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ドメスティック・バイオレンスを防ぐ要因としての遅い生活史戦略

近親者間暴力、対人攻撃性、および生活史戦略

Intimate partner violence, interpersonal aggression, and life history strategy.

最近聞き知った言葉に生活史戦略というものがある。

これは速く生きるか遅く生きるかという生きるための基本戦略のようなもので、

速く生きる人は明日死ぬかもしれない意識のもとに、短期的な関係を異性と結び子孫をどんどん残す戦略で生きる。

遅く生きる人は明日も来年も10年後も生きるという意識のもとに、長期的な関係を異性と結び子孫が生き残る確率を高められるように家庭重視戦略で生きる。

前者は生活がシビアになればなるほどその傾向が強まり、後者は生活に余裕があった場合に有効になる。

また遅い生活史戦略の個人は一般にパートナーに対して粗暴に振る舞うことも知られてリウ。

今回取り上げる論文は、アメリカ、イスラエルなど五カ国での調査データを使って、生活史要因や行動傾向がどのようにしてドメスティック・バイオレンスなどの問題行動に関係しているかを調べている。

結果を示すと以下のような関係性があるようで

認知機能の一つであり、知能との関連が深い実行機能が高いほど、速い生活史に見られる行動傾向を抑制することが示されている。

ごくごく大雑把に捉えれば実行機能が高い人(知能の高い人)は長期的利得を図るので、割と幸せな人生を送れるんだろうか。

Q: 仲間の価値がサイコパシー傾向と攻撃的態度に対して、負ではなく正の影響を与えている。仲間に価値を置く人は敵に対しては残酷になるのでは?

明日目を通す論文:

愛のホルモンが暴力につながるとき:オキシトシンは、高特性の攻撃的な人々の間で親密なパートナーの暴力の傾向を高める

When the love hormone leads to violence: oxytocin increases intimate partner violence inclinations among high trait aggressive people


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