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性犯罪の抑止としてのホルモン療法

愛とは、進化における暴力のスピンアウトではないかという話がある。哺乳類になって暴力の持つ攻撃性が性愛におけるアグレッシブさに転換されたんじゃないかという仮説だ。

これが本当かどうかは分からないが、性愛は暴力性という一面があるから扱いが難しい。とりわけ性犯罪に対して社会はどう向き合えばよいものだろうか。

今回取り上げる論文は、性犯罪の抑止方法としてのホルモン療法について論じた総説論文。

The role of testosterone in sexuality and paraphilia—A neurobiological approach. Part II: Testosterone and sexuality
セクシュアリティとパラフィリアにおけるテストステロンの役割—神経生物学的アプローチ。パート II:テストステロンとセクシュアリティ

性犯罪には性ホルモンが関係しており、とりわけ男性ホルモン、テストステロンの関与が疑われている。それゆえ、性犯罪者に性ホルモン抑制療法が行われることがあるが、その効果についていくつかの知見が述べられている。

残念ながら、性ホルモンの性犯罪抑制効果を検証した研究は、実験デザインの厳密性にかけ信頼性が薄いこと、しかしながら性犯罪抑制効果の可能性については否定はできないとのこと。

Q: 戦争で性犯罪が増えるのは、テストステロンが関係しているのだろうか?

明日目を通す論文:
若年期のトラウマ、サイコパス、および退役軍人の衝動的攻撃問題に対するテストステロンとコルチゾールの比率の予測値
The predictive value of early-life trauma, psychopathy, and the testosterone–cortisol ratio for impulsive aggression problems in veterans

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