訳もわかっていないのに映画”君たちはどう生きるか”に感動した理由

(書き出しの挨拶、何を書けばいいのかわからないので割愛)
皆さん、君たちはどう生きるか、を観ただろうか。公開されて半年ほどが経ち、自分は公開当初に観に行ったにもかかわらず何がどうなのかわけもわからぬまま、感動だけしてしてしまい、この思いを文章化するのは不可能だな、と考えていた。しかし最近、監督である宮崎駿の映画作成を追ったNHK製作のプロフェッショナルをみて、ようやくその理由・背景がつかめたような気がしたので、どうだ書いてみようか、という気になった。というわけで、感動した理由を2つほどあげてまとめていこうと思う。

1.映画としての大枠のストーリーのすばらしさ
この映画、主人公の眞人が迷い込んだ謎の世界をメインの舞台として進行していくが、本当によくわからないシーンがたくさんある。若かりし頃のキリコ、13の積み木、謎の墓標(我を理解するもの死す?みたいな)等々、挙げていけばキリがない。しかし、ストーリー全体の流れとしては、主人公の眞人が異世界と現実世界のはざまで内省的に悩み、成長していくものとなっていて、観ていて非常に心を揺さぶられる。

2.宮崎駿の恐ろしさ・人生の普遍化
しかしこの映画をもっと素晴らしいものへと昇華させるのが、これら登場人物のほとんどにはモチーフのキャラがいて、この映画は宮崎駿の人生のメタファーのようなものであった、ということだ。老齢になり、さまざまなことを経験した宮崎駿は、自身のもっとも強大なライバルで仲間だった高畑勲を亡くし、どこか映画つくりに対する気力も、もう生きていく気力も感じられなくなるほどになっていた。しかし、この映画を作るにあたって彼自身がこれを高畑監督との決別の機会にする、と決め、迎えたエンディングというのはもう涙なしにはみれないものであった。彼自身の人生・死生観をアニメというフィルターを通して我々に普遍化して届けているからこそ、作品一つに没入感が生まれ、我々もそこへ入り込んでいける。そのような体験こそが、この映画が素晴らしい映画である要因なのではないか、と感じた。

まとめ
ストーリーとしての出来もさることながら、この映画が作られた背景がより話に説得性を与え、感動させるつくりにしていると考えた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?