ひさしぶりに、夫と「新婚旅行」をふりかえってみて
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新婚旅行は、北海道だった。
せっかくなので海外に行くことも考えたが、私たち夫婦は、「なるべく人とかかわらず、安全に、のんびりと旅行したい」という願望があったので、日本にとどまった。
海外に行くと、どうしても外国語でコミュニケーションをとることを求められる。
安全面にも気を配らなければいけない。
そういうことに疲れやすい私たち、特に夫。
新婚旅行先を海外にするのは、たぶん向いていないとおもった。
そこで、かねてから私が行きたかった「北海道」を、のんびり車でまわる旅にしよう、と決めた。
仕事と結婚式の準備で、手一杯だった私たち。
プラン、旅行会社にお任せした。
私がどうしても行ってみたかった「星野リゾートトマム」だけ入れてもらって、あとは4泊5日の内容はほぼ丸投げ。
気楽でいい。
さて。
当日の天気は雨。
なんと北海道に、台風がかすめる超悪天候。
だが、飛行機は飛ぶ。
それなら行こう!
朝4:30、車で空港へ向かった。
初めて二人で飛行機に乗り、北海道の「旭川空港」へ降り立つ。
ここから、4泊5日の新婚旅行が始まった。
・【1日目】旭川空港~旭山動物園〜美瑛〜富良野
旭川空港に到着して、外に出ると、曇天。
すぐに、折り畳み傘を取り出す。
天候の女神様は、私たち夫婦の新婚旅行を晴れ晴れしく祝福してはくれなかった。
だが、移動はほとんどレンタカー。
雨など関係ない。
わたしたちは早速、近くで適当に「味噌ラーメン」を食べて、「旭山動物園」に向かった。
「旭山動物園」は、旅行期間中いちばんの大雨となった。
相合傘で園内を歩くも、ザーッという雨音で会話もままならない。
早々に、リタイア。
よって、動物の写真は一枚もない。
帰り際に雨がやんで、ソフトクリームを買う夫。
夫は普段から、ソフトクリームが大好き。
北海道は絶対美味しいはずだと、20個食べる宣言をした。
その後、移動して「美瑛」へ来るも、雨は止まず。
車の中から、びっしょびしょの景色を眺めてすぐ移動した。
ようやくすこし雨脚がおさまったので、「なかふらのフラワーパーク」を散歩。
「美瑛」と「富良野」の間にあったんだったか、「ジェットコースター路」を通って、富良野の宿泊先に向かう。
そして本日の宿、「新富良野プリンスホテル」へ到着。
一日目はとんだ悪天候だったが、景色を眺めるだけでも、十分楽しめた。
なにより「新婚旅行」という非日常の旅に、私たちはウキウキしていた。
これぞ、新婚。
二人でいれば、どこでも楽しい。
◇◇◇
・【2日目】十勝千年の森セグウェイ体験〜星野リゾートトマム
二日目は、「十勝千年の森」でセグウェイに乗って遊んだ。
なんでセグウェイに乗ることになったのか、ふたりとも全く覚えていない。
でも、すっごく楽しかった。
コースをぐるぐるするだけの小規模な体験だったが、わたしは旅行一テンションが上がった。
夫がどう楽しんでいたかは、全く見ていない。
園内を周遊する本格的な体験コースもあるようなので、興味がある人はやってみてほしい。
ずらずら~っとセグウェイが並んでいく様は異様だったが、正直うらやましかった。
そのあとは、園内を散策。
かわいいヤギさんを愛でたり、大自然の写真を撮ったりしながのんびり過ごす。
この日は天候もマシで、傘も必要なく歩き回ることができた。
そして、いよいよ「星野リゾートトマム」に向かう。
到着は夕方になるが、翌日も丸一日トマムで過ごすことになっている。
到着してからは予定も入れず、のんびりホテル周りを歩き回ったり、部屋でくつろいだりした。
今更だが、さすが北海道。
ご飯が、とてもおいしい。
「星野リゾートトマム」では、バイキングで色んな食材を味わっては「おいしいね!」と言い合った覚えがある。
でも、いい感じの写真がない。
バイキングの写真って、全然おいしそうに撮れないので厄介だ。
部屋は、新婚旅行ということで、最上階のリッチな部屋にしてもらった。
部屋には螺旋階段がついていて、大きなお風呂もついている。
ただ、夫は高所恐怖症。
37階の窓から見える景色に、「たまがヒュンってする」と腰を引いていた。
◇◇◇
・【3日目】丸一日トマムを満喫
4時。
この日は、まだ暗い時間に起床した。
朝から、任務があるのだ。
それは、「雲海テラス」で雲海を見ること。
悪天候なので、まあ見られないだろうとは思いつつ。
せっかく来たので行きたいと訴えると、夫はしぶしぶついてきてくれた。
朝に弱く、高いところも苦手な夫。
彼にとっては、何のメリットもない体験だ。
暗い中、ゴンドラに乗って、レッツ「雲海テラス」。
ゴンドラの中、夫は無言で一点を見つめてじっと座っていた。
( ˙-˙ )夫。
テラスに到着するも、やはり霧の中。
雲海は見えそうになかった。
崖の上から下を見下ろせる大きな橋には、さすがに夫もついてこない。
仕方なく、ひとりウロウロと周囲を楽しむ。
夫は、何にもない岩場の端っこで、じっとたたずんでいた。
結局雲海は見えなかったので、ゴンドラで降りて、朝ごはんである。
やっぱりおいしい朝ごはん。
たらふく頂いて、ホテル敷地内のプールへ向かった。
バスで移動するほど、敷地内は広い。
波が来るプールで、浮き輪をつけてしばし遊ぶも、夫が波酔い。
それでも、プールサイドでぐだぐだしながら、数時間はのんびり遊んだ。
結局、それ以外のアクティビティは悪天候で中止だったりして、なにもできなかった。
このあたりから、二人とも疲れはじめていた。
普段からインドアで、体力のない我々。
旅の中盤で、体力ゲージが半分を切ってしまった。
旅はまだ長い。部屋で休もう。
結局その日はゆっくり昼寝をして、夕方再びバイキングへ向かった。
バイキングでは、嬉しい出来事があった。
スタッフの方が「今日はご旅行ですか?」と声をかけてくださったので、「新婚旅行なんですよ~」と何気なく伝える。
すると、「えっ!?」と声をあげ、インカムで何かを話したかと思うと。
「あちらへどうぞ」。
なんと、人気のない特別な席に移動させてくださり、サービスでお祝いのデザートプレートまでプレゼントしてくださったのだ。
「簡単なものになりますが」とおっしゃったが、そんなことより、優しい心遣いに嬉しくなる。
「ここに来れて良かったね」と、静かな席でゆっくり会話を楽しんだ。
暗くなってからは、ホテル内の中庭でコンサートが開かれるというので、ワイン片手に鑑賞に向かう。
ステージを囲んで用意されている椅子に座り、ドリンクやおつまみを頂きながらの鑑賞。
気持ちいい夜風もあって、最高にリッチな気分だった。
いくつか焚火が置いてあって、子どもたちがマシュマロを焼いていた。
特別な夜。
念願の「星野リゾートトマム」は、やっぱり素晴らしいホテルだった。
◇◇◇
・【4日目】小樽〜札幌〜定山渓温泉
さて、翌日は再び悪天候。
土砂降りの中の移動である。
車で小樽に向かって走る。
正直、なぜ小樽へ行ったのか思い出せない。
観光客が多かった記憶がある。
ウロウロしたものの、どこかへ寄った写真もない。
疲れすぎである。
昼食だけは写真があった。
なんのお店かわからないけど、天ぷらと海鮮丼とお寿司のセット。
なんなら夫は、このご飯を食べた記憶が丸ごとないと話していた。
しかし私の方も、記憶喪失。
夫は小樽で、美しい木のコップを買ったそうなのだが、私はその記憶が丸ごとない。
しかもそのコップは、私が食洗機にかけてしまったせいで、ぐにょんと歪み、捨ててしまった。
悲しい、小樽の思い出である。
この日は本当に天気が悪く、早々にホテルへ。
到着した「定山渓ビューホテル」は、付近の川が濁流で溢れかえっていた。
ここでもまた、新婚旅行ということで、一番良いお部屋に通してもらった。
何個部屋があるのかというくらい、広くて荘厳な部屋。
たった2人なのに、あちこちにソファーがあり、座敷もあり、寝室もある。
煌びやかな装飾がおもしろくて、色んなところで写真を撮って遊んだ。
夜はバイキングを楽しんで爆睡。
いよいよ明日で、旅は終わりを迎える。
◇◇◇
・【5日目】クラーク博士像〜白い恋人パーク〜新千歳空港
最終日は、雨も無事止み、青空も見える中での旅となった。
観光らしく、「さっぽろ羊ヶ丘展望台」へ向かい、「クラーク博士像」と写真を撮る。
咲き誇るひまわりを眺めながら、ぶらぶらと歩き回る。
ここでも、ソフトクリームを食べる夫。
ホテルでも食べていたし、途中コンビニなどにも寄っては食べていた。
そのあとは、北海道らしく「白い恋人パーク」に行ってみる。
有名なお菓子の工場見学。
工場ぽくなく、人も多くて、スタッフもかなり手慣れたかんじだった。
ベルトコンベアで流れていく「白い恋人」を眺め、当然お土産も買う。案外おもしろくて、「観光してるっぽいね~」と中身のない感想を楽しんだ。
さて、楽しい旅も終わりである。
車を走らせ、「新千歳空港」にむかう。
最後の腹ごしらえに、「スープカレー」を食べてみたいとおもい、空港内のレストランで食べてみる。
わたしはとっても気に入ったが、夫は「カレーなのかスープなのかはっきりしてほしい」と言っていた。
「スープカレー」なんだから、どっちもなんじゃないのだろうか。
いや、わからない。
適当なことは言えない。
時間があるので、「ルタオ」のカフェで、おいしそうなスイーツも食べ、空港内をぶらぶらする。
夕方18時。いよいよ、飛行機は出発。
私たち夫婦の、一番長い旅は無事、終わりを迎えることができた。
◇◇◇
・新婚旅行を夫とふりかえってみて
この記事を書くにあたって、ひさしぶりに、夫と写真をふりかえってみると、まあまったく記憶がなくて、おどろいた。
どこで何をしたのか、なぜここに行ったのか、この写真は、何なのか。
ぜんぜん覚えていない。
新婚旅行なのに。
でも、当然だ。
7年の前の旅行で、しかも日記などの記録に残していない。
そりゃあ、記憶も薄れるはずである。
夫と会話していても、互いが全く覚えていないエピソードがでてきたりして笑えたが、同時に私は、「ちょっともったいないな」とも思った。
夫とは、結婚する前から子どもが生まれるまで、いろんな場所に旅行した。
ものすごい特別な場所へ行ったわけではない。でも、どの旅行も「いい思い出」だし、写真もたくさん残っている。
でも、「記録」に残してはいない。
写真だって、ただ携帯に入れっぱなしだ。
このままだと、いつかこの「いい思い出」たちも、忘れ去られていくと思うと、すこし寂しい。
それなら、「note」に書こうとおもう。
今回はじめて旅行記を書いたが、せっかくなので、これまでの旅行も、そしてこれからの旅行もすべて、「note」宝箱にしまわせてもらおう。
そして夫とは、あらためて「旅行に行きたいね」と話した。
なにをするわけでもないけれど。
夫と二人なら、どこへ行っても、心おだやかに楽しめる気がする。
手をつないで、ゆっくり歩きたいねえ。
老人夫婦のような旅行プランを妄想しながら、新婚旅行の思い出話は終わった。
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