と、大谷翔平選手のエピソードと、お笑い芸人のエピソードがぐるぐる巡っている。

ろくに読んだことのない「チェーンソーマン」に詳しくなり、まるで興味のない野球のスター大谷選手に詳しくなり、テレビも見ないのに芸人に詳しくなった。
あと、なぞの海外のドラマ風の動画も出てきて、その人たちは夢にも出てくる。




動画を見た後に思うのは、本を読んだときのように「書きたい」ことが何も浮かんでこない、ということだ。


本を読んでいると、大体途中で「そういえばわたしも‥」とか、「あの別の本にも‥」などと、考えが次々浮かんでくる。
そしてそれを整理するために、ノートやnoteに「書きたい」と強く思う。

でも、YouTubeでダラダラと動画を見ているときは。何も浮かばない。
見終わっても、なんの感想も抱かない。

大谷翔平選手について掘り下げる気にもならないし、チェーンソーマンの考察を自分で展開しようとも思わない。

だってそれはもう、動画で見たから。




動画の中では、すでに結論が出てしまっていて、わたしが入る隙間なんてない。
わたし自身のこととつなげて、さらに考えを深める点がない。

わたしは、「受け身」で動画を見ている。
少なくとも、寝る前のショート動画の垂れ流しはそうだ。
だから、「書きたい」につながらないのだ。



そう思うと、見ていた時間がなんだか惜しい。
その時間、読んだり、書いたり、あるいは本当に見たかった動画や映画をみたりすれば、もっと有意義に過ごせたのに。

寝るかどうかも決めないで、ぼーっとどうでもいい動画を流すくらいなら、起き上がってパソコンでも開いた方がいっそいい。


でも、できないのだ。
つい見てしまうのだ。
抗うパワーが湧いてこない。
だから、動画は怖い。


でもでも、と思う。
ショート動画の垂れ流しは悪!みたいに書いたけど。
何も考えずに、ぼーっとどうでもいい動画を眺める時間も必要だ、とも感じている。

わたしはぼーっとするのが苦手なので、そうやって布団に入ってしまって、他のことをできなくしてしまえば、あとはもう、ぼーっとするしかない。

それくらいでも、いいのかもしれない。
わたしはすぐに、「有意義に」とか「有効に」とから言いそうになる。
人生無駄なことをしているときこそ、心にゆとりがあって、伸びやかなのに。



でもまあ。チェーンソーマンと大谷選手と芸人エピソードのループは卒業して、べつのショートを眺めようかな。

寝る前の暗い部屋で見るのは、やっぱりよくないんだけどね。

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