見出し画像

社会的規範のきつさやゆるさは社会背景が変わっても、あんまり変わらない

文化的きつさ・ゆるさの経時的変化と変動
Across-Time Change and Variation in Cultural Tightness-Looseness

直感的に住みやすそうな国と住みにくそうな国というのがある。

例えばドイツなんかは空港や街をちょっと歩いてちょっとお話するだけでも、私の場合はなんだかしっくり来て住みやすそうな気がする。ポルトガルなんかもなんとなく肌にしっくり来る。

それに対してスペインは食べ物は美味しそうだけど、この文化圏で暮らせと言われればちょっときついような気がする。

その文化がどんな特徴があるのかというところでは、社会学では文化のきつさや緩さを図る指標があるらしい。

社会的規範がきつすぎる国や大分弱めの国なんかをアンケート調査などで数値が出来るとのこと。また社会的規範が強すぎても弱すぎてもだめで、程々のところにある国は幸福度も健康度も高いとの研究もある。

またこの社会的規範の強さというのは、天災や戦争、疾病が多いような地域では強くなるという研究や、そんな地域では心配性の遺伝子を持っている人が有意に多いとの研究もある。

今回、果たしてこの文化的なきつさやゆるが時代によって変わるのかというところで論文を探して読んでみた。

1本だけ見つかった。エストニアの10年間を追ったもので、その10年でどれだけ社会的規範のきつさがどれだけ変わったのかを調べたもの。

ちなみに対象となった期間は、ソ連邦から独立して10年の2002年とその10年後の2012年。

もともとエストニアは社会的規範がゆるい国だったが、2012年はいくらか社会的規範が強まったとのこと。しかしその間の社会経済的な変化は非常に大きいのと比べると、社会的規範の変化は比較的弱く、社会的規範というのは比較的頑強で変わりにくいのでは、ということが述べられている。

Q: 社会的規範は精神疾患の発症率にどんな影響を与えているか?

明日目を通す論文:
文化の役割–道徳判断における遺伝子共進化:セロトニンの緊張–緩みと対立遺伝子変異との間の相互作用の調査
The role of culture–gene coevolution in morality judgment: Examining the interplay between tightness–looseness and allelic variation of the serotonin


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?