大学生にもおすすめのつみたてNISA:学生が始める際のメリットとデメリットを詳細解説!
大学生でも気軽に始められて、資産形成ができるつみたてNISA。20歳前後の年齢でもスタートできるのか、いくらから投資信託への積み立てを行えばいいのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、つみたてNISAが大学生におすすめな理由をわかりやすく解説します。つみたてNISAを大学生が始める際の条件や、実際に投資をする場合の注意点についても紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。大学生も利用可能!つみたてNISAの年齢条件と注意点
つみたてNISAは職業に関わらず利用可能ですが、利用するためには成人年齢に達している必要があります。特に大学生が利用する場合、年齢条件を確認することが重要です。
民法の改正により、2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられました。このため、つみたてNISAへの加入資格が年齢によって異なる場合があります。
2022年12月までには、2022年1月1日時点で20歳以上の人がつみたてNISAの口座を開設できました。しかし、2023年1月からは、口座開設年の1月1日に満18歳以上であれば、大学生もつみたてNISAを利用することができます。この年齢変更は、多くの大学生にとって、投資を始める絶好の機会を提供します。
大学生がつみたてNISAを始めるメリットは?
大学生がつみたてNISAを始めるメリットは、できるだけ早めに少額でも積み立てていくことで、長期的な資産形成ができることです。
つみたてNISAでは、少額から長期的に積み立てを行い、リスクを軽減しながら資産形成ができます。大学時代からコツコツ積み立てをしておけば、資産をより大きくする可能性を高められるのがポイントです。
また、つみたてNISAの非課税期間は最長で20年ですが、早く積み立てを始めたからといってデメリットはありません。
非課税期間の20年は、つみたてNISAを始めた時点からカウントするわけではなく、毎年積み立てた40万円の枠それぞれにつき20年間の非課税期間が付与されます。例えば、2022年に付与された非課税枠は、20年後の2042年まで非課税です。翌年の2023年に付与された非課税枠は、20年後の2043年まで非課税に。
つみたてNISAでの積み立てを早く始めても、非課税枠が減ってしまうわけではありません。むしろつみたてNISAを早く始めた分だけトータルで投資できる金額が増えるため、より大きく資産形成を狙うことが可能です。
大学生がつみたてNISAを始めるデメリットはある?
つみたてNISAには、大学生だからといって特別なデメリットはありません。大学生からつみたてNISAを始める際は、つみたてNISA自体のデメリットを押さえておきましょう。
まず、つみたてNISAには元本割れのリスクがあります。元本割れとは、相場の下落などで購入した金融商品の価値が積み立てた金額よりも少なくなってしまうことです。金融商品の価値は大きく下落するときもあります。特に運用期間が短いと、元本割れするリスクが高まってしまうのが特徴です。
つみたてNISAで投資できる銘柄は国が選んだ一定の投資信託なので、投資の初心者でもリスクが低い状態で運用できますが、100%利益が出ると保証されているものではないと理解しておきましょう。
また、つみたてNISAで毎年付与される40万円の非課税枠は、使い切れなかった分を翌年に持ち越して使うことはできません。例えば、今年20万円の積み立てを行うと、上限40万円-20万円=20万円の枠が残りますが、残った20万円は持ち越せず来年の上限は再び40万円になります。
つみたてNISAには上記のデメリットがありますが、以下のような対策を講じておけば、デメリットの影響を押さえることも十分可能です。
元本割れに対しては、複数の銘柄に分散して長期的な積み立てを行えば、リスクをコントロールできます。多くの銘柄に分けて投資しておけば、1つの金融商品が下落してもリスクを押さえることが可能です。
つみたてNISAを大学生が始める際は、つみたてNISA自体のメリットとデメリットをよく考慮してからスタートしましょう。
大学生には通常の投資よりつみたてNISAがおすすめ
続いて、大学生には通常の投資よりもつみたてNISAがおすすめな4つの理由を解説します。
初心者向けの商品が多く安全性が高い
つみたてNISAで購入できる金融商品には、一般の投資よりも安全性が高い投資信託が揃っているため、大学生のように投資の初心者でも損するリスクが低く始めやすいといえます。
つみたてNISAの金融商品は、国の定めた基準をクリアした投資信託に限られているのが特徴です。手数料が少なかったり、投資家に還元される分配金が少なかったりするなどの条件を満たし、長期的な積み立てができてリスクを分散できるのがメリット。
一般の投資のなかには、多くの利益が得られる可能性が高い代わりに、損失を出すリスクも高いものがあります。例えば、1日のなかで金融商品の売買を完結させるデイトレードは、利益を出し続けるのが難しく、継続できる人は約10%ともいわれているのが現状です。
一般的に、金融商品で得られる利益と損失を出すリスクは比例する傾向にあります。つみたてNISAの商品は短期的に大きな利益は得にくいものの、安全性が高くて長期的な資産形成を狙えるのが魅力です。
長期運用できるため投資リスクが下がる
つみたてNISAは最長20年間非課税で長期的に運用ができるので、損失のリスクを減らせます。
つみたてNISAは、事前に設定した金額の分だけ金融商品を毎月購入する仕組みです。金融商品が値下がりしたときは多くの数量を買い、反対に値上がりしたときは購入する量を抑えられます。
短期的には損をする取引でも、長期的には価格の変動が平均化され、本来期待できる利益を得やすくなるのがポイントです。
最長20年間非課税で運用できる点も、長期的な運用をサポートしてくれます。通常の株式や投資信託などで得た利益には、20.315%の税金がかかるのが難点です。
例えば、株式投資で30万円の利益が出た場合は、利益30万円×20.315%=6万945円が税金として引かれてしまいます。最終的には利益30万円-税金6万945円=23万9,055円しか利益が残りません。
一方で、つみたてNISAは利益が非課税になるため、同じく30万円の利益が出た場合は30万円全額が自分のものになります。つみたてNISAは長期的な運用をするのが前提の仕組みなので、投資リスクを軽減しながら利益を最大化できるといえるでしょう。
投資枠に上限があるため過剰な投資や損失を防げる
つみたてNISAで投資できるのは年間40万円までと決まっているため、大学生のうちから金銭感覚が狂ってしまったり、大きな損失を出したりする危険性がほとんどありません。
つみたてNISAは、少額を長期的に積み立てて、分散投資することでリスクを押さえられる制度です。金融機関によっては、100円からつみたてNISAを始められるところもあるため、大きな損失を防ぎながら資産形成が狙えます。
ほかの方法で大きな金額を投資していると、大損害を被る危険性も。例えば株式投資をしていた場合、自然災害の影響を受けて株価が大暴落してしまい、一夜で大損してしまう場合も考えられます。
お金や株を借りて自己資金以上の投資ができる信用取引を行っていれば、さらに損失が拡大することにもなりかねません。
所得の少ない場合が多い大学生でもリスクを押さえながら資産形成ができるのが、つみたてNISAの大きな利点といえます。
参考:NISA 制度の口座開設及び勧誘並びに販売時等における留意|日本証券業協会
利益が出ても親の扶養から外れる心配がない
つみたてNISAでどれだけ利益が出ても、親の扶養から外れる心配はありません。つみたてNISAで得た利益は非課税なので、確定申告の必要がなく、大学生本人の所得金額にも影響がないからです。
大学生が親の扶養家族になっていると親の課税所得が減るので、親自身が納める税金が少なくなるのがメリット。反対に、投資で得た利益の影響で大学生が親の扶養から外れてしまうと、親と大学生本人の税負担が増えてしまいます。
大学生が親の扶養から外れてしまうのは、大学生本人の合計所得金額が年間48万円を越えた場合です。確定申告は、税金を納めるために行う手続きを指します。通常の投資では、得た利益に対して20.315%の税金がかかるため、確定申告を行い納税することが必要です。
一方で、つみたてNISAは専用のNISA口座を使って投資を行うので、そもそも利益が非課税になります。非課税なので確定申告をする必要がなく、合計所得金額にも影響が出ないので、親の扶養から外れる心配もありません。
大学生がつみたてNISAを運用するときのポイント
大学生がつみたてNISAを運用するときに重要な、4つのポイントも確認しておきましょう。
無理せず続けられる金額でスタートしよう
つみたてNISAは、設定した金額を毎月積み立てるシステムなので、負担なく払い続けられる金額でスタートしましょう。つみたてNISAを行う証券会社や銀行などの金融機関によっては100円から投資できるところもあるので、少額から積み立てができます。
余剰金のすべてをつみたてNISAでの投資に回さず、貯金をしておくことも大切です。余ったお金をすべて投資してしまうと、突発的な出費が発生したときにつみたてNISAで積み立てた分を取り崩すことになる場合も。
貯金がまったくない人は、無理してつみたてNISAを始めるまえに、緊急時に対応できるだけの貯金を用意しておきましょう。自分の生活にかかっている費用を計算し、数か月程度は問題なく生活ができるくらいの貯金があると安心です。
貯金ができたら、月々の家計から余裕を持って投資できる金額を積み立てていきましょう。つみたてNISAで投資できるのは年間40万円までなので、月額の上限は40万円÷12か月=3万3,333円です。
つみたてNISAを行う金融機関によっては、月額の積み立ての上限額が3万3,333円以下のところもあります。設定された枠内で、負担のない金額を積み立てていきましょう。
銘柄を頻繁に変更しない
つみたてNISAでの投資は、少額を長期的に積み立てることでリスクの分散を狙うため、投資信託の値動きがあっても頻繁に銘柄を変更するのはおすすめしません。
直近で値下がりした銘柄でも、長期的に保有すれば元本割れのリスクを回避できる可能性が高まります。短期的な値動きも長期的に見ると平均化され、期待していた利益が得やすくなるのがポイントです。
金融庁の調査では、金融商品の保有期間が5年以下だった場合と20年だった場合とで実績を比較すると、5年以下だと元本割れしたケースがあったものの、20年間運用を続けると年率2~6%を達成したケースが多数出ています。
つみたてNISAでは、途中で保有している銘柄を売ってしまうと長期保有で狙える効果が薄れてしまうため、できるだけ一度購入した銘柄は継続して積み立てていきましょう。
値下がりしてもすぐに売らず長期的な目線を持つ
つみたてNISAで購入した金融商品が値下がりしたからといって、すぐに売ることもおすすめしません。
つみたてNISAで購入できる金融商品は、国が定めた基準をクリアした一定の投資信託に限られています。安全性は高いものの、投資である以上確実に利益が出るわけではありません。
毎月一定額を積み立てていれば、相場が暴落して保有している金融商品の価値が下がってしまうこともあります。2000年のITバブル崩壊や、2008年のリーマンショックなどが代表例です。
ただし、上記の出来事で暴落した相場は時間の経過とともに回復し、暴落まえの価格を超えて値上がりしています。相場が急激に変動しても焦って売らずに、長期的な視野で積み立てを継続することが大切です。
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